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女侯爵と誰か  作者: 氷村はるか
第一部

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12/69

第12話

いつもより短いです。

私としては苦しい事ではないのですが、理解を示してくれるとは言え貴族の社交界です。

今宵起こるであろう騒動は知れ渡り、私は傷物として扱われるかもしれません。


「ところで、ご当主殿は息災だろうか。政関連のやり取りは手紙でさせていただいているが、周りの貴族どもにうるさいのがいてね」


ムンバー閣下は自分の事の様に悔しそうに話します。

彼は私たち姉妹のことを何かと気に掛け、守ってくださるお方の一人なのです。


「お心配りありがとうございます。このところ調子が良いようで、執務室で仕事をする日も以前より多くなりました」

「そうか、それは良かった。また何か困ったことがあれば教えてくださいね」

「はい」


会場入りした時から緊張していた心が、ムンバー閣下ご夫妻とお話をしている内に解れたようです。

互いに笑みを交わしていたところに、要人の入場を知らせる合図が鳴り響きました。


「第一王子ミスリー=フォン=エルジリア殿下のご入場です」


どこか不満を含んだ声の衛兵に紹介された殿下御一行ですが、学園で過ごしていた時と同じく何食わぬ顔。

彼らが中央を歩く度に、冷ややかな視線を周囲から浴びていることに気付かないとは……。

ある意味肝が据わっていますわね。



読んでいただきありがとうございます。


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