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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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9/69

第9話 

エントランス中央の階段を真ん中に左奥が私の部屋、反対側の右奥にリネルの部屋があります。


「お姉さま、本当にお一人で大丈夫ですの ? 相当よろしくない様に見受けられますけれど」

「大丈夫よ。あなたの方こそどうなの。あのような事があったのだから内心穏やかではないでしょう。今夜のことは忘れて休んでしまいなさいな」


部屋の中まで付き添ってくれたリネルに感謝の言葉を掛けますと、にこりとした表情は何かを気にしているような安心しているような、複雑な気持ちが見てとれましたわ。


「リゼ」

「はい、ご当主様」


私の身回りの手伝いをしてくれている信頼できるメイドですわ。


「いつもありがとう。今は私よりもリネルの側に付いていてあげてほしいの」

「かしこまりました。何かあった時のためにシズを付かせます」


彼女は一礼すると静かに退出して行きました。

そして別の気配が側に現れます。


「シズ、少し休ませてもらいます。あなたも椅子に座って休みなさい」

「ありがとうございます。お休みなさいませ」


シズの心地よい声を耳にしながら体をベッドへ預けると、直ぐに眠気が訪れてきました。

どうやら自身で感じていたよりも体に負担が掛かっていたようです。

普段は中々寝付けず、書類や本に目を通してから横になるのですが、今夜はさすがに出来ませんでした。

ふと、殿下とその周りの者たちの顔が浮かび、明日にはいつも通りの可愛らしいリネルの笑顔が見られますようにと願うのでした。




いつもありがとうございます。

明日からは一旦、妹のリネル視点のお話に入ります。


リネル視点のお話を書き終えた時点で違和感がありましたら

『無邪気』という話タイトル部を変更する予定でいます。



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