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悪役令嬢の妹ですけどなにか?  作者: トマッティ
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舞踏会 3


・・・優美な音楽が流れ出し、ダンスの時間がやってきた。


舞踏会というだけあって、ダンスは当然のことながら踊らなければならない。

まず初めに、現国王であるフラルド様と王妃であるロスタルシア様がダンスホールの中心に躍り出てダンスをする。

これは、舞踏会にて主催者の保護者がまず初めに踊り、その次に主催者が踊らねばならないというファルナー王国の訳分からん慣習である。


2人のダンスは・・・言うまでもないが、とても美しかった。

見るものが見惚れるダンスというものがこういうものなのだと理解出来るダンスでした。

ロスタルシア様の空色の髪がターンと共にふわりと宙にひろがり、シャンデリアの光に反射してキラキラと輝いていた。


色気と美しさで溢れる2人の完璧なダンスの後に踊らねばならないお姉様は緊張するだろうなと思った。



♢♢♢


国王陛下と王妃様のダンスが終わり、いよいよお姉様とアルフレッドのダンスだ。



緊張した面持ちで入場してきたお姉様。

お姉様がちらりとこちらを見たので


「(お姉様、頑張ってください・・・!!!)」


口パクでそう言い拳を作ってみせると、お姉様は目元を少し和らげた。

お姉様まじかわいい。いっぱいすき。愛してる。



ダンスが始まった。

アルフレッドのリードにお姉様が上手くついていって、とても楽しそうに踊る。

見ていて楽しくなってくるダンスだ。


国王陛下と王妃様のダンスに負けずとも劣らないお姉様とアルフレッドのダンスは、やはり完璧なものだった。



「アルフレッド殿下とローズ様のダンス、とてもお綺麗ですね。見惚れてしまいます・・・。」


ウォールが小声で話しかけてきた。


「そうね。さすがお姉様だわ。本当に美しい。

もちろん、アルフレッド殿下のリードも素晴らしいものよね。」


「わかります。

アルフレッド殿下の完璧なリードは男性側として参考になります・・・。」


「・・・アレは異例のコンビネーションだからあんまりアテにしない方がいいと思うけどね・・・。

お姉様ほど上手くリードについていける方は2人といないでしょ・・・。」



お姉様はアルフレッドのリードに任せながら上手くリズムについていっている。

絶対的な信頼感がないとあそこまで上手くいかない。

・・・これは、アルフレッドとお姉様の愛がなせる技だと思う。



そんな話をしているうちに、お姉様とアルフレッドのダンスが終わった。

大きな拍手とともに締められたお姉様とアルフレッドのダンスは賞賛に値するだろう。

私もでかい拍手をお姉様とアルフレッドに送った。


2人のダンスが終わると、次は一般も参加していいダンスタイムが始まる。



「ライネ様は、どなたかと踊られる予定で・・・?」


「あー、いや、特に予定は無いよ。

ぶっちゃけめんどいし。」


「・・・ライネ様・・・。」


ほんと残念な人ですね、と言外にウォールにそう告げられたような気がした。なんやねん。


「踊るのって結構体力使うし。

・・・約束もないから踊らないわ。」










「・・・まぁまぁ、そんなことを仰らずに。

ライネ姉様、僕と1曲踊ってください。」



ウォールに向かってそう話していると、後ろから声がかけられた。



後ろを振り向くと、エルンス第3王子がいた。



「・・・あぁ、なんだ。エルンスか。

久しぶり。この間は熱烈なお手紙どうもありがとう。」


「いえいえ、こちらこそ返答いただきありがとうございました。

姉様と会えることをずっと楽しみにしていたんですよ、僕。

・・・あぁ、姉様。お会いできて嬉しいです・・・。」


語尾に♡がつきそうなほどうっとりとした声音でエルンスはそう言った。


「ね、姉様。ですから・・・僕と1曲踊ってください。

僕に、姉様と最初に1曲踊る権利をくれませんか・・・?」


そう言いながらも私をダンスホールへ強引に連れ出そうとするエルンスの動きは止まらない。

一応、マナーの一環として社交ダンスはマスターしているが・・・。






・・・まぁ、可愛いエルンスの頼みだし・・・いいか。



大人しくエルンスと踊ることを決めたら、エルンスは嬉しそうに微笑んだ。


くるり、くるりとターンしながら弧を描いていく。



エルンスの顔を見ながらレオンとプリ恋の主人公であるメルトのことを思い出す。







今日行われるイベントは、このようなものだ。


『慣れないヒールを履いて舞踏会へ来たメルトは、早々に足を痛めて客室へ休息を取りに来た。

そんな中、客室にいたのは美しき漆黒の髪を持つ美少年だった。

彼はメルトが足を痛めたのだと一瞬で判断し、自分のハンカチを使って手当をした。

その少年はレオンと名乗り、お礼を言うまでもなく手当をし終えたら去っていってしまった・・・。


・・・またいつか、会えるだろうか・・・トゥンク・・・。』



はい、この漆黒の美少年(笑)はレオン・ヴァレルです。

・・・なんか、漆黒の美少年って厨二病感溢れるワードですね・・・。



♢♢♢



そんなことを考えていたのがバレたのか定かではないが、

グイッと引っ張られてエルンスの胸に倒れ込んだところを耳元で「僕とのダンス中に他のことを考えるなんて・・・いけない人ですね?」と囁かれて慌てた。

ほんまこいつ、9歳かよ・・・。

年齢詐欺・・・。







その後は何事もなく・・・エルンスとのダンスが終わった。



「ありがとう、楽しかったわ。」



カーテシーをしながらお礼を言うと、エルンスは胸に手を当てて「いえ、こちらこそ。素敵なレディと踊れて幸せでした。」と微笑んだ。









「エルンスはこれからどうするの?」


ご飯を食べに行くなら私も行こうと思い、エルンスにそう話しかける。


「・・・いや、今夜はもう疲れてしまったので退散するとします。野性的な淑女もいらっしゃるようなので。

それではまた今度お会いしましょう、ライネ姉様。」


ヒラリと手を振ってエルンスは去っていった。

「野性的な淑女・・・?」と疑問を持ちながら周りを見渡すと、食い入るようにエルンスを見つめる女の子が沢山いることに気づく。







「(なるほど、エルンスもモテるんだな・・・。

ご愁傷さま。)」






そんなことを考えていたライネは、ライネのことをじっと見つめる誰かに気が付かなかったのである。


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