第21話
初めこそミスリー殿下がエスコートしてくださっていたのですが、出席回数が増える度に婚約者である私以外の令嬢を供にするようになったのです。
殿下の婚約者である私にも当然のように毎回招待状が届くのですが、殿下からドレスを贈られたことなど一度も無く、国王両陛下、お父様やお姉様が用意してくださりました。
エスコートはお父様です。
ある家の夜会にお父様のエスコートで参加した時は、主催者家の令嬢に嫌味を言われたのです。
話の途中で殿下が来場されたとの事で皆で迎えたのですが、隣には以前とは別の令嬢の姿。
見るまでもなくお父様がお怒りになっているのが分かり、嫌味を口にしていた主催者家の令嬢も呆れた表情で殿下を見ておりました。
他の方へご挨拶へ行くと私の横を通り過ぎる時です。
「先程は失礼いたしました。言いにくいのですけれど、殿下とは……」
本心から私を心配してくださっているのがわかりました。
「ご助言ありがとうございます。私の方からお断りするのは難しいので困っておりますの」
「ああ。確か申し込みは王家からでしたわね」
「そうなのです」
令嬢は自家主催の夜会を自分が開いたかのように好き勝手している殿下を一瞥しました。
「何かありましたら遠慮なくお声がけくださいましね」
「心強いお言葉、ありがとうございます」
この日を境にミスリー殿下は好ましくなく、婚約者である私に寄り添いましょうという話が低年齢の社交界で回り、それを逆手に取り側妃などの座を狙おうと下級貴族の令嬢や、傀儡にしようと企む家から殿下は狙われやすくなったそうです。
お呼ばれする時は殿下の元には招待状は来ず、私のみの届くようになったそうで、その一件がさらに私の存在を気に障り始めた切っ掛けになったのではと思っております。
お父様やお母様、お姉様にお話をしてミスリー殿下と近づくことが無くなって数年後。
お姉様とは二年遅れで王立学園へ入学いたしました。
お読みいただきありがとうございます。
少しでも読書の時間が楽しいと思えるお手伝いができたのなら幸いです。




