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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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28/69

第28話


ロディエンヌ様とサロンで、被害者のお一人からお話を聞いている時でした。


「突然何事でしょうか、ミスリー殿下」


急に大きな音がし、条件反射でそちらの方を見ると不機嫌な殿下と側近候補方。

何があったのか、目に涙をためているユフィ嬢が立っておりました。

ロディエンヌ様はわざと音を立てて扇子を広げ口元を隠します。


「殿下。ここは代々我がワグナイヤ家が使用しているサロンですわ。王族とはいえ先触れも無しとはマナーがなっていなくてよ」

「お前より私の方が立場が上なのだ、それにわざわざこちらから来てやったのだぞ」


なんと不遜な態度でしょう。確かに殿下の方が立場は上です。

ですがここは現実の社交界とは違って、特殊なルールを持つ学園だということをお忘れなのでしょうか。


「殿下の言う通りです ! 公爵家の方がそんなことも分からないんですか。学園では平等なんですよ」


ユフィ男爵令嬢はそう言って涙を流し始めました。

今までの会話に平等についての内容はありませんでしたわよね。

どうして涙を流すのかしら、あなたが悲しむようなことは一切なかったのですが。

ロディエンヌ様は理解できたのでしょうか。


「ユフィ嬢、平等と習うのはまずは階級を隔てず仲良くしましょうという、初等部教育までですわ。そうとはいっても早い者は、初等部から己の立場をきちんと理解しておりますの。ですから、お家の家格が下の者から上の者に声を掛けることはいたしませんのよ」


男爵令嬢の無礼がロディエンヌ様を不機嫌にしてしまわれました。



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