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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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10/70

第10話 切っ掛けと始まり

妹のリネル視点に入ります。


 今年の王立学園卒業の夜会は全生徒参加することになっています。

毎年のように行われることなのですが、本年度は卒業生に王族の方がいらっしゃるため、力の入れようが違うようです。


私は華やかな会場の中で、沢山の友人に囲まれ談笑をしていました。

声を掛けてくださるのは、三年間の学園生活で私を支えてくださった方々です。

本当に長い三年間でしたわ。


一人のご令嬢が近づいて来ましたので、挨拶をしようと歩を進めたのですが、何やらあったのか複雑な表情をしております。


「ごきげんよう、イェネット様」

「……ごきげんよう、リネル様」


彼女は男爵家のご令嬢ですが、身分がそれ以上だと思われるほどに、礼儀正しく気品の溢れるお方です。


「イェネット様、本日のお召し物とても素敵ですわ。お美しい黒髪はまとめ上げていらっしゃるのですね」

「ありがとうございます。……あの、リネル様。本日はどなたのエスコートで会場へいらっしゃったのでしょう」


訊きづらそうに問うてくるのも仕方ありません。

夜会や舞踏会は婚約者がいなければ男性家族や親族がエスコートをし、婚約者がいれば婚約者様にエスコートしていただくものです。


「こうなることは予想しておりましたから」

「会場の皆さんも私と同じく、彼らには呆れておりますわ」




いつもありがとうございます。

本日から妹(リネル)中心のお話になります。

ストックがないのでどのくらいの長さになるかは不明です。




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