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異世界に転生した元ゲーマーだけど娯楽がないのでゲーム作ります!  作者: なすちー


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4 パワーワード

 ゴーレム専門学科、特別教室。


 ゴーレムという存在に可能性を見出した俺は、専門学科の教師であるクレイマン先生に頭を下げ、詳しく話を聞かせてもらうことにした。


「いいですか、カイトくん。ゴーレムというのは『魔導基盤(まどうきばん)』あってこそなのです。この基盤にあらかじめ専用の文字を組み込み、魔力を流すことで、ゴーレムという存在に命が吹き込まれるのですよ」


「そうなんですね、よくわかります。ありがとうございます」


 俺は丁寧にそう答えた。


 そもそも、俺は興味のあることなら勉強するのは嫌いじゃない。

 

 それに、どの分野においてもその道のプロフェッショナル――専門家には、最大限の敬意を払うことにしているんだ。


「ちなみに、この魔導基盤だと簡単な命令しか組み込めないとのことですが。では、複数の基盤を組み合わせれば、より詳細な命令を組み込むことも可能なのでしょうか?」


 今の俺は、まさしく優良生徒そのものだろう。


 いや、なにしろ興味が止まらないのだから、つい前のめりになってしまう。


「良い質問ですね、カイトくん。その通り、魔導基盤にはまだ多くの可能性が秘められています。今回、君が研修用ダンジョンで相手をしたゴーレムですが、あれは私自身が基盤に文字を組み込み、設計したものなのですよ」


 あのゴーレム、このクレイマン先生が作ったのか。


 ……ん? あれ? 俺、あの基盤を思いきり叩き割っちゃったんだけど、大丈夫だったのかな。


 先生が何も言ってこないところを見ると、予備があるのか、それとも消耗品扱いなのか。


 先生は話を続ける。

「組み込んだ命令は、大きく分けて三つだけ。宝に近づく者がいたら体を形成すること。動いているものを捕まえて時間稼ぎをすること。そして、自身の手足を動かして移動すること。……たったそれだけですが、あの一枚の基盤に書き込める命令としては、それが限界でした」


 ふむ。となると、俺がわざわざ基盤を叩き割らなくても、あいつは自力で再生なんてできなかったってことか。


「クレイマン先生。でも、普通のゴーレムって自己再生する機能がよく付いていますよね?」


 そう、ゴーレムはよく崩壊する。

無理な動きをしたり、今回フラムが燃やしたように外的なダメージを受けたり。


 だから基本機能として、再生能力を備えている個体が多いはずなんだ。


「そうです、カイトくん。そこなのですよ!」

 先生の声が一段と大きくなった。

 

 なんだか、この先生も相当なゴーレムオタクらしい。目がキラキラとして、爛々(らんらん)と輝いている。

 

 いいよな、こういう情熱を持てる人って。


「私が作ったあのゴーレムにも、当然その機能は必要でした。ですが、組み込んだ一枚の魔導基盤には、もう書き込むための容量が残っていなかった。……なら、もう一枚別の基盤を増やし、そちらに再生の命令を書き込めばよかったんです!」


 先生のテンションは、いまや最高潮に達していた。


「でも先生。俺が倒したゴーレムには、魔導基盤は一枚だけでしたよ? 他には見当たらなかった気がするんですけど」

 そう、あのゴーレムをバラしたとき、心臓部にあった基盤以外に予備なんてなかったはずだ。


「くふふ、カイトくん。複数の魔導基盤を連携させる場合、なにもすべてをゴーレムの中に組み込む必要はないのですよ。……そう、あの宝箱の奥底に隠した『二枚目』。そいつが、ゴーレムとリンクしていたのです!!」


「な、なにっ!?」


 驚愕の事実だった。


 ……いや、待てよ。これは大きな進歩だ。

つまり、複数の基盤をペアリングすれば、物理的に離れていても互いの命令を補完し合えるってことじゃないか。


 となると、あの宝箱を開けた瞬間の爆発トラップ……。


 あれも、宝箱側の基盤に「ゴーレム再生命令」と一緒に書き込まれていたのか。


 なかなかの性格しているな、この先生。


 ゴーレムを再生させるためのバックアップ用基盤に、ついでと言わんばかりに「開けたら爆発」なんて命令を仕込んでおくなんて。


 しかも、宝箱自体には物理的な仕掛けがないんだから、事前の罠チェックなんて意味がない。

 

 初見殺しもいいところだ。あんなの、誰がどうやっても黒焦げ確定じゃないか。


「カイトくん、今からでもよければゴーレム専門学科も履修しないかね? 熱意のある若者は大歓迎だよ」


 それは、願ってもない提案だった。


 もっと専門的なことを学べばゲーム作りに活かせそうだし、そもそも魔導基盤をどう調達するのか、どうやって文字を組み込むのかといった具体的な技術も教えてもらえそうだ。


 ちなみに、俺が主に取っているのは『総合学科』という、前世でいう普通科みたいなものだ。


 あちらの単位取得にはもともと余裕があるし、掛け持ちしても問題はないだろう。


 俺は二つ返事でお願いした。

「はい。ぜひ学ばせてください。よろしくお願いします!」


 ゲーム作りに一歩どころか、二歩も三歩も前進できた気がする。


 そのとき、教室の扉が開いて一人の女子生徒が入ってきた。


 このゴーレム専門学科を履修している生徒だろうか。


「クレイマン先生。『ゴーレムVS(バーサス)ゴーレム』で使う魔導基盤の調整を手伝ってほしいんですけど。今、お手すきですか?」


 ゴーレムVSゴーレムだとっ!?


 なんだ、その響きだけで面白そうな単語は!


 俺の胸は、期待とトキメキでいっぱいになった。


引き続き毎日朝9時更新になります。

よろしくお願いします。

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