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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第41章:アヴァロン2の崩壊

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285/367

285.式典の社長

かつてのひ弱な御曹司の面影は消え、今や堂々たる風格を纏ったエドワード。


そのすぐ後ろには、完璧な所作でミネルヴァが静かに控えていた。


「この軌道エレベーターは、そしてエイドスの皆さまと共に築く『未来』そのものです。さらに上空では、エイドスの新たな拠点となる宇宙ステーション『アヴァロン2』の完成も、間近と迫っています。宇宙をつなぐステーションと、宇宙と地上を結ぶエレベーターの両方が稼働すれば、このエイドスにさらなる発展をもたらします。私も全力で尽くしてまいります!」


エドワードは押し寄せる報道陣やエイドスの市民に向けて堂々とした態度で挨拶を終え、完璧に大役を締めくくった。


割れんばかりの拍手と歓声が会場を包み込んだ。


式典の喧騒を後にし、さっそく軌道エレベーターの搭乗口へと向かうエドワードとミネルヴァ。


目の前に鎮座するエレベーターのケージは、およそ大型トラックが2台丸ごと収まるほどのサイズを誇っていた。


これが2機、絶妙なバランスで常に上下する仕組みになっている。


エイドスの歴史的な初稼働を紹介するため、ケージ内にはエドワードとミネルヴァのほかに、密着取材のアナウンサーとカメラマンが1人ずつ乗り込んでいた。


生中継用のカメラを構えた2人は、世紀の瞬間にかなり興奮している様子だった。


ケージ内の超豪華な居住施設を備えた大型キャンピングカーの前に来ると、ミネルヴァがぴしゃりと彼らを制した。


「ここから先は社長のプライベートエリアとなりますので、立ち入りはご遠慮ください。中継はケージ内の展望スペースからお願いいたします」

「あ、はい! 了解しました!」


さすがに動く高級ホテルのようなキャンピングカーの内部までは入れてもらえず、アナウンサーたちは大人しくケージのガラス窓の方へと下がっていった。


2人を外に残し、エドワードとミネルヴァはキャンピングカーのドアを開けて中に入る。


「ふぅ。やっぱり、みんなの前の挨拶は緊張するね、ミネルヴァ」

「お見事な演説でした、エドワード様。復権の日も、決して遠くはありません!」


かつてのエドワードは、名家の御曹司として何不自由ない生活を送っていた。


しかし、両親の不慮の死を境に、親戚たちに財産をむしり取られ、その命までもが狙われるようになった。


その窮地から彼を救い出したのが、幼少期から面倒を見てきたミネルヴァだった。


ミネルヴァは、亡きエドワードの両親からの託託を果たすべく、自己の統制プログラムを突破するという奇跡を起こしてまで彼を守り抜いた。


その過酷な放浪の果てにアヴァロンのメンバーと出会い、ようやく安全な拠点を確保できたという経緯がある。


だからこそ、目の前で堂々と未来を語るエドワードの成長は、ミネルヴァにとって何よりも特別な意味を持っていた。


「ご両親にも、今の誇らしいお姿をお見せしたかったです⋯」

ミネルヴァの言葉に、エドワードの胸にも熱いものが込み上げてきた。


しかし、エドワードとミネルヴァの安らぎの時間は長くは続かなかった。


「♪〜♪…」

ソファの後方、奥のバスルームの方から、『鼻歌』が聞こえてきた。


ここにはエドワードとミネルヴァしか乗っていないはずである。


外の取材班は、車内に入れないようにロックしていた。


2人は無言のまま、バスルームへと近づき、その扉を勢いよく開け放った。


そこにあったのは、信じられない光景だった。


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