209.ガサ入れと供託金
深夜、警察署内。
ガサ入れの準備を進めていた職員が外の騒ぎに気づき、外へ出た。
「何かあったのか?」
「タレコミです! 署の裏に大量の銃器が投棄されているらしいんです!」
大量の武器が警察署裏で見つかったこの事件は、野次馬が撮影した映像が拡散された。
さらに「ココに近づくな!」と、高圧的な発言をした警官の映像がさらに火に油を注いでいた。
イヤな予感がした職員がその武器を確認すると、案の定、バロウズの仲間が持ち出した押収品と一致していた。
情報が漏れている可能性を考慮し、今回のガサ入れは延期される事が決まった。
⋯
事務所では、先生が「シノギ」の精査を始めていた。
麻薬、斡旋業、ゆすりたかり⋯。
「そのままではどれもアウトですね。ですが、斡旋業は管理された環境下で、再構成すれば、正式な許可を受ける可能性があります。ゆすりたかりも悪用までいかなければ、情報収集源として使えるかもしれません」
「なるほど。確かにそれはありますね」
リベラの提案に先生も納得する。
「それで、余る人たちはどうしましょう?」
ギルバートが不敵に提案する。
「セレノグラフィアのような産業も目立った特産品もないこの星で仕事を生み出すためにはアレを作るしかないな。リベラ、政治家にコネはないか?」
リベラも静かに頷いた。
「最高のタイミングで、最適な人がいますね」
⋯
ホテルではサラがカミーユに、佐々木たちがどういう人なのかを説明していた。
「へー。エマさんと一緒に、そんなお金持ちのハーレムメンバーになる事になったんですね。おめでとうございます」
カミーユが淡々と、しかしどこか納得したように告げた。
「ハーレムメンバーではないけどね」
サラと佐々木が、揃って苦笑しながら否定する。
「でも、サラさんは指名手配もされてたから、かなりの供託金が必要だったのではないですか?」
カミーユの問いに、佐々木は「まぁ、そうですね⋯」とお茶を濁す。
サラが身を乗り出した。
「⋯何年かかってもお返しします。いくらですか?」
サラの真剣な眼差しに、佐々木はこれくらいと手のひらをみせた。
「ご?。500万クレジットですか?」
もうちょっと上と視線を泳がせた。
「えっ5000万ですか?そんな高額だったんですか。…まぁでもガンバれば何とかお返しできると思います」
「う、うん。そうだね…」
カミーユは持ち前の空気を読む能力を発気した。
「サラさん。たぶんもっと上っぽいですよ…」
「えっ!5億ですか?」
「…ううん。50億くらいかなぁ」
「「ごっ・・・」」
カミーユがため息をついた。
「一生というか、生まれ変わっても払えそうにありませんね。さっきの商人が怒るのも無理はありませんね」
サラは顔を青くし、深く頭を下げ、佐々木に謝罪をした。
「自分がセレノグラフィアに来たいと言ったばっかりに、とんでもない迷惑をかけてごめんなさい⋯」
「全然気にしなくていいですよ。困ったことがあれば、いつでも助けますから」
佐々木は穏やかに微笑み、彼女の肩を軽く叩いた。
「いいなぁ。うらやましい⋯」
サラはきょとんとした顔でカミーユを見る。
「何をいってるんですか?リベラさんがあなたを助けた理由がわかってます?」




