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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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第47話

なんだか居づらくてその場を去るためお声をかけようとしたところ、再び手に触れてきました。


「先ほどは大分強く握ってしまいましたが、傷ついていませんか ? 」


彼は私の手をくまなく見ると、良かったと笑顔になります。


「急な事で驚かれると思うのですが……」


真剣な表情で言います。


「婚姻を前提にお付き合いしていただけませんでしょうか ? 」


ミラウス様も私に好意を持ってくださっていたら、どれほど嬉しいことだろう。と、このところ思考に囚われていたのですが。


「リネル嬢、そのお顔は自惚れても良いということでしょうか」

「え。…あ、あのっ。……わ、私…」


婚約者がいるのですよ。と、自分の気持ちに蓋をしてお断りをしようとしたのです。

脳裏に浮かぶのは、ミスリー殿下の身に起きた豹変と奇行。

今のままの関係で婚姻をしても、両者とも幸せになれないのが手に取る様に理解できますし、国のためにも良くないことは明白です。


ならば、私は殿下と同じように自分の心に、気持ちに素直になりたい。


「ミラウス=キンデンベルク様、この場で初めてお会いした時からお慕いしておりました。私の方こそ、よろしくお願いいたします」


お返事をしている途中から、ミラウス様は耳まで真っ赤になって、なんともお可愛らしい方なのだろうと、いっそう愛しく思うのでした。



読んで頂きありがとうございます。

今回で一旦区切りをつけたいと考えています。

次回は少々違う雰囲気になる予定なので話数のみでなくタイトル付になります。

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