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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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27/71

第27話

ロディエンヌ様は静かに佇む彼に、そっと皆様の意見をまとめた書類の束を渡します。


「王子や男爵令嬢の被害内容ですわ。国王両陛下へご報告とご提出をお願いします」

「かしこまりました」


柔らかな声で答えると目の前で術式を展開しました。

そこには両陛下のお名前が入っており、書類の束を中央へ差し込みました。それらが吸い込まれると同時に術が消えます。

令息は空に視線を向けていましたが、軽く頷くと私たちに礼をしましたの。


「無事にお届けできましたことをご報告いたします」

「ありがとう。両陛下もただ事ではないとお考えになってくださるでしょう」


一仕事を終えた気分で強張った体から力が抜けた時。

目の前の空間が光り、先ほどの術式が目の前に再び現れました。

書類を送ってくださった令息が受け取り、私とロディエンヌ様に内容を見せてくだいました。

そこには怒れる国王両陛下のお言葉が綴られておりました。


「リネル様だけでなく、学園の生徒全体をなるべく監視するようにと明記されていますわね」

「これで少しは落ち着くのではないでしょうか」

「そうだとよろしいのですが」


ロディエンヌ様と令息に返事をしながらも嫌な胸騒ぎを感じます。

お二人と別れ帰邸をし、やるべきことを終わらせてから殿下たちにどのように立ち向かってゆくか、窓の外が明るくなるまで考えておりました。




 

 感じ取っていた嫌な胸騒ぎは、必ず現実になるのはなぜなのでしょうか。

サロンで皆様からお話をお聞きすることになってから、二カ月が過ぎた頃に嵐はやって参りました。





ご一読いただきありがとうございます。


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