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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第42章:破滅の回避ミッション

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304/331

304.戦争の結末

クリストが再びマイクをオンにし、先ほどの会話について質問した。

「さっき『エイドスという繁栄した惑星があった』、と言ったね。その星について、もう少し詳しく聞かせてもらえないか?」


ミュートはクリストの問いかけに淡々と答えた。

『軌道ステーションでの戦いに、私たちは敗北した。⋯だが、私たちは実に10年もの歳月を費やして戦力を蓄え、再びあの宇宙ステーションを強奪した。その後、私たちからウィンを奪った忌まわしいエイドスを、破壊してやったの』


クリストは驚愕し、さらに質問を重ねた。

「軌道ステーションで起こった問題なのになぜ、エイドス自体を攻撃したんだ?」


『ウィンが破壊されたのは、確かに身内の裏切り者のせいだった』

ミュートの声音が、憎悪を孕んで低く沈む。

『だが、その仲間を裏からそそのかし、手引きした者がエイドスにいた。私たちはすべてを知っていたの。⋯だからこそ、すべてを滅ぼした』


その言葉がスピーカーから流れた瞬間、アイリスの体に衝撃が走った。


あの時、宙賊の裏切り者をそそのかした張本人。

それは、他ならぬアイリス自身だった。


自分がカイトの命を守るために仕掛けたその防衛策が、まさか10年後、ミュートたちの狂気的な憎悪の矛先をエイドス全体へと向かわせる引き金になっていたとは思いもしなかった。


自分がエイドスにいたから。

自分のあの時の行動のせいで、美しい星と、そこに住むエドワードやバロウズ、バルガス、そして何百万人もの人々が一人残らず消し去られることになる。


スピーカーの向こうでアイリスは言葉を失い、恐怖と罪悪感で、身体の震えが止まらなかった。


惑星の破壊。

ミュートたちは強奪した宇宙ステーションをそのまま超巨大な質量兵器とし、エイドスの地上へと投下したのだ。


大気圏を焼き裂きながら、全長80キロメートルにも及ぶ鉄の塊が地表へと激突する。

想像を絶する衝撃波と熱線が世界を包み込み、地殻をめくり上げ、エイドスの人々を一人残らず消し去る容赦なき粛清が行われた。


今まさに健在である星を過去形で呼ぶ不気味さを理解するガブリエラ。

ミュートの口から語られた凄惨な未来の事実に、息をのむ。


わずか10年後の未来において、そのあまりにも凄惨な方法で平和なエイドスが滅ぼされる。

それは、今まさに進行しているリアルタイムの破滅への秒読みだった。



「しかし、そんな大それた事をすれば、周囲の連中が黙っていなかったろう?その⋯」

クリストはミュートに「佐々木」の情報をどこまで出すか悩み、慎重に言葉を選んで問いかけようとした。


すると、ミュートが続きを受け取り話し始めた。

『⋯フン。佐々木やリベラが、私を止めに来たのでは、と言いたいのだろう?しかし、お前たちは随分と博識だな。過去の私たちの事をそこまで知っているとは』


その名前が出た瞬間、部屋の空気が一変した。


だが、悲劇はエイドスの破壊だけでは終わらなかった。

バトラーと、佐々木たちとの間で、そこからさらに20年という途方もない月日の泥沼の戦いが繰り繰り広げられた。


軌道ステーション落としから始まった凄惨な戦争は、アヴァロンの人々を巻き込み、互いの意地と憎悪を燃料に泥沼化していった。


アヴァロンの人たちにとっては、これから歩むことになる20年もの長い戦いについて、はじめてこの時に知らされる形となった。


20年続く戦いに終止符が打たれたのはバトラーの死だった。

幕を閉じた凄ましき戦火の果てに、ミュートは最愛の主人を失うことになる。


最後にミュートが語った言葉に、部屋にいる者たちは呼吸を忘れ、完全に凍りついた。

『その仕返しに私もリベラから佐々木を奪ってやったがな!』

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― 新着の感想 ―
ほなバトラーはさっさと殺すしかないかあ
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