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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第二部

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第70話

「この紙はもしかして順番が違うのではないかと」


私を含めその場にいた者の頭の上に、クエスチョンマークが浮かんでいます。

彼が「失礼」と言って手にしたのは、森の近くで籠を持った子供が描かれている二枚でした。


「同じ内容に見えますが」

「よくごらんになって。持っている籠の中身が描かれているもの、描かれていないものという違いですわ。順番ということにもなりますけれど、森に誰かがいるのは確かのようですわね」


キンデンベルク様はエルフレット様から紙を受け取ると、何かに気付いた様子で私たちに見えるように広げました。


「リセルレット=フォン=ディミトリウス卿」

「キンデンベルク伯令息、家名だけでよろしいですわ」

「では以降そのように。この紙に描かれているのは本当にディミトリウス領内なのでしょうか」

「どういうことですの ? 」


詳しく話を聞いてみると、ミスリー殿下と騒動を起こしている例の男爵令嬢の領地ではないかと言うのです。


「卒業前から男爵令嬢とその周りについては調べていたのです。男爵夫妻は娘がいないと主張していたようですが、数年前にとある少女を突然養子にしていたことが分かったのです」

「その少女が宴でミスリー殿下の近くにいた男爵令嬢ということですか」

「可能性が高いです」



いつも読んで頂きありがとうございます。


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