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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第41章:アヴァロン2の崩壊

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289.見えない傭兵

カメラクルーが慌てて窓の方へレンズを向けると、漆黒の宇宙空間に1隻の宇宙船が近寄ってきていた。


『カーゴの落下には失敗したが、お前は計画通り拘束させてもらうぞ、エドワード』


男の声が響き渡ると同時に、不審船から接舷用の巨大な強襲パイプが容赦なく伸び、こちらのカーゴへ連結しようと迫ってくる。


『抵抗をしてもム⋯』

男が勝ち誇ったように話しを続けている途中で、その不審船の船体が突故として片方へ流れた。


直後、目も眩むような大爆発が宇宙空間に炸裂した。


宇宙であっても、至近距離での爆発の光と衝撃波は容赦なくカーゴを襲った。

凄まじいエネルギーに揺さぶられ、カーゴ全体がきしむような音を立てて激しく震える。


「きゃああっ!?」

アナウンサーの短い悲鳴が響き、カメラマンも機材を抱えたまま床に激しく叩きつけられた。


やがて揺れが収まり、窓の外に広がったのは、バラバラに砕け散っていく不審船の無残な残骸と、空間に広がる爆炎の光だけだった。


あまりにも一瞬の出来事に、カーゴ内は静まり返る。


「⋯何が起こったの?」

ミネルヴァですら、目の前で起きたあまりに突発的な光景が理解できず、呆然と声を上げた。


その瞬間、ミネルヴァへ直接、クリアな音声が飛び込んできた。

『⋯私が撃破した』

電脳に直接接続できるアイリスからの、通信だった。


カーゴ内のアナウンサーは、目の前で起きた大爆発に混乱しながらも、なんとか状況を実況しようとする。


「先ほど、不穏な通信を送ってきていた不審船が⋯急に、爆発しました⋯? 一体何が起きたのでしょうか⋯!」


生中継の緊迫感が張り詰める中、状況を飲み込めない一同に代わり、頭の回るミネルヴァがマイクの前へと進み出た。


「ご視聴中の皆様、ご安心ください。われわれアヴァロン商事は、今後のアヴァロン2の安全な運用のために、星間警備会社の立ち上げと運営を予定しております」


現在はその試験運用として、周辺宙域に、信頼できる近隣の傭兵を護衛サポートとして極秘裏に配備していた事。

先ほどの不審船は、その警備網にかかり、迅速に撃破された事を説明した。


「えっ、傭兵ですか!?」

アナウンサーが驚きの声を上げる。

「どこにいるんです?」


カメラマンは慌てて窓の外をキョロキョロと映すが、漆黒の宇宙空間にその姿を捉えることはできない。


ミネルヴァは、カメラを遮るように手をかざした。

「これ以上の詳細は、弊社の警備上の機密事項に当たりますので、今は伏せさせて頂きます」


ここで、エドワードが再びマイクの前に立ち、自分が無事であることを改めて強くアピールした。

「ご覧の通り、アヴァロン2の防衛システムは完璧です! 私は完全に無傷です!」


地上からの割れんばかりの歓声をバックに、ミネルヴァの合図で一旦テレビ放送は打ち切られた。



臨時のCMへと切り替わったのを確認し、ミネルヴァはカメラクルーをキャンピングカーの外へと待たせた。


ミネルヴァはエドワード、とアイリスに向き直った。

「アイリスさん。先ほどのはどうやったのですか?」


ミネルヴァが尋ねるとアイリスは素直に答えてくれた。


「⋯リベラがこの付近に、多数の特攻船を待機させてる。そのうちの1隻を使って、不審船に激突させた」

アイリスはフンスと鼻をならし誇らしげに言った。

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