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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第41章:アヴァロン2の崩壊

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288.不屈の決意表明

「ダーク⋯バトラー?」

アイリスは口に出してみた。

その響きは最近どこかで聞いたことがある気がした。


「⋯たぶん、こいつらがカイトをさらったんだ」

まだ確証はなかったが、アイリスは予想を口にした。


しかし、そんな彼女は、依然として裸だった。


「ア、アイリスさん、何か着てください!」

お湯が抜けたせいで泡がかすかに体に残ったまま無重力空間を舞うアイリスに向けて、エドワードが顔を真っ赤にして声を上げた。


「無重力で服まで届かない。べつに見られても恥ずかしいモノじゃない」

アイリスは慌てる様子もなく、一糸まとわぬ姿のまま無重力空間で堂々と腕を組んで言い放った。


その時、ミネルヴァが近くのコンソールパネルを素早く操作し、臨時のバッテリーを繋ぎ直した。


その瞬間、カーゴ内の人工重力が復活し、宙に浮いていた全員がゆっくりと地面の方へ落ちていく。


ムニュっと、エドワードの顔の上に柔らかいものが落ちてきた。


重力の復活とともに、裸のアイリスがそのままエドワードに抱きつくような状態で落下してきたのだ。


意外とふくよかな胸元が顔の上にまともに乗ると、エドワードはあまりの衝撃に言葉を失い、完全に黙ってしまった。


「⋯エッチ!」

アイリスはエドワードを非難した。


その直後、キャンピングカーの扉が勢いよく急に開き、外で待機していた密着取材班が飛び込んできた。


「エドワードさん無事ですか!? 先ほど海賊が身柄を拘束したと⋯」

アナウンサーが言いかけた所で、その言葉は完全に止まってしまう。


カメラマンの手元では、生中継のカメラが回っていた。


裸の女性が上に乗っているエドワードの姿が、そのまま全エイドスに向けて生放送されてしまった。


2秒ほどの硬直の後、テレビカメラの映像は一時中断し、おっとりとした環境音楽と共に『しばらくお待ちください』の文字が慌ただしく画面に流れた。



しばらくしてテレビ映像は復活した。

復活して最初に映ったのは地上の映像だった。


地上に残っていたアナウンサーが、数分前に地上から撮影された、カーゴが奇跡的に着陸する瞬間のリプレイ映像に合わせて声を張り上げていた。


「今、画面に映っているのは先ほど捉えた映像です! 上空の爆破テロにより制御を失っていた下降側のカーゴですが、設計通りに2重の安全装置が作動し、逆噴射によって安全なエリアへ無事着陸いたしました! 地上への被害は完全にゼロです!」


続いて中継がカーゴ内のアナウンサーに切り替わる。


「こちら、エドワード社長の乗るカーゴです。先程はお見苦しい映像をお見せしてしまい、大変失礼いたしました」


画面の外で、すでに服を着終えたアイリスがムッとした顔になる。


「エドワード社長は無事です!」

アナウンサーの言葉とともに、カメラの映像がエドワードへと向けられた。


エドワードはカメラをまっすぐに見据え、毅然とした態度でマイクに向かった。

「皆さん、私は無事です! われわれアヴァロン商事は、このような卑劣な暴挙には決して屈しません!」


エドワードが力強く熱弁するその姿を見て、地上でモニターを見上げていた人々からは一斉に大きな歓声が上がった。


『果たしてそううまくいくかな?』

どこからか不敵な男の声が響いたかと思うと、突如としてカーゴの窓の外が眩しく光りだした。

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