第62話
胸がさらに強く苦しくなり、思わず手で服を握りしめてしまいました。
「大丈夫ですか ? 」
「ごめんなさい、お姉様。負担のかかるお話はやめましょう」
「ええ…、そうね」
深呼吸を何度かして、自身の心を落ち着かせます。
ふと目に入ったジョンソンの姿を見て、どうしてここに来たのか本来の目的を思い出しました。
「昨夜遅くにご学友からお手紙が届いたそうよ」
斜め後ろに控えているジョンソンから二通の手紙を受け取ると、リネルへと手渡しました。
彼女は封蝋を見てとても嬉しそうにしていましたわ。
「もう領内にご到着されているかもしれないわね。歓迎の準備をしなくては」
「お姉様、私にもお手伝いさせてください」
今まで家の事など何もしてこなかった彼女が、目を輝かせて願い出てきました。
何事も経験です。
「そうね、一緒にやりましょう」
「はい」
リネルはモーネを引き連れて部屋を出て行きました。
いつまでも人の部屋にいるわけにはいきません。
私とエルフレット様は部屋を出て、私の執務室へと移りました。
「二家の方のことだから、もしかしたら宿にいるかもしれないね。私が貴族用の宿を見てきましょう」
ありがたいのですが、他家の方にそこまでさせてよいのでしょうか。
「そんな顔しないでください。私が手伝いたくてすることですから」
「それでは、よろしくお願いしますわ」
彼は笑顔を残すと、ジョンソンを連れて行きました。
なぜ、エルフレットはここまで動くのでしょうか・・・。
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