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悪役令嬢の妹ですけどなにか?  作者: トマッティ
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ファルナー王国の歴史


今日は、ファルベルン家の資料室に行ってこの国の歴史を調べてみようと思う。


なんでかっていうと、ゲームではファルナー学園についての歴史しか紹介されていないので、いまいちこの国の歴史がわからないのだ。

我が家、ファルベルン家がどういう立ち位置にいるのかとかも知りたいしね。

この世界で生きていくために、歴史を知っていた方がなにかといいだろうと思うから。




本来貴族の子供はこの国の歴史をファルナー学園に入学して授業が始まってからファルナー学園の先生に必修教科として習うことになっている。


だが、私というイレギュラーがいるのでこれからどうなるのかわからない。

なので、我が家の立ち位置とか、ファルナー王国について先取り学習することに良いことはあれど、悪いことはないはずだ。







♢♢♢




と、いうことでファルベルン家の資料室です。

資料室っていっても、お父さん曰く図書館みたいなところらしい。


ファルベルン家の人間しか入れないところで、扉の取手のところに魔術が施されていて、誰かが取手に触れるたびその魔術が発動してファルベルン家の人間か、人間じゃないか判断して扉を開け閉めする。

ファルベルン家以外の人間が扉を開けようと取手に触れたら魔術が発動して大きなベルが鳴り、その扉の1メートルに及ぶ範囲に強い電流が流れるようになっているそうだ。




私が取手に触れると、キィン、と金属質な音がして魔術が発動された。

取手を握っている私の手先から輪っかの形状をした光のようなモノが上に上がってくる。

またもや、キィン、という金属質な音が響いたと思ったらガチャっと、扉が自動で開いた。


(魔術って…す、すげぇええええええええええ!!!!)と思わず感動してから恐る恐る中に入る。


















そこには、お父さんが言っていた通り、図書館のようなところが広がっていた。


一階、二階、と本棚がずらっと並んでいて、かなり広いスペースがあった。

本棚の隅にパネルのようなものがあり、その本棚に入っている本が何に関連するのかがすぐわかるようになっていた。


私が今日知りたいのはこの国の歴史なので、「ファルナー王国、歴史」というパネルを探してみる。

そうすると、奥の方に「歴史」と書かれたパネルがあったので、そこに向かう。



…その場所には、様々な国の歴史があった。



近隣諸国の歴史書がずらっと並んでいるその光景は圧巻だ。






その中に「ファルナー王国歴史書」という本があったのでその本を抜き取って、この場所に設置された1人用の椅子とテーブルに腰をかける。


パラッと開いて見てみると、そこには私が知りたいことが書かれていた。













…曰く、ファルナー王国は3000年以上の歴史を持つ由緒正しい国で。


初代王は「ソルダ・ファルンツ」


この初代王ソルダは「ソルダの歌」という民歌があるほど人気だそうだ。


また、この本曰く、ソルダは昔荒野が広がっていたこの土地を自らの膨大な魔力によって土地を肥えさせ、作物の豊かに実る土地へと変化させた。


それから、初代宰相である「ガーナ・ファルベルン」と共に国をつくり発展させたそうだ。


「ソルダの歌」は、ソルダが荒野だった土地を自らの魔力で豊かにしていく様を表した歌。

その歌詞を読んでみると、内容はなんとも風流な歌だった。


『ソルダーー我らが王よ。

貴方は我らに実りを与えた。貴方の魔力が国土を豊かにしたのだ。

貴方が注ぎ込む力は穢れたこの地に澄み渡り復活の希望を与える。

王国は花々が咲き乱れ、木々も歌う。

ソルダ、ソルダこそがまさしく王であるーー。』



この歌はソルダを褒め称え、後の世にその功績を残すために作られたそうだ。








そして、お待ちかねの我らがファルベルン家についてだが…。


ファルベルン家は王族ファルンツ家の分家として誕生したそうだ。王族の血が流れていて、昔ファルナー王国が出来た時に王と共に王国のために力を尽くしたと言われている。

初代当主は「ガーナ・ファルベルン」。

ガーナはソルダの弟だったようだ。

そのため、王になる血筋を持っていたが…ファルベルン家の先祖代々の当主はどんなに「貴方が王になる方が良い。貴方は王の資格がある」と他人に唆されても頑としてそれを受け入れず、逆にそう言ってきた輩をぶちのめしてきたそう。


…そうやって、代々王を補佐しているのが我が家、ファルベルン家なのだと思うと少し誇らしく思えるのだから不思議だ。









そのほかにも、興味深いことが書かれていた。


例えば、ファルナー王国の首都、ファル。

何故ファルなのかというと、この国において「ファル」とは王の意だそうだ。

王家に関わるものには全てファルという言葉がつくのだそう。


これには納得した。

ファルナー王国には「ファル人形」というものがあって王が代替わりするたびに式典にて代替わりした王の姿形を人形職人がその場で彫るらしく、それが人気の行事らしい。

その行事をなんとなく話していた侍女から聞いて「なんだそのファル人形って…ファルってなんだよ…首都じゃんか…なんで首都人形を代替わりしたばっかりの王の目の前で彫るのさ…。」と疑問に思っていたのでちょうど謎が解けた。
















それから夕食の時間ギリギリまで他の国の歴史を調べてから資料室を出た。

かなり有意義な時間になったと思いまする。



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