293.反撃ののろし
モニターには、倉庫に大量の食料や酒を持ち込み、大声で馬鹿騒ぎしている3人の宙賊たちが映っていた。
すると突然、その倉庫の電気が一斉に消えた。
モニターの映像が瞬時に暗視カメラの緑色の画面に切り替わる。
真っ暗闇の中、キョロキョロとあたりを見回す宙賊たちだが、人間の目には何も見えていない。
空間の奥でかすかに輝いているのは、緑色の非常口のマークだけだった。
「な、何が起こってる!?」
「わからねぇ!」
急な暗黒に、男たちの間に一気に不安が広がる。
その時、遠くからガチャン、ガチャン、と機械音が暗闇に響き始めた。
「な、何だ!?」
怯えた男たちは、近くに置いてあったレーザーガンを慌てて構える。
そのうちの1人が緊張のあまりトリガーを引くと、レーザーの閃光が一瞬だけ周囲を明るく照らした。
「うぉっ! あぶねーだろうが!」
別の男が、自分の近くをかすめたレーザーに抗議の声を上げる。
だが、その間にも、ガチャン、ガチャンという機械音は男たちに近づいてきていた。
アイリスたちのいる部屋のモニターには、暗視映像によってその正体がはっきりと映し出されていた。
それは、倉庫の端で待機している、人型の運搬ロボットだった。
もちろん、その操作はアイリスが行っている。
男たちのすぐ目の前まで迫ったロボットは、突如として頭部の作業ライトを最大光量で光らせた。
至近距離で急に目潰しを食らった3人は、驚きのあまり一斉にトリガーを引いた。
放たれたレーザーが運搬ロボットの頭部に直撃し、ロボットの頭が派手に吹き飛んで、床を転がった。
「あー!!」
モニターを見ていたアイリスが、悲痛な声を上げて飛び起きた。
「⋯ゆるさん!」
頭部を失った運搬ロボットは、猛烈なスピードで1人の男の後ろへと回り込んだ。
そして、ロボットアームによる鋭い手刀を、男の首元へと容赦なく叩き込む。
「ゔっ」
低い悲鳴を上げて、大男が崩れるように床へ転がった。
残りの2人も、暗闇の中で何が起きたか分からぬまま、同じように一瞬で床に叩き伏せられた。
その瞬間、倉庫の明かりが何事もなかったかのように復活した。
部屋の奥から別の運搬ロボットが静かに近寄り、気絶した男たちから手際よく武装を剥ぎ取っていく。
さらに、梱包用の頑丈なビニールで男たちをみのむしのようにぐるぐる巻きにすると、近くにあった空のコンテナへと無造作に突っ込んだ。
そしてそのコンテナは別の倉庫へと運び出されていった。
続いて、清掃ロボットがやってきて、男たちが汚した床をピカピカに掃除し、最初から誰もいなかったかのように痕跡を消し去ってしまった。
画面が別の部屋に変わるとそちらの部屋でも、同様の「処理」が行われた。
ミネルヴァのホログラムの、青い点が少しずつ、減っていっていた。
その途中。
「見つけた!」
アイリスが突然、部屋に響き渡る大きな声をあげた。




