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『家族で紡ぐ、最後の夏 ―あの球場に響け、三つの物語―』


【プロローグ:ひとつの提案】


韓国・ソウル。6月のある夜。

リビングのテーブルには、晩御飯のキムチチゲと焼き魚が並んでいた。


「ねえ、ちょっと相談があるんだけど……」


アナウンサーとして帰宅した**成旼ソンミン**が口を開いた。


「한국과 일본의 고등학교 야구를 다룬 특별 방송을 KTV에서 제작하려 해요. 진행을 맡게 됐는데…」

「日韓の高校野球をテーマにした特別番組をKTVで制作することになったの。私がMCなんだけど…」


「またおれを引っ張り出す気か?」


キッチンから出てきた**スグル**が、笑いながら手を拭いた。


「그렇죠. 당신은 해설자로. 단 한 번뿐인 무대니까」

「そうよ。あなたには解説者として出てほしいの。一度きりの特番だから」


そのとき、隣の部屋から**祐美子ユミコ**が顔を出した。


「わたしにも、何かできることないかな。音楽で参加とか…」


成旼がにっこり笑った。


「그 음악, 우리가 필요한 거야」

「その音楽、まさに私たちが必要としてるものよ」



【準備:父と娘、音のキャッチボール】


祐美子は東京の音大に通う作曲学生。

彼女が作曲したのは、青春の熱と別れを描いた吹奏楽曲。


リビングで曲を流しながら、傑がふと呟いた。


「この音……なんか懐かしいな。甲子園のアルプスに響いてた感じがする」


「そう思って書いたの。お父さんの“最後の夏”の記憶を、私なりに曲にした」


傑は頷いて言った。


「それ、俺の“始まり”でもある。なら……俺も、ちゃんと伝えよう。球児たちの気持ち、全部」



【収録日:国境を越えて届く言葉】


KTVソウルスタジオ。

番組のセットには、甲子園球場を模した赤土の演出と、青空をイメージした照明が広がる。


成旼のオープニングナレーション:


“한국과 일본. 국경을 넘은 고교야구 이야기. 오늘, 우리는 세 가족의 시선을 통해 그 여름을 마주합니다”

「韓国と日本――国境を越えた高校野球の物語。今日は、3つの家族の視点から、その夏を見つめます」


映像には、日本の甲子園出場校、韓国の選抜校、そして試合に臨む高校球児たちの姿。


傑(解説):


「この1球に、彼らの全部が詰まってる。勝つためじゃない。“最後まで諦めない”ために投げてるんだ」


成旼:


“한국 학생들도 같은 마음일 거예요. 포기하지 않는 마음은, 언어를 초월하니까요”

「韓国の選手たちも同じ想いよ。“諦めない心”は、言葉を超えるから」



【クライマックス:テーマ曲と家族】


番組の終盤、映像とともに流れたのは、祐美子が書いたオリジナル曲。


その曲名は――

『白球の道、音の彼方へ(흰 공의 길, 소리의 저편으로)』


トランペットとホルンが絡み合い、静かに、力強く鳴り響く旋律。


ナレーション(成旼&傑):


“한 가족이었습니다. 다른 나라에서 태어나, 같은 무대에 선 우리는―”

「ひとつの家族でした。違う国に生まれ、同じ舞台に立った僕たちは――」


“세상은 넓고, 여름은 짧았지만, 그 안에 담긴 마음은 끝없이 깊었습니다”

「世界は広く、夏は短い。でもその中に詰まっていた想いは、果てしなく深かった」



【収録後:スタジオの控室】


成旼が化粧を落としながら、傑に言う。


「오늘, 좀 감동했어」

「今日、ちょっと感動しちゃった」


傑はスーツの襟を緩めながら苦笑した。


「娘の曲が流れて、俺も泣きそうだったよ。…もう“引退”してよかったのかもな」


そこに祐美子が来て、笑顔で言った。


「じゃあ次は、私がメインで、2人がゲストね?」


成旼と傑は顔を見合わせ――


「それも、いいな」

「그것도 좋겠다」


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