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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第二部

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59/69

第59話


「昨夜の夜会で周囲からの注目が異様だったと思いまして。殿下方に賛同する者が少ないのも気になりました」


リネルとは一年しか学園生活が一緒ではありませんでした。廊下ですれ違うくらい。

けれど姉として情報入手には手を回していました。


「昨日の今日ですのですぐどうなるかは不明ですが、敵国間者のことはご存知ですわよね」

「はい。現在様々な所に潜伏し、工作していると話が入ってきています」


さすがアステリア伯です。諜報にも抜かりなしですわね。


「夜会での婚約破棄騒動時、殿下が大事になさっていたご令嬢が間諜ですの」

「すでに王家に接触しているだろうとは思いましたが。あのような頭の軽い者に取り入られるとは…。男爵夫妻も令嬢をかばっていたと聞いています」


あら ? 私が得た情報とは違う所がありますわね。

確か、男爵夫妻にお子は存在しなかったと。

我が家の諜報に裏切り者がいるのか、もしくは男爵夫妻が敵国の協力をしているのか。

疑問が強いので言葉にするのはやめましょう。


「あの、ご歓談中申し訳ありません。昨夜遅くにリネル様宛のお手紙が届きまして、緊急かと思い勝手ながら目を通させていただきました」


若い侍従が銀のトレイに積まれた手紙を差し出してきました。

リネルの同級生からとの事でしたわ。


「緊急ということではないのですが、急を要すると思われるのが二通ございます」

「なにかしら」


二通の手紙を私たちの前に出し封蝋を見せてきます。


「ワグナイヤ公爵家とキンデンベルク伯爵家からです」


私とエルフレット様は思わず顔を見合わせてしまいました。



読んで頂きありがとうございます。

少しでも楽しんで頂けると嬉しいです。



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