Drink Me!
パラレル番外です。
王宮三人組は既に芽衣の存在を知っている。という設定になります。
そういうのは微妙…という方はプラウザバックお願いします。
ある昼下がりの第三皇子の執務室での出来事でした。
そこではいつものように男4人でむさ苦しく仕事をこなしていたのです。
ポスンと膝の上にやわらかい感触。
「……ん?」
あらびっくり。いつのまにか彼の膝の上には黒髪黒目の小さな女の子。おそらく三歳か四歳くらいだろうか。
白いTシャツに赤いエプロンドレスにお花のアップリケを着ていて、なんというか可愛らしい。
そしてついつい、むにーと第三皇子付きのカイト=ルー=シュピッツはその子のほっぺたを軽く引っ張った。
「あにすんのよ」とは見知らぬ女の子
「あ、話した」 というかいつのまにコイツ現れたんだ…?
「「「おお……。」」」とはユリウス、ヒューイにセシル殿下。
「そいつ、どこから浚ってきたんだ カイト、もしかして隠し子かー?」
「失礼ですね 殿下。そんなわけないでしょう。いつの間にやらここにいたんですよ」
だよな~。しかも見覚えないガキだし。
「とりあえず名前聞いてみたらどうだ」
とはユリウス。まあもっともだ。というか戸が開く音もしなかったよな?
少し殿下やユリウスも警戒してピリピリしている。無理もない。
ぐいっと名前を聞く前にその子に腕を引っ張られて顔を近づけるように身振り手ぶりで示される。
「ん? なんだ?」
と子供に話しかけるので優しくゆっくりとな。
「ちょっと、わたち めいよ」
――んん?
「だぁから、めいだっちぇば」
と舌足らずながらも名前をいう。俺の知り合いにはメイなんて名前あいつしかいないんだが…。
「……いや。まさかな。ないない」
「なっとくじぇきないにょわ わかうけど、めいらってば」
(納得できないのは分かるけど芽衣だってば)
じーーっと見詰めてみる。あんまり面影無いな。あえていうなら眉の辺りが芽衣っぽい。
……ここからは残り三人に聞こえないように小声で話そうか。
「俺の知ってる芽衣はもう立派な女性なんだが」
「わらしだって にゃんでこうなったのか わかんにゃいよ」
まぁ、この歳にしては受け答えハッキリしているし……。聡いな。
ふむ……。
「お前の国の名前は」
「にほん」
「始めて会ったとき奢ってくれたものは?」
「きゃらめるまきあーちょ!」
とビシッとちっちゃい手の人差し指でポーズをとりながらいう。
「よく覚えてんな……」
俺もう覚えてないわ。
「俺の第一印象は」
「ヘンにゃもの」
ヒデエ……。
……これは決まり、か。
「話し合わせろよ」
コクリと頷く。うん偉いぞー
「あー。すいませんうちの親戚の姪っ子です、コレ」
「こえじゃにゃーい!!」
元気だなー。
「はい、カイトお兄ちゃんっていってみ?」
「くぅっ…!」
と芽衣が地団駄を踏む。心なしか幼児帰りしてないか?
とりあえず頭をなでてやると、力が抜けて落ち着いたようだ。
(おい、なんか悔しがってないかあの子)
(はい、カイトさんたのしそー)
(不憫だな)
お前ら考えてること分かりやす過ぎるぞ。
「「「なんだか嘘くさいな(ですね)」」」
「「………。」」
まあ、相談に時間かかったしな。うーんどうしたものか。すると、
くるり回ってとセシル様達を背に、はーーーーっと芽衣が長いため息をついてグッと拳を握る。
おお、何するつもりだ?
「こんにちわ、カイトにいちゃまの姪のめ…、ゆいです。3しゃいです。よろちくおねがいしましゅ」
と目をキラッキラさせて自己紹介をする。子どもらしさの演出か……。
というか、お前芽衣っていいかけただろ。
「ああ、偉いな自己紹介ができるのか」
とユリウスが褒めて撫でる。グレーの瞳が優しい光をともしている。さすが長男、子どもの世話慣れてるな。
ああ…。芽衣の顔が赤い。そりゃー三歳のふりだもんな。
精神は大人の芽衣にはキツイだろうな。ホント俺じゃなくて良かった(←オイ)
「おお、ぷにぷに」
ぷにぷにぷに…と指でつつかれたと思えば、
「ホントですね」
今度はみょーんとほっぺたが伸ばされる。
……完全にオモチャだな。
しかしヒューイと殿下相手には強く言えないようで、目で“助けろ!”と訴えている。
――しゃあねえな。
「ちょっとすいません。そろそろ勘弁してやってください」
と芽衣を抱き上げる。そして背をポンポンと叩いてやる。
「たしゅかった…」
と俺に身を預けて脱力している。子どもに戻って体力も低下しているようだ。
うーん…やり過ぎたか。でもこんな機会なかなかどころか普通ないよなー。
「…………。」
「ほら、め…ゆい 高い たかーーーい」
と腕を伸ばしできるだけ高く上にあげてやる。
「ひゃあ、ばっ 」
「ほら高い たかーい」
よし、もう一回
「てぇい やぁー!」
と腕が下りた瞬間にバッと俺の顔に芽衣はキックを放った。まぁ少しは考えたようだが、いつも通り蹴っても届かんぞ。
その足の短さじゃ……。はははー!
「……ねぇ ユリウスさん」
「なんだ」
「あれ、芽衣さんじゃないですかね」
――ピシっと彼と彼女の両名は固まるのであった……。
天然恐るべしである。
「あぁ、かもな」
「そうだな」
なんでそんな簡単に納得してんだアンタ等…。
「め…めいってだぁれー?」
と小首をかしげる。いつもなら考えられない媚び方だな。
がんばってるな芽衣…、でも無駄だったみたいだぞ。あからさまに納得されてないし。
「あぁ、バレた……」
と床に手を着いて落ち込む芽衣。しかし何でこいつらにバレたくなかったんだ?
「「ていうか何で隠してたんだ?」」首をかしげるとユリウスと殿下
――確かにな。
「あー。カイトにはだまっててもばれうとおもっちゃのよ。
とりあえずばれるにんじゅうはしゅくにゃいほうがいいち」
(カイトには黙っててもばれると思ったのよ、とりあえずバレる人数は少ないほうがいいし)
「こんにゃの いっしょーのはじよ!」
おお、言い切った……。
「ごめんな。今度は優しくする」
と小さい芽衣の顔に口を近づけていう。あぁ顔丸っこいな…。
ふるふるふる…。と芽衣が顔を下にさげてふるえている。
どうしたんだろうか。
「こにょ ろりこーん すけこましー!」
と顔を真っ赤にしていう。失礼だな、幼女は対象外だ。
一方外野はというと…
「芽衣さん頑張って!」
「おう、頑張れ」
「あとで助けてやるからな…」
そんな賑やかなある日の昼下がり。
珍しくカイト視点
彼だと難しいです。幼児化はお決まりネタですけど書きたくなっちゃいました。
ストックはここで終了。
少し間が空きます。
お気に入り登録してくださった方ありがとうございます。
とても嬉しく思っておりますv
ちなみに最初はカイトが幼児化の予定だったんですがなぜか芽衣さんになりました。




