第42話
もう少しで日は完全に隠れ闇が広がり始める時刻です。
「ええ。学友のキンデンベルク様と話したいことがあるの。近場で待ち合わせをしているわ」
着替えながらも馬車内で過ごした時を思い出し、頬が熱くなるのを感じます。
「遅くなりませんように。それと、私と護衛を一人お連れください」
貴族の令嬢であればよくある対応なのだけれど、なんだか足元に冷たい空気がまとわりついて動きを鈍らせられているように感じますの。
「私と相手の会話は誰にも、特にお姉様には内密にしてほしいの」
「かしこまりました」
モーネは従う返事をしながらもどこか承知しかねる様子でした。
子供の時から面倒を見てくれてはいますが、雇い主は当主のお姉様。問われれば答えなくてはならなくなる、その時までは知られたくないと思ってしまったのです。
「護衛を選んできてくれるかしら」
「内密にしたいというのであれば、私の弟はどうでしょうか」
支度を済ませ、厨房の搬出入口から出たところで、モーネの弟だという人物と合流しました。
「私団に所属していたのですね。これから見聞きすることは…」
「承知しております」
モーネと同じく、無表情の顔で頷きました。
その日からミラウス様と私は少しづつ距離を縮め、学園内でも良い仲だと囁かれるようになっておりました。
同じ学園内にいるお姉様の耳にも、私たちのお話が入っているはずです。
けれど、邸に帰っても何も言われず、学園内ですれ違っても一言二言、言葉を交わすだけでした。
読んで頂きありがとうございます。
書いていて、やはり恋愛ものは苦手だなと改めて感じました。
頑張って最後まで書き上げますので応援よろしくお願いします。




