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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第45章:未来を変える者たち

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343/358

343.誤算の進軍

佐々木はガルドたち、ヘキサ・ヤードの面々をアヴァロンへ引き入れた。

その後、佐々木たちは別の用件で数日間、要塞を空ける事になった。


この気に乗じて、バレルは動いた。

佐々木たちの不在と、であることをすぐさまバトラーへ報告した。


「圧倒的な武力を見せつけ、無傷のまま接収しろ」

配下の軍艦20隻を出撃させ、その全権を現場の艦長に委ねた。


アヴァロンは、全長80キロメートルに及ぶ規格外の球形要塞である。


無限に広がる宇宙空間では距離感覚が狂いがちだが、接近するにつれどこまでも膨れ上がるその圧倒的な巨体は、艦長に生々しい恐怖を植え付けた。


本当に、20隻の艦隊でこれを落とせるのか…?


艦長の脳裏を冷や汗が伝う。

しかし、バレルからもたらされた情報によれば、要塞を動かしているのは10人に満たない人間とアンドロイドのみ。

構造がどれほど巨大であれ、中の防衛網さえ機能していなければ攻略は可能なはずだった。


艦長は込み上げる不安を押し殺し、バトラーの厳命に従いアヴァロンへの進撃を続けた。



だが、その接近をアヴァロン側が見落とすはずもなかった。


最初に異常を検知したのは、防衛統括を担うリベラのコピーアンドロイドだった。


検知直後、要塞内に甲高い緊急警報が鳴り響いた。


『所属不明の艦隊20隻が本拠点へ接近中。スタッフは、至急コントロールルームへ参集してください』


合わせて、識別信号を隠したまま迫る軍艦に、警告通信を送射した。

『所属不明の艦隊に告ぐ。貴艦は当方の排他的領域に侵入している。直ちに停船し、領域外へ退去せよ。本警告を無視し続けた場合、迎撃行動へ移行する』


しかし、艦隊は速度を落とすことなく突進を続けた。

アヴァロン側は淡々と同一の警告を繰り返す。


そして、艦隊が100キロメートル圏内へ近づいた時、それは起こった。


警告が発せられた後、球形の巨大要塞の一箇所にエネルギーが急速に収束しはじめた。

数秒後、漆黒の宇宙空間に巨大な光の濁流が流れた。

絶対的なその光に20隻の軍艦は抗う間もなく飲み込まれ、一瞬で蒸発した。


⋯-


「一体、何をしたんだい!?」

怒声と共にコントロールルームへ駆け込んできたのは、レーザー砲の設計者のオリーヴだった。


アンドロイドは表情ひとつ変えず、冷静に事実だけを告げる。

「所属不明の艦隊20隻がアヴァロンの排他的領域へ侵入。複数回の停船命令を無視したため、レーザー砲にてこれを排除しました」


「撃ったのかい?」

あまりの出来事にオリーヴが声を荒げる。


アードとゼウスも遅れて室内へ入ってきた。

「どうした?そんなに大声を出して」


肩を震わせるオリーヴにアードが尋ねると、彼女は吐き捨てるように叫んだ。

「このバカが、調整中のレーザー砲をぶっ放したんだよ!」


オリーヴは憤慨したまま部屋を飛び出し、出力装置へと確認に向かった。


アードたちに対し、アンドロイドは先ほどと同じ説明を繰り返した。

「敵艦隊の殲滅は完了。排他的領域内の脅威は排除されました」



それから1時間後。

コントロールルームのモニターに、やつれきったオリーヴの顔が映し出された。


「…まずい事になったよ」


彼女の報告は絶望的なものだった。

強引な発射により、砲身と内部回路に深刻な問題が発生していた。


その修復だけでも最低24時間は要する事。

根本的な原因特定には、さらに膨大な時間を費やす必要があると伝えた。


仕掛けた盗聴器から流れるその音声を、バレルは静かに聞いていた。

今回のお話は130話あたりの歴史改変話になります。

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