表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第34章:

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/233

225.待っていた笑顔

漆黒の宇宙空間に、その巨大な球体が姿を現した。


「あれが、アヴァロンです」

リベラの言葉に、カミーユとアイリスは弾かれたように窓へ駆け寄り、文字通りへばりついた。


近づくにつれ、その球体はどんどん大きくなっていった。

近くに比べるものがない宇宙空間では、そのサイズを計り知るのは難しい。


視界のすべてを覆い尽くしていくその威容。

想像を絶する巨大さに、2人はあんぐりと口を開けたままだった。


「スゴイデカい」

アイリスがつぶやくと、カミーユも「ウン⋯」とその意見に同意した。


球体の一部がゆっくりと開き、スターゲイザーを迎え入れた。

宇宙港へ入港し、気密エリアのハッチが開くと、そこには懐かしい顔ぶれが待っていた。


「とうちーゃん、おかえりー!」

元気いっぱいに叫ぶメイリン。

その腕には幼いメイシンが抱かれ、隣ではベガが柔らかく微笑んでいる。


「ただいま。ベガ、メイリン」

佐々木は駆け寄ってきたベガをひょいと抱き上げると、メイリンにも優しく語りかけた。


その光景を後ろから見ていたカミーユは、初めて見る佐々木の「父親としての顔」に、驚きで少し身体を固くした。


そんなカミーユの視線に、メイリンが目ざとく気づくる。

「ん? そっちの人はもしかして⋯」


メイリンがニヤリと笑うと、背後に控えていたリベラが説明した。

「はい。新しいハーレムメンバーのカミーユさんです」


「カ、カミーユと申します! よろしくお願いします!」

あまりの緊張に、深々と頭をさげるカミーユ。


その様子を見て、メイリンは楽しげに声をあげた。

「あはは、なかなか可愛い子を捕まえてきたね。私はメイリン。よろしくね」


向けられた優しい言葉に、カミーユの肩の力が少しだけ抜けた。


「積もる話はとりあえず、食堂でしよう」



佐々木がアヴァロンを離れてから、すでに3ヶ月の月日が流れていた。


「今回は結構長かったね」

メイリンがしみじみと呟くと、佐々木は苦笑いしながら頷いた。


「うん。ちょっと色々あって、なかなか帰れなくなっちゃったんだ」

「そうね。なんとなくは通信とかで聞いてたけど⋯⋯サラちゃんもお疲れさま」


メイリンが労うようにサラに視線を向けると、サラはすまなそうな顔をした。

「ごめんなさい。私のせいで⋯」


「いやいや、サラちゃんは悪くないでしょ」

やさしく訂正するメイリンと、その意見にうなずく佐々木。


やさしい空気が食堂を満たしていく中、自動ドアが開き、1人の女性が姿を現した。


「佐々木さん。おそい!」

入ってくるなり、セレネは怒っていた。


少しだけお腹がふっくらと前に出てきた彼女は、佐々木の帰りが遅いことをずっと心配していたのだ。


「ごめんね。遅くなって」

佐々木が申し訳なさそうに謝るが、セレネは構わず彼の腕を取った。


「あ、あの⋯」

カミーユが思わず話しかけようとするが、セレネは鋭く「あとでね」とだけ言い残し、そのまま佐々木を食堂から連れ去ってしまった。


呆気に取られるカミーユに、メイリンが苦笑しながら説明してくれる。

「さっきのは、ハーレムメンバーのセレネさん。アヴァロンのルールで、佐々木が遠征から帰ってくると、待っていたメンバーを優先的に相手してもらうことにしてるんだ」


メイリンは指を折りながら続けた。

「次がエマちゃんで、その次がノアちゃん。その次がクレアさんで、最後に私。だからカミーユさんは5日後かな。まぁ、ずっと離れてたんだもんね。そこガマンしてね」


包み込むように優しく話すメイリンに、カミーユは自然と好感を抱いた。


次に食堂に現れたのはエマだった。

「あっ、カミーユさん久しぶりですね」

エマはほがらかに挨拶すると、すぐにキョロキョロと周りを見た。


「アイリスちゃんは?」


声を掛けられ、サラの背後に隠れていたアイリスがおずおずと顔を出した。


「私はエマ。サラと一緒にあなたの手術をサポートするわ。一緒に頑張りましょうね」


エマの真摯な眼差しに、アイリスは少しずつ心を解いていく。


「⋯お願いします」と、小さな声で挨拶を返した。


「さっそくだけど、エマ。準備状況を教えてもらえる?」

「ええ、行きましょう」

2人は専門的な打ち合わせをしながら、食堂を後にした。


入れ替わるように、リリィとオリーヴが姿を現した。

2人はどうやら研究の合間の休憩に来たようだ。


「ん? この人たちは?」

リリィが不思議そうに聞くと、リベラがカミーユとアイリスを紹介した。


「私はリリィ。年も近いし、仲良くしましょう」

リリィが屈託なく手を差し出すと、アイリスは人見知りを発動させながらも、その手を握りかえした。


「せっかくだから、私がアヴァロンの中を案内するよ!」

メイリンが元気よく案内役を買って出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ