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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第41章:アヴァロン2の崩壊

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298.エイドスへの帰還

アイリスたちのいる空き倉庫では、現在のアヴァロン2の状況がホログラムで立体的に表示されていた。


ホログラムはパイナップルの果肉をくり抜くように、球形のアヴァロン2からパージされた倉庫ブロックが、宇宙空間へと分裂しながら広がっていく様子が映っていた。


バラバラになった壁の破片や、様々な物資が派手に宇宙空間に放出されている。


その激しい光景の中で、頼りなく漂うものがあった。カイトの眠るコールドスリープポッドだ。


「カイト!」


アイリスは叫びながら、近くにいた建築ロボットへ意思を飛ばし、そこへ向かわせた。


しかし、現場は無重力の宇宙空間だ。


今はパージされた倉庫の頑丈な部品が無秩序に入り乱れて飛んでいた。

むやみにそこへ突っ込めば、衝撃で建築ロボットが壊れかねない。


アイリスが手をこまねいている間にも、カイトのポッドは少しずつ、アヴァロン2から遠くへと離れていく。


気ばかりが焦り、一歩も動けないロボットの中で、アイリスはただ立ち尽くすしかなかった。


カイトを呼ぶ彼女の声には、悲壮感すら漂い始めていた。


『⋯待たせたな⋯』

その時、急に通信が入った。


それと同時に、カイトのポッドが浮遊していく先に、一隻の真新しい宇宙船が滑り込んできた。


「その声は⋯ギルバートさんですか!?」

ミネルヴァが驚いて通信に横入りし、確認の声を上げた。


『ああ、お前らのことが気になって戻ってきたんだ』

通信の向こうで、ギルバートが不敵に答えた。


ギルバートは船で、カイトのコールドスリープポッドの飛んでいく先にいた。


船体で優しく受け止めるようにして、ポッドがそれ以上、遠くへと流れていってしまうのを防ぐことに成功したのだ。



その後、無事にポッドを回収したギルバートの『スターブリンガーⅡ』は、アイリスたちも回収し、無事、惑星エイドスへ戻ることに成功した。


地上に戻ったアイリスを待っていたのは、彼女の保護者のような存在であるバルガスとバロウズの2人だった。

2人はアイリスの姿を見るなり、どれほど心配したかと涙を流して抱きついてきた。

アイリスも「勝手なことをしてごめんなさい」と、素直に謝っていた。


回収したカイトのポッドを確認した医師から深刻な事実が告げられた。

カイトの病状が、以前よりも悪化していることが判明したのだ。


医師との相談の結果、このままコールドスリープ状態を維持し、速やかにエイドスよりも高度な医療施設を持つ星へと移して治療をすることを勧められた。


「それなら、カイトをアヴァロンに連れて行こう。あそこならエマたちがいる」

ギルバートがそう提案してくれた。


アイリスは、エイドスにこのまま残ろうとした。


しかし、バルガスとバロウズの2人に弟について行くことを勧められた。


アイリスは、自分がいない状態でエイドスがどうなるかを心配した。

しかし、2人は自分たちに任せておくよう言い、アイリスを安心させた。


アイリスは頼もしい2人に心から感謝し、弟と共に、アヴァロンへと戻る事にした。

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