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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第45章:未来を変える者たち

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345/362

345.堕ちた司令官

「レイナード!これはどういうことだ!説明しろ!」


バトラーの怒声に怯えながら、レイナードが弁明しようとしたその時、突如として地響きのような重低音が響き渡った。


「なんだ!隕石でも衝突したか?」


レイナードが確認のためオペレーターの元へ駆け寄ろうとした瞬間、足元を突き上げるような激しい衝撃が走った。


「小惑星の各所で爆発が発生しています!外部から何者かが攻撃を仕掛けているようです。着弾箇所から施設が次々と破壊されています!」


バトラーはすぐに指示を伝えた。

「緊急避難の指示を出せ!」


「この小惑星にミサイルのような着弾が続いています。全員、地表エリアから退避してください!離脱可能な艦艇は直ちに離脱してください。繰り返します⋯」

オペレーターは半狂乱でアナウンスを繰り返した。



その後、拠点であった小惑星はリベラによって完全に破壊され、バトラーは大幅に戦力を失う事となった。


さらにリベラからの指示により、ヘキサ・ヤードの全員がアヴァロンでの造船作業を中止させられ、要塞から追い出されることとなった。


バレルは盗聴や情報漏洩といったスパイ活動がリベラに露見したのではないかと冷や汗を流したが、ガルドがこの件でバレルを責めることは一度もなかった。



セレノグラフィアへと戻されたバレルはガルドの元を去り、バトラー軍へコンタクトを取った。

先の戦いで甚大な戦力を失ったバトラー軍は、もはや以前のような厳しい入隊基準を維持できなくなっていた。


しかし、その後、バトラーのスキャンダル映像がメディアに流出した。

そして、その責任を取る形でバトラーは総司令官の職を辞する事となった。


バレルはこの好機を逃さず、バトラーへ巧みに接近した。


新たにバトラーをサポートする立場を確立したバレルは、ついに目的である「ミュートを停止させ」れる場所に到達することに成功した。



それからの日々、バレルはバトラーの側近たちを静かに観察する事にした。


バトラーのサポート役には、ミュートの他にウィンという2人のアンドロイドがいた。

この2人を数日間にわたって観察してみたが、正直な所、どこにでもいるような普通のアンドロイドにしか見えなかった。


なぜ自分はミュートを停止させなければならないのか、バレルはどうしてもその理由を思い出せなかった。


ミュートの停止において、もう1人厄介な人物がバトラーの傍らにいた。

それが、副官のレイナードだった。

しかし彼は先の戦いでバトラーの貴重な艦隊の大部分を失うという決定的な失態を犯して以来、バトラーから一方的に嫌われ、不和が生じていた。


バレルはこの歪んだ人間関係を上手く利用した。

バトラーの側近へと急速に成り上がり、やがてバトラーからミュート、ウィン、そしてレイナードの3人を切り離すことに成功した。


ついにはバトラーへの要望は一度バレルが取り仕切り、バレルを介して3人へバトラーの意向を伝える体制まで作り上げた。


さらにバレルは自らの勧誘能力をフルに活用して荒くれ者たちを配下に引き入れた。


そして、司令官を辞めたバトラーを、宙賊のリーダーへと仕立て上げる事に成功したのだった。

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