倉などに何があると言うのか?
ムネガさんの胸を誰が見るかで揉めてるとナギサが名乗りを上げる。
初めからそうしろよと言う心の声が漏れたのか睨まれる始末。
これはまずいぞ。怒らせてしまったか?
「きれいなオッパイですね。本当に素敵です」
ナギサは女同士と言うこともあり言葉を選ばない。
オッパイはさすがに直接的過ぎるぞ。せめてニュウニュウか胸で濁せよな。
下品な気がしてナギサにはまるで似合わない。
「ナギサ…… もう少しオブラートに包んだ言い方にしよう。
例えば。ニュウ…… ゴホゴボボ…… 」
ダメだ。ニュウニュウが言えない。それだけ緊張する場面。
ナギサにはオッパイもニュウニュウも似合わない。だがどうすれば?
「どうしたんですかアキラさん? オッパイはオッパイでしょう? 」
自然だ。決して恥ずかしいことではない。
そんな風に変に感じる方がおかしいしどうかしてる。
確かにそうだと思う。でも嫌なんだ! 言って欲しくない!
ナギサにだけは。だが言わせたのは紛れもない自分だ。
「せめて丁寧に言うとか? 」
「オッパイさん」
ダメだ。興奮して来た。
「それでどうだナギサ? 」
「はい。大きいです! 」
「素直に答えんでいい! 大きさではなく傷跡だろう? 」
それくらい見れば分かること。確認するまでもない。
「いえ傷跡はありませんでした…… 」
あれ? 何か言いたそうにモジモジしている。そんなころもかわいいな。
さすがは団子屋の看板娘だけある。
「おいおいよく見たのかよ? 」
「はい。きちんと見ました」
ナギサのお墨付き。でもまだ疑いが残る。ここは慎重に。
「隅から隅までか? 」
「そうです。隅から隅まで見た結果です! 」
「うーん。でもな…… 」
悩んでるとメイの兄がトイレに行くと出て行ってしまった。
役目を終えた今彼はもう用済み。とは言え私はそこまで非情ではない。
「それでは皆さん! 」
そう言うと痺れを切らしたムネガさんがとんでもないことを。
「いけません! 」
「そうです! そうです! 」
ナギサとメイがオープンした胸を速攻で隠す。
素早い対応だったのでまったく見えなった。これは残念か?
いやそこまで私は飢えていないしガキでもないさ。
どうやら下乳には傷跡がないことが判明した。
百聞は一見に如かずだな。やはり自分の手と目でしっかり確かめないと。
「もうアキラその手つきは何? いやらしいな! 私のじゃダメなの? 」
メイが細かい。ナギサもいるんだぞ。発言には気をつけろよな。
純粋なナギサを穢したくない。
だがこれでまた一人消えた。ムネガさんは白だ。
こうして潰せて行けるといいのだが。
「ちょっとアキラが狂っちゃった。白だってさ。黒でしょう? 」
「それは違います! 淡いピンクに見えました」
「ナギサさんには悪いですけど黒かと」
「それは光の加減です。私が確認した時はピンクでしたから」
「いやいや最初に確認したのは…… メイだもん! 」
ダメだ。ナギサとの意地と意地の戦いに負けつい感情的になるメイ。
ナギサも釣られて興奮したよう。
大丈夫かな? でも面白いショーが見られたのでよしとしよう。
「ではもう一度確認…… 」
「ほらムネガさん! 」
「無闇にやらないで! 」
ナギサとメイが諭す。
別に私もそこまで見たい訳じゃない。代わりに見てくれるならそれでいい。
ただ自分の目で確かめないと気が済まないのが性だ。
「うーん? これ駄目? でも胸がいいって…… 」
どうやら島の男の戯言を真に受けてるよう。本人がいいならそれでいいのだが。
「よし今度はナギサだ! メイ捕まえてろ! 」
メイを使ってナギサの真実に迫る。
しかし当然ナギサは抵抗。メイ一人ではどうにもならない。
「ナギサさん。いい加減アキラさんの願いを聞いてあげて! 」
メイは年上にも怯まずに自分の考えを述べる。
しかし私も最低な人間だな。どうしてこのような馬鹿な真似をしてる?
「ほら早くアキラさん! 」
メイの協力を得てナギサの秘密に迫る。
もちろんいやらしい考えからではない。
中島ではそれこそニュウニュウは見放題。飽きるほど。
だからナギサの胸だって最初は興奮するが慣れたら何も感じなくなるはずだ。
それが自然なこと。どこかの変態と一緒にされては困る。
「よしいいぞメイ。今度好きなのを買ってやるからな」
メイを好きなもので釣って仲間に引き入れる。
「大人しくお願いします。ナギサさん…… 」
悪だくみするメイ。これは将来が恐ろしいぞ。
「恥ずかしがらなくていい。最初はこんなものだからさ」
こうしてムネガさんに続きナギサのすべてを見ることに。
長かった。辛かった。でも…… ようやく報われる時が来た。
これでいい。これでいいんだ。もう誰も止められない。
「アキラさん…… アキラさんがいいなら私はそれで構いません。
どうぞ好きなようにしてください」
そんな風に諦めからか瞳に涙を一杯に溜めて訴えるナギサ。
それはいくらなんでも卑怯だよ。私は何もできないじゃないか。
「ナギサ! 」
「早くお願いします! 」
「もういいよナギサ。さあ帰ろうか。お前を困らせたい訳じゃない」
「アキラさん…… 」
ははは…… ダメだな。ナギサには敵わないや。
「何だつまらない! そうだ私のを見る? 」
また始まったよ。こんなことで張り合ってどうする?
メイがまだ続けたいと。強引だな。しかし続けるだけの体力が残っていない。
大体一度確認してるだろうが。もう一度同じことをしろと?
「ありがたいが。お前は自分で分からないのか? 」
「それはきちんと胸の下を確認すれば分かるでしょう」
ため息する生意気なメイ。
「どうだメイ? 」
「ない! 通常はない」
言い切ったメイ。あれば言うしなければ首を振って教えるものだろう。
「ああん? 何がないってメイ? 」
兄がトイレから戻るとすべてが片付いていた。
しかしそのことにまだ気づいてない。
「ムネガさん! 見せてください! 」
トイレで腕を磨き度胸を高めた兄。しかしもう今はその段階じゃない。
「お兄ちゃん…… 」
「そうか。アキラは生まれ変わりを探してるんだよな? それは何で? 」
鋭いメイの兄。だが頭はよくなさそう。
「いや…… 大した理由はないって。ははは…… 」
どうにかごまかす。果たしてどこまで彼らは島の真実を知っている?
「ここでナギサとはお別れだ」
「アキラさん…… 」
何か言いたいようだが仕方ないさ。ナギサの母について聞いて回る訳だから。
こうしてナギサを置いて三人でナギサの母失踪の件と島の宝について調べる。
午後二時過ぎ。
倉か…… 倉などに何かあるとは到底思えないけどな。
倉などにね。うーん。倉などに興味はない。
とは言えフィールドワークではこの手の怪しげなところから手掛かりが。
だから倉探しをするが痒くなりそうで嫌。
昨日教えてもらった倉に行くことに。
さすがに案内は忙しいので知り合いの者に行かせると。
それが二時。ナギサと別れてメイちゃんたちと。
「おう! 倉って何ですか? 」
ムネガさんまでついて来た。
「何で俺まで? 」
「悪いな。人手は多い方がいい。特に力持ちで頼りになる男が必要なんだ」
煽てる。単純だから簡単に応じてくれる。
「お兄ちゃん足手まといにならないでね」
メイのきつい一言。さすがの兄も何も言えない。
「それで倉ってあそこ? 俺も小さい頃に探検したことがあるぜ」
カトーのお婆ちゃんの親戚の者が管理してる倉。
ここの歴史が詰まっている。関連する書物もきっとあるだろう。
「お待たせしました」
オシャレ地区で店を構えている女性。
「あなたは? 」
「はい。団子屋のミサキって言います。よろしく」
カトーのお婆ちゃんから倉の整理を任されたと。
お話も伺っていると。どうやら積極的だ。
続く




