第55話
我が国では入手が不可能なはず。
敵国からのルートかもしくは……。
「国内においての密造ということも」
お二人が驚いた顔をしてこちらを見ていることで、声に出ていたことに気付きました。
「今両方の線で捜査を頼んでいるんです」
「頼んでいる ? 」
「はい。能力の高い方なので上手くやってくれると思いますよ」
ミラウス様は今までで一番良い笑顔をしておりましたわ。
「問題の香水瓶の方はその方々におまかせするとして、もう一つの問題を考えなくてわいけませんわ」
殿下方が行おうとしているのは、私との婚約を一方的に白紙にすること、私に瑕疵が付くように衆目の中で行うのではないかと。
こちらは以前から婚約破棄をしたくても出来ない立場だというのに。
自分たちが悲劇のヒーローやヒロインだとでも言いたいのでしょうか。
「衆目の中で発表する事でも、宣言することでもないわ」
国王両陛下のお考えを否定し、王命に反することを第一王子がすることは他国に対して一つの隙を作ることにもなれば、彼を利用しようと取り込もうとする国や人が出てくる。その国こそユフィ嬢を送り込んだ敵国でしょう。
「リネル様、お覚悟はもう出来ているのでしょう ? 」
「ええ。心に決めた方がおりますので」
この場に居る方々は私とミラウス様の関係を知っています。
「当日、私は一人で会場入りします。彼らが事を起こした後は、問題がなければ……」
ミラウス様。あなたに助けていただけたら、どんなにか嬉しいことでしょう。
「私があなたのおそばに」
「ミラウス様…、はい。とても嬉しいです。ありがとうございます」
とても良い雰囲気のところ悪いけれど、とロディエンヌ様。
「私もいることを忘れないでいただきたいわ。それに、味方は大勢いましてよ」
「はい ! 」
「彼らの思い通りにさせないと決意したところで」
「それぞれ本格的な準備に入りましょう」
「はい。それでは皆様」
二週間後の卒業式典まで、ごきげんよう。
第一部 完
読んで頂きありがとうございます。
ここで一旦、第一部を終わりにします。
明日はこちらの連載をお休みにして、第二部(第56話から)のストックを作ります。
ダラダラとお付き合いくださり感謝しております。
第二部からも、少しでも楽しんでいただけますよう頑張ります。
応援、よろしくお願いします。




