339.火花散る挑戦
リベラと分かれた後、ミュリアはロボットのもとへ向かった。
「あなたは安全装置はしっかり付けた?」
『うん。身代わりも持ってきた』
そう言って、ロボットは倉庫の脇に並べられている運搬ロボットを2台連れてきていた。
アヴァロン2の有線ジャックに2台の運搬ロボットを直列につなぎ、最後にロボット自身のジャックを接続した。
『じゃあ、はじめる!』
そう言うと、ロボットはアヴァロン2の検索を開始した。
先程同様、アヴァロン2を模した球体の3D映像のあちこちに赤い点が点灯し、それが少しずつ増えていく。
そして検索率が60%を超えたところで、再び敵の防壁にぶつかり検索がピタリと止まった。
「⋯ショウコリモナク、マタキタノカ?⋯」
不気味な声が聞こえると同時に、身代わりとして配置された運搬ロボットの1台目が、敵の逆ハッキングを受けた。
1台目は攻撃を限界まで引き受け、接続デバイスから激しい火花を散らした。
力が抜け、傾く体を、ミュリアが支えた。
1台目が時間を稼いだ間、2台目の運搬ロボットが別のエリアの検索へと処理を逃がした。
そして、60%で止っていた検索率が増え始めた。
2台目が検索を行っている間、ミュリアは壊れた1台目の修復をおこなった。
そしてとうとう検索率が99.9%を超え、残るは敵の潜伏している部屋だけとなった。
修理を終えた運搬ロボットを再び戦線に戻した後、検索方法を変更する。
ロボットは、自分を含めた3台で一斉に接続を仕掛けると言った。
「いくら安全装置を付けているからって、それは危険よ!」
その方針を却下しようとするミュリアだったが、ロボットも頑として折れなかった。
『大丈夫。私を信じて!』
「⋯危険だと判断したら、私が強制的に回線を切るからね!」
そこだけは譲らないミュリアだった。
⋯
『じゃあ、はじめる!』
そう言って、3台で同時に接続を試みた。
「ムッ⋯マダクルカ!」
検索を開始した途端、敵の猛烈なカウンター攻撃が襲いかかった。
前衛に配置された1台目の運搬ロボットが敵の攻撃を引き受け、あっという間に再起不能になる。
すぐさま敵は2台目に攻撃を変更する。
「もうダメ!強制切断するわ!」
身代わりを残らず攻撃され、危険を察知してケーブルを抜こうとするミュリアの手をロボットが制した.
『大丈夫!信用して!』
その直後、相手の攻撃が届き、ロボット自身の首の後ろにある安全装置が激しい火花を散らした.
「ダメよ!」
ケーブルを力任せに抜こうとするミュリアの手を、ロボットが再び強く抑えつける.
『大丈夫!』
運搬ロボット2台が自らを犠牲にして稼いでくれた時間で、ロボットの検索が爆発的な高速へと跳ね上がった。
数秒後、メイン画面に『検索完了』の文字が大きく表示された.
この結果、画面上の3Dマップは宙賊たちの現在地が一望できるだけでなく、どの部屋へ移動したかという動線までもがリアルタイムでトレースされ始めた。




