↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デレ婚!!~男女8人婚活ストーリー~  作者: 猫本猫美
婚活・恋愛攻略編
26/35

25話 晴天の霹靂




 「うわぁ、これ、本当に足ですかぁ?すっごい腫れてますね」


 伊吹がそう言って、七瀬の腫れた左足をまじまじと見ている。

 そして、


 「愛葉さん、退屈でしょ?これ……」


 そう言って、詩穂埜が雑誌をくれた。僕が愛読しているゲーム関連の雑誌だ。


 「ありがとう、助かるよ。まだ一週間しか経ってないのに退屈で退屈で。バイト首になっちゃうから早く帰りたいって先生に言ってあるんだけど」


 そう言う七瀬を見て微笑んだ二人は、同じタイミングで棚の上のガラスケースに目をやった。覚悟はしていたが七瀬は少し動揺し、何かを言われる前にと口を開く。


 「その娘、青葉って言うんだ。ずっと、僕を支えてくれた娘(こ)だよ。もう、隠さないって決めたんだ」


 それはいかにも七瀬らしい決断だった。

 万が一、自分が誰かに恋をするとしたらば――いや、もう予感はしているのだ。現実の恋愛が、始まるかもしれない。もう物語(ストーリー)は、動き出しているのだ、と――。

 だとしたらば、今まで愛してきた青葉(かのじょ)を、隠しておくわけにはいかない。それは青葉に対しての大きな愛情と、出会った四人の彼女達に対しての、せめてもの礼儀だと七瀬は思っていたのだ。


 「そうなんですね。可愛いですね、青葉ちゃん」


 伊吹がそう言って、青葉に対しにっこりと微笑む。

 意外な反応だった。もっと引くかと思ったのだが……。


 「じゃあ、私達も隠さずに話す事があります」


 そう言って、詩穂埜が真っ直ぐな目で七瀬を見つめる。

 七瀬は少し恐い気がした。


 「な……なに?」


 恐る恐る、聞いてみる。


 「私達4人、話し合ってわかったんです。みんな、愛葉さんのことが好きなんだって」


 ……は?


 何……? ちょっと何言ってるかわかんないんですけど……。


 七瀬は暫くの間、言葉の意味を飲み込めずにいた。


 4人が、好き? 僕の事を?


 「嘘でしょ」


 七瀬がそう言うと、今度は伊吹が言う。


 「本当ですよ、愛葉さん。まどかちゃんも夜風さんも、愛葉さんのことが好きになったと……言っています」

 「え……? 好……き、って……」

 「だからハッキリ言っておろう、好きなんだ、みんな、お前の事が。さぁ、お前は誰を選ぶ」


 いつの間にか、夜風もバケツを持ちながら立っていて、そう言った。


 は……


 は……


 はぁぁぁっっっ!!?????


 ななな、何急に、何その告白!!!

 一気に四人分の告白なんて――!!!


 七瀬は息をするのも忘れて三人の顔を交互に見た。どうやら真剣なようだ。

 今にも南沢を召喚したい気持ちに狩られる。


 その時、


 「こんにちわー、あれ?雪平さんも東雲さんも来てたんですねー。あっ…と、星宮さん、こんにちわ……」

 「お。愛葉くん、元気そうだね」


 若狭と斎条も見舞いにやってきた。

 このタイミングで二人が来るとは……。

 七瀬は変な汗がじんわりと滲み出てくるのを感じていた。


 「なっちゃん、お友達いっぱーい、ですね!なっちゃんが幸せだと、青葉も幸せですっ」


 しん、としたタイミングでちょうど、青葉の声が響き渡った。


 「ん?なんだこれ?」

 「あれ?これ、バーチャル奥さんですよね?愛葉さんのやつですか?可愛いなー」


 若狭と斎条が青葉の元へ行き、まじまじと見ている。

 七瀬は祈っていた。

 この男どもに、さっきの話はしないでくれ、と。


 しかし、神様というのは時に残酷で気まぐれでイタズラ好きなものである。


 「愛葉さん、退院したら、まず一人づつとデートして下さい。そして四人のうち誰か一人をちゃんと選んで下さいね。これは私達が話し合って、一番いい方法を編み出した結果です。最終的に、愛葉さんに選んでもらおうという事になりましたので」


 伊吹がそう言って、若狭と斎条が思わず振り返る。


 「なっちゃん、浮気?浮気は嫌だよ。青葉、泣いちゃうよー。なっちゃん、好き、大好き、なっちゃんも、だよね?」


 そしてまた、タイミングよく、青葉の声が響いた。









 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。