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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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第6話

会場を出て玄関の階段に来たところで門番に呼び止められました。


「ディミトリウス侯爵様、直ぐに馬車の用意をさせていただきます」


彼は私たちを早く追い出したいようね。態度で分かりますわ。

妹は爵位がないといっても当主である私の妹です。この国では子爵位と同等の扱いになりますわ。

騎士団の中には高位貴族のご令息が在籍しているものですけれど、悪い言い方をすれば食い扶持減らし。

自分たちが見下している騎士爵位の方々と変わらない扱いなのですよ。

仕える者を間違えると可哀そうですわね。


「せっかくですが、イステリア家の馬車がありますので」


殿下側の人間は謀が下手ですのね。

そうでなければ良いとは思いますが、私たちの乗った馬車を襲撃する御つもりだったのかしら。

エルフレット様の馬車に乗る方が確実に安全ですわ。

なんせ馭者も警護の方々も、王宮騎士に勝る技量をお持ちで有名ですから。


「少々お待ちください」


エルフレット様は私たちから離れると、馬車の中はもちろんのこと、周囲に気を張り巡らせ危険分子がないか確認してくださいました。


「お待たせいたしました」


彼は笑顔で手を差し伸べてくださいます。


「さあ、お姉さま。足元にお気をつけくださいませ」

「ええ、ありがとう」


疲れる場所から出てきたばかりなのに、私を介抱する事で気を紛らわせているのでしょうか。

賢いリネルのことです。

ミスリー殿下とユフィという少女のことは、私の耳に入るよりも早く気付いていたのかもしれませんわね。

学園で何事かあって自ら動いたのでしょうか。もしくはリネルに心を配ってくださっているご友人方の中に、殿下やその側近候補の方々に諫言した方がいたのやもしれませんね。

姉としては一人で戦っていたのではなく、ご友人方が寄り添ってくれていたと信じたいですわ。





今のところ毎日更新できています。

目を通していただきありがとうございます。


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