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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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54/71

第54話

ユフィ嬢は薬まで使う人間です。利用してくる可能性がありますわ。


「さすがにそれは…」

「ないのではないかしら」


お二人は呆れていましたが、私には懸念が残りましたの。

殿下は必ず、私に恥をかかせるようなことをする。

それだけは確信できましたのよ。

悲しいことですけれど。

彼らがどのような手口でくるのか、深く考えなくてもやらかしてくることはなんとなく感じているのですが、ミスリー殿下自身がこの国の第一王子で次期国王の立場であると自覚してほしいと思う自分もいるのです。


「卒業に向けての準備が大変ですけれど、学園にいる間だけでも彼らへの対策を考えた方がよろしいと思いますの」


昼食休みのお茶の時間に、ロディエンヌ様の発言で話し合いをしましたが…。


「私の侍従がまだ探っているところですが、殿下方に使用した薬を他生徒に使用しているとか。朝、ここで話をしていた時はリネル嬢が懸念していることはないと思いましたが、どうやら現実になりそうです」


ミラウス様は眉根を寄せ、小さくため息をつきポケットから小さな瓶を取り出しましたの。

男性が持つには可愛らしすぎる模様や形をしておりましたわ。


「これだけは手に入れたそうです」

「……なんですの、この変な臭いは」

「ガラス瓶ですわよね。それでもこれだけ漏れ出るとはどれだけ濃いのでしょう」


瓶に触れようとしたところをミラウス様に止められました。


「香りは二、三日で薄れるそうですが、それまでの間はユフィ嬢の言うことはすべて正しいと思い込んでしまうそうです」

「精神干渉薬ですのね。この国では…いえ、どの国でも製造も使用も厳禁とされていますわよ」


お二人は揃って頭を抱えてしまいました。

精神干渉なんてされた方は効果が切れた時、地獄のような苦しみを得ると王子妃教育で学んだ覚えがあります。


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