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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第二部

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第61話

とても明るい笑顔で迎えられ、言葉を失ってしまいましたわ。


「リネル、あなた無理をしていない ? 」


私を見てはにかむ様な困ったような顔をします。


「ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません」

「そんな堅苦しい言葉はよしてちょうだい。元気そうで良かったわ」


リネルは私たちに椅子を勧めると静かに話始めました。


「昨日はお見苦しいものをお見せしてしまいました」


俯いてしまったリネルの次の言葉を待ちます。


「実は、ミスリー殿下との婚約がなくなり嬉しいのです」


私は心が苦しくなりました。

たとえ家同士の政略結婚とはいえ、思いが少しもなければ地獄でしかありません。

リネルには思い人がいたのですね。


王家から手紙が届いた時は驚きが強かったと父から聞いておりました。

幼少期にあった王家主催のお茶会。

子供の私でもミスリー殿下の婚約者探しのためだと理解できておりました。

人の気持ちを汲み取ることが下手だった頃でしたの。

抜け出してはエルフレット様とお話をしておりましたわ。

そのせいでしょう。

本来ならば私の元に来るお話がリネルへ来たのは


「お姉様、ご自分を責めないでくださいませ」

「リネル」

「当時私たちはまだ幼子です。己の心のままに動いてしまうものですわ」


なぜかしら。リネルは私を責めていないと言っているけれど、遠回しにお前のせいだと言われているように感じてしまいます。



読んで頂きありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けると嬉しいです。



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