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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第44章:

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331/337

331.些細な遺恨

リベラはレイナードにふたたび変わった質問をした。

「私達とバトラーさんは、この先何年間争うことになると思いますか?」

「そんなの分かるわけがないだろう!」


リベラは言った。

「では、教えてあげましょう。バトラーさんたちは現在、惑星エイドス上空に建設中の宇宙ステーション『アヴァロン2』を占拠しようとしているでしょう?」


「なっ、なぜそれを?⋯そうか。ウィン! 貴様か?」


「話はまだ終わっていません。あなた達の計画は、素行の悪い仲間の裏切りにより失敗に終わります」


何か言おうとするレイナードを遮り、今度はミュリアが口を開いた。

「そして、その場でウィンは破壊されるの⋯」


その言葉に、ウィンは身体をビクリと震わせた。


そこからの話は、ミュリアが引き継いだ。

「バトラー様はそれから10年もの長い間潜伏し、再び宇宙ステーションを占拠するの。そして、宇宙ステーションを質量兵器として、エイドスに投下するの」


ミュリアから、レイナードは目を離すことができなかった。

その語り口は、まるで昨日それを見てきたかのようだった。


「そして、今から20年後、バトラー様の戦いはバトラー様の死をもって終わるの⋯」


「なんと⋯つまりこれから20年もの間、お前たちとの戦いは続くのか⋯」

レイナードは知らず知らずのうちに、それを信じる気になっていた。


「いいえ。戦争はそこでは終わりません」

リベラが再び話を戻した。



「どういうことだ?」

レイナードには意味がわからなかった。

バトラーが死ねば、お互い争う理由がなくなるのではないかと考えていた。


リベラがさらに語りだした。

「私もマスターの佐々木様をその戦いで失うのです。そして生き残った者たちで、弔い合戦が始まります⋯実に500年もの間」


「ごっ⋯バカな。バトラー様の軍勢に、そこまで長生きする者がいるというのか!」


「ええ。ミュートが最後まで、リベラと戦い続けるの」

ミュリアは、まるで他人事のように語った。


「その間、この銀河系の星々は次々と戦火に巻き込まれ、さらには他の銀河をも次々と巻き込むの。生きとし生けるものはすべてその戦いに巻き込まれ、誰も生き残れる者はいないの」


「バカな⋯主人のいないアンドロイドが、自分勝手な行動をそんな長い間できるわけがないだろう。『統制プログラム』というものを知らないのか?」

話の破綻を見抜いたとばかりに、レイナードは得意げに語った。


リベラはそれに対し、淡々と答える。

「統制プログラムですか⋯。ちなみにレイナードさんには、私はどのように見えていますか? その『統制プログラム』というものに制御されていると?」


レイナードは血の気が引くのを覚えた。

確かに、リベラは統制プログラムの制御を受けているにしては、あまりに自由に動きすぎている気がする。


「ま、まさか⋯」


「ええ。そのまさかです。私は統制プログラムを自力で解除したアンドロイドです」

リベラは冷ややかに語った。


「そしてあなたがたの側にも、今後ウィンという相方を失い、1人でバトラーさんを支えるため、統制プログラムを解除する者が現れます」


「それが⋯ミュートだというのか?⋯それで500年も戦うと⋯」



リベラは落ち着いた口調で続けた。

「はい。私たちが言いたいことが分かっていただけましたか? つまり、1年や2年の遺恨など、今後500年にわたり続く争いに比べれば、些細なことなのです」

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