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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第33章:支配者の交代と王子の帰還

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218.新たな代表者

数日後、エマとサラの容疑は、証拠不十分として正式に取り下げられた。


これに伴い、佐々木が供託金として支払っていた50億クレジットは、返金される事になった。


さらに、当局からは「もはや逃亡を制限する必要なし」との判断が下り、長らくエイドスに留め置かれていた『スターゲイザー』の出航許可もついに下りた。


しかし、この50億クレジットは佐々木の手元に戻らない。


グレイソンによる裏取引により、この資金は惑星エイドスの経済支援として寄付されることが決まっていたからだ。


式典は復興のアピールとして盛大に行われる予定だが、目立つことを嫌う佐々木にとって、表舞台に立つのは苦痛でしかなかった。


当初はミラに代表役を任せるつもりだったが、運悪くセレノグラフィアで急ぎ対応が必要な案件がし、彼女は帰還してしまった。


「ギルバートにお願いできないかな?」

朝食時、佐々木がリベラに相談していた時、リベラが通信を受信した。


「佐々木様、かねてより手配していた『交代要員』が到着しました」


「ってことは、式典をお願いできるんだね」

佐々木はあまりの嬉しさにその交代要員が誰なのかについて質問するのを忘れていた。


正体を告げられないまま、佐々木とリベラは宇宙港へと出迎えに向かった。


ルインキーパーが宇宙港に着陸し、タラップから降りてきた。

姿を現したのは、アードとリーナの2人だった。


「アードさんを代表にするの?」

佐々木は少し意外といった顔でリベラに質問した。


「いいえ、違います。アードさんは宇宙ステーションの建築支援でお呼びしました」


続いて降りてきた影を見て、佐々木は目を見開いた。

それは、ミネルヴァと、彼女に付き添うエドワードの姿だった。


「エドワード君?」


驚く佐々木に、リベラが淡々と説明を添えた。

「はい。エドワードさんこそが、アヴァロン商事の若き代表として、このエイドスに相応しいと考えています」



ミネルヴァは、佐々木とリベラの前で深々と頭を下げた。

「佐々木様、リベラ様。エドワード様にこのような再起の機会を与えてくださり、誠にありがとうございます。心より感謝いたします」


かつてのエドワードは、名家の御曹司として何不自由ない生活を送っていた。

しかし、両親の不慮の死を境に、親戚たちに財産をむしり取られ、その命までもが狙われるようになった。

その窮地から彼を救い出したのが、幼少期から面倒を見てきたミネルヴァだった。

ミネルヴァは、亡きエドワードの両親からの託託を果たすべく、自己の統制プログラムを突破するという奇跡を起こしてまで彼を守り抜いた。

逃亡生活の果てに佐々木たちと出会った。



式典を数時間後に控えた控室で、ミネルヴァは背筋を伸ばしたエドワードに語りかけた。

「エドワード様、いよいよですね。あなたの復権を、このエイドスから始めましょう」


「ああ、分かっている。ミネルヴァ、これからも僕のそばでそれを見ていてくれ」


かつての貴族としての矜持を取り戻したエドワードの瞳には、強い意志が宿っていた。


式典の檀上、エドワードはハリソン大統領と力強く、固い握手を交わした。


詰めかけた群衆とカメラの列を前に、彼は堂々たる態度で演説を締めくくった。


「私はこのエイドスに骨を埋める覚悟で、皆様とともに歩んでいきたいと考えております。皆様、これからアヴァロン商事をよろしくお願いいたします!」


若き王子を彷彿とさせるエドワードの気品あふれる姿に、中継を見ていた女性たちは一瞬で心を奪われた。


翌日から、エドワードのもとには連日のようにインタビューの依頼が殺到した。


エイドスの情報誌の表紙を彼が飾ると、その名は瞬く間に広まり、アヴァロン商事は誰もが知る存在となった。

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