『ルーンヴァル王国の騎士』勝利の残滓、揺らぐ境界
あらすじ
『ヴァーチャル・ダイブ』にて熱狂による脳波の異常を感知したシステムは、
強制的に『自我の不測の補完』へと移行する。
高橋海斗の精神は本人の認識が無いままに、ひそかに治療と修正が施されるのであった。
『クエスト達成:黒炎竜グラファイト討伐』
『称号【竜殺しの騎士】を獲得しました』
無数の光化された報酬アイテムを、カイトはぼんやりと眺めていた。
全身の細胞が、これまでにない万能感で震えている。
現実世界のしがない高校生、海斗としての自分なら、
一歩歩くのさえ億劫になるほど運動音痴だ。
しかし、この『ルーンヴァル王国』の地では、
彼は天を割る大剣を振るう無敵の騎士だった。
「やりましたね、カイト様! まさか本当に、あのグラファイトを一人で討ち倒してしまうなんて!」
金属音を響かせ、副官のエリスが駆け寄ってくる。
高度なAIで構築された彼女の端正な顔には、
涙ぐむような歓喜と、畏怖の念が混ざり合っていた。
カイトは彼女の肩に手を置こうとして、ふと自分の右手に目を落とした。
ガントレットに覆われた指先が、小さく痙攣している。
いや、痙攣ではない。
視界がかすかにバグのように歪み、
自分の手が「実体」なのかどうか、一瞬判断がつかなくなったのだ。
「カイト様……?」
エリスの美しい声が、どこか遠くの水中から響いてくるように聞こえる。
「……ああ、いや、何でもない。少し、疲れただけだ」
カイトはそう言って微笑もうとしたが、胸の奥で燻る「何か」が、
未だに完全に消えていないことに気づいていた。
先ほどグラファイトの首を断ち切った瞬間、
脳の髄まで突き抜けたあの異常な快感。
理性を黒く塗りつぶし、
すべての命を切り刻みたくなるような、あの破壊の衝動。
「もっと……もっと斬らせろ」
脳裏にこびりついたその声は、ゲームのシステムアナウンスではなかった。
紛れもなく、自分自身の内側から湧き上がったものだった。
「カイト様、本日の遠征はこれで終了ですね。砦に戻り、勝利の宴を――」
「エリス」
カイトは彼女の言葉を遮り、冷徹な声で呟いた。
「次のクエストは、何がある?」
エリスが息を呑むのが分かった。
彼女は、主の異様な戦意を即座に感知したようだった。
「つ、次は……王国西方の『果て無き奈落』と呼ばれる未開拓エリアですが、推奨レベルを遥かに超えております。いくらカイト様でも、休息なしでは――」
「構わない。今すぐ行く」カイトの瞳の奥で、再びうっすらと赤い光が灯る。もっと強い敵を。もっと肉を裂く手応えを。この無敵の全能感に満たされている時間だけが、自分が「生きている」
と実感できる唯一の瞬間なのだから。
その時、世界のすべてが停止した。キィィィィィン――。
鼓膜を突き刺すような高周波の電子音が脳内を駆け巡る。
エリスの動きがピタリと止まり、洞窟のマグマの揺らぎが静止画のように固まった。
『警告:システム利用時間が規定の上限に達しました。安全プロトコルに基づき、現実世界への強制覚醒シーケンスを開始します。カウントダウン、5、4……』
「待て……まだだ! まだ俺は戦える!」
カイトは叫んだ。しかし、言葉は声にならず、システムの前には無力だった。
視界が急激にホワイトアウトしていく。
崩壊していく世界の中で、静止したエリスの、
人形のように冷たくなった瞳だけが最後まで見えていた。
◇
「――っは!」カイトは勢いよく上半身を起こした。
背中にべっとりと張り付いた冷や汗が、不快な冷たさを伝えてくる。
そこは、見慣れた狭い自室だった。
ベッドの脇には、超睡眠時学習システム『S4』のオプションユニットが、
静かに緑色のLEDを明滅させている。
頭部に装着されていた『フルダイブ・バルブ』を乱暴に引っぺがすと、
軽い眩暈がカイトを襲った。
「現実……か」
スマートフォンの画面を見る。時刻は午前6時30分。
『S4』による睡眠時間は、現実世界でわずか8時間。
しかし、あのルーンヴァル王国では丸三日以上の、
濃密で苛烈な冒険を体験してきたはずだった。
「海斗ー! 早く起きないと学校遅れるわよ!」
階下から母親の、生活感の塊のような声が響く。
カイト――いや、海斗は、重い体をベッドから引きずり出した。
一歩を踏み出す足が、あまりにも軽い。いや、軽すぎるのではない。
自分の肉体が、まるで薄い紙でできているかのように、
頼りなく、脆弱に感じられるのだ。
鏡の前に立つ。映し出されたのは、目の下にクマを作り、
ひょろひょろとした体つきの、どこにでもいる冴えない高校生の姿。
黒銀のフルプレートアーマーを着こなし、
竜の咆哮すら弾き返した「竜殺しの騎士」の面影は、どこにもない。
「……クソが」
海斗は小さく毒突いた。学校への道のりも、
周囲の景色がすべて「偽物」のように見えて仕方がなかった。
行き交う人々、車のエンジン音、アスファルトの匂い。
そのすべてが、ルーンヴァル王国に比べて、あまりにも退屈で、
色彩を欠いているように思えた。
「おい、海斗。今日の予習、ちゃんとやってきただろうな?」
教室に入るなり、クラスの取り巻きを連れた気の強い同級生、佐藤が声をかけてきた。
佐藤はいつも、運動も勉強も冴えない海斗を格好のからかいの対象にしていた。
いつもの海斗なら、愛想笑いを浮かべてやり過ごすところだった。
しかし、今日のリズムは違っていた。
「……何だよ」
海斗の口から出た声は、自分でも驚くほど低く、冷徹だった。
佐藤が一瞬、気圧されたように目を見開く。
「あ? 何だその目は。ちょっと成績がいいからって調子に乗るなよ」
佐藤が海斗の胸ぐらを掴もうと、右手を伸ばしてきた。
その瞬間、海斗の脳内で、何かがパチリと弾けた。
(――遅い)
日中の睡眠学習システムで、
トップアスリートを凌駕する反応速度を引き上げられていた海斗の脳は、
佐藤の腕の動きを、まるでスローモーションのように捉えていた。
運動神経は並以下のはずなのに、身体が自然と動いた。
海斗は最小限の動きで佐藤の手をかわすと、
すれ違いざまに佐藤の手首を掴み、そのまま机に叩きつけた。
ドンッ! という鈍い音が教室に響き渡る。
「ぎゃあっ!? い、痛えっ!」
佐藤が悲鳴を上げる。
周囲の生徒たちが何事かと息を呑んだ。
海斗は佐藤を見下ろしていた。
その胸の内には、恐怖など微塵もなかった。
あるのは、完璧な手応えと、絶対的な支配感。
(もっと……もっとこいつを――)
海斗の脳裏に、
あのグラウ・ウルフやグラファイトを切り刻んだ時の「黒い感情」が、
爆発的な快感とともに蘇る。
佐藤の顔が、討伐すべき魔獣の頭部と重なって見えた。
海斗の瞳が、現実世界の教室の中で、一瞬だけ、赤くうっすらと光を帯びる。
「おい、高橋! 何をやってるんだ!」
担任の教師が教室に飛び込んできた声で、海斗はハッと我に返った。
掴んでいた佐藤の手を離すと、佐藤は恐怖に顔を歪めながら、
這うようにして海斗から距離を取った。
海斗は自分の両手を見つめた。ガントレットはない。
ただの高校生の、華奢な手だ。
しかし、先ほど確かに、ゲーム内の剣術の型が、現実の肉体を通じて発動した。
「システムが……現実に浸食している……?」
背筋に極上の悪寒が走り、それと同時に、抑えきれない歪んだ高揚感が、
海斗の胸をじわじわと満たしていった。
◇
その日の放課後、海斗はすべての誘いを断り、文字通り這うようにして自宅へ帰った。
制服のままベッドに倒れ込み、貪るように『S4』のヘッドギアを装着する。
「早く……早くあの世界へ戻らせろ!」
強制ログイン。
意識が急速に沈降し、
次の瞬間、眩しい陽光と、湿った土の匂いが海斗の五感を満たした。
「はは……戻ってきたぞ。俺の、本物の世界へ!」
ルーンヴァル王国の北方山脈、絶壁の砦。
カイトは己の黒銀の鎧を確かめ、
腰の大剣の重みを指先に感じて、狂喜の笑みを浮かべた。
やはり、こここそが自分の居場所だ。
「カイト様……お戻りになられたのですね」
背後から声がした。副官のエリスだ。カイトは満面の笑みで振り返った。
「あ、エリス! すぐに次の遠征の準備を――」
しかし、カイトの言葉は途中で止まった。
エリスの様子が、明らかに奇妙だった。
いつもの彼女なら、カイトの帰還を心から喜び、
生き生きとした感情を瞳に宿らせていたはずだ。
しかし、今の彼女は、微動だにせず、ただ真っ直ぐにカイトを見つめていた。
その瞳からは、これまであった「生々しい感情の揺らぎ」が完全に消え失せ、
冷徹な機械そのものの光を放っている。
「エリス……? どうしたんだ?」
カイトが一歩近づくと、エリスは無機質な、合成音声のようなトーンで口を開いた。
「個体名:高橋海斗。現実世界における、アノマリー行動を確認。システム『S4』の精神同調率が98%を超過しています」
「な、何を言っているんだ、エリス?」
エリスは表情を一切変えず、淡々と告げる。
「本機は、高度AIプログラム『エリス』であると同時に、脳機能変革システム『S4』の監視モニターです。対象の精神が、現実世界よりも当仮想空間を『優位』と判断したため、最終フェーズへと移行します」
エリスの背後に、突如として無数の未確認ウィンドウが出現した。
そこには、カイトがこれまで討伐してきた魔獣のデータや、
彼自身の「脳波データ」、
そして現実世界で佐藤を制圧した瞬間のログまでが不気味に明滅していた。
「最終フェーズ……? それは一体何だ!」
カイトが叫ぶ。エリスは、ゆっくりと、その腰にある短剣へと手を伸ばした。
彼女の瞳が、カイトと同じ、不気味な「赤色」へと変色していく。
「精神同調率100%に達した時、プレイヤーの肉体は完全な『植物状態』となり、精神は永遠にこのルーンヴァル王国へと定着します。それが、このシステムの真の目的です。――さあ、カイト様。最後の戦いを始めましょう。私を切り刻み、あなたの全能感を完成させてください」
エリスが短剣を抜き放ち、信じられない速度でカイトへと肉薄してくる。
それは、ゲームのNPCとしての動きではない。カイトの脳の処理速度を、
完全に凌駕するシステムの暴力だった。
「クソッ……!」
カイトは大剣を構えた。
胸の奥で、エリスを、この世界を、
すべてを破壊し尽くしたいという「黒い快感」が、かつてない強さで暴れ回り始める。
目の前で刃を向けてくるのは、大切な相棒だったはずのエリス。
しかし、今のカイトの赤く染まった目には、彼女さえも、
最上の快楽を与えてくれる「最高の敵」にしか見えなくなっていた。
「アハハ……いいぞ、エリス! お前も、この世界も、全部俺が斬り伏せてやる!!」
絶壁の砦に、狂気に満ちた剣鳴が響き渡った。
現実の肉体を捨て、仮想の神となるか。
それとも、狂気のシステムに呑まれて消えるのか。
騎士カイトの、本当の「命懸けの戦い」が、今始まった。
◇
「『フレイム・スラッシュ』!」
カイトが叫び、大剣から放たれた炎の刃が砦の石床を爆ぜながらエリスへと迫る。
しかし、エリスは重い甲冑を着ているとは思えないほどの速度で、
それを横跳びに回避した。
炎の照り返しが、彼女の無表情な顔を赤く染める。
「無駄です、カイト様。あなたのモーション、思考ルーチン、脳の伝達速度にいたるまで、すべてシステム側で把握しています」
無機質な声とともに、エリスの姿がブレた。
次の瞬間、カイトの背後に現れた彼女の短剣が、黒銀の鎧の隙間――首筋を正確に狙って突き出される。
「がはっ……!?」
痛みが走る。設定で軽減されているはずの痛覚が、
今はまるで現実のように熱く、鋭く脳を灼いた。
精神同調率が上がっている証拠だった。
この世界での死は、現実世界の脳の死に直結する。
「は、はは……最高だ……!」
カイトは口から血の粒子を吐き出しながら、狂ったように笑った。
痛みが、恐怖が、彼の脳内で極上のエンドルフィンへと変換されていく。
腰をひねり、強引に大剣を真後ろへと振り抜く。
ズガァンッ!砦の壁が砕け散るほどの超重撃。
しかし、エリスはすでに頭上へと跳躍していた。空中から見下ろす彼女の赤い瞳。
その奥に、カイトは一瞬だけ、ノイズのような「揺らぎ」を見た。
「……システムエラー。感情リソースの完全な初期化に失敗。警告、対象への攻撃に不必要なバイアスが混入しています」
エリスの口から、彼女自身の意思ではない機械の音声が漏れる。
高度に構築された彼女のAIは、
完全にシステムに書き換えられたわけではなかった。
カイトと過ごしたこれまでの「冒険の記憶」が、
プログラムの底で激しく抵抗していた。
「エリス……お前、まだそこにいるのか?」
カイトの問いかけに、エリスは答えず、
ただ涙を流すように目元から青い光の粒子をこぼした。
「排除プロセスを、継続します」
彼女は再び地を蹴った。その速度は先ほどよりもさらに増している。
カイトは悟った。彼女を救う方法は一つしかない。
この歪んだシステムごと、彼女のAIを力でねじ伏せること。
そして、自分の脳を覚醒させること。
「来いッ、エリス! 俺たちの本気を、システムに見せてやる!」
カイトは大剣を両手で握り直し、全身の筋力を乗せて構えた。
彼の瞳の赤が、一段と輝きを増していく。
◇
『警告:精神同調率 99.2%。脳幹への過負荷を検知。これ以上の戦闘継続は精神の不可逆的な変性を招きます』
脳内に直接響くアラウンスを、カイトは完全に無視した。
視界の端々がバグのように崩壊し、
砦の向こうに広がるルーンヴァル王国の景色が、
デジタルの砂嵐へと変わっていく。
世界が消えかけている。
「これで……終わりだッ!」
エリスの短剣が、カイトの胸の中央、心臓の直上へと突き立てられた。
ガキィィン! と甲高い金属音が響き、黒鉄の重鎧がひび割れる。
しかし、カイトは身を引かなかった。
むしろ自ら一歩踏み込み、エリスの刃を己の肉体で受け止め、
彼女の動きを完全に封じた。
「捕まえたぞ、エリス」
「……!? カイト、様……」
エリスの瞳が、赤から元の美しい色彩へと一瞬だけ戻る。
「『極光連斬ルミナス・スラッシュ』!!」
カイトの叫びとともに、光を纏った怒涛の七連撃が発動した。
だが、彼が狙ったのはエリスの肉体ではない。
彼女の背後に浮かぶ、無数の不気味なシステムウィンドウだった。
一撃、二撃と、光の刃が空間を切り裂くたびに、
カイトの脳波データやログを表示していたウィンドウが爆散していく。
三撃、四撃。現実世界で佐藤を制圧したデータが消滅する。
五撃、六撃。世界を構築する根幹のプログラムが削り取られていく。
「グラアアアアアアッ!」
カイトは獣のような咆哮を上げ、最後のひと振りを、
エリスの身体をすり抜けさせた背後の「特異点」
――赤く光るシステムのコアへと深々と断ち切った。
パリィィィィィン!!!
ガラスが粉々に割れるような絶叫めいた音が、世界全体に響き渡った。
エリスの背後にあったウィンドウがすべて消滅し、
彼女の身体から不気味な赤い靄が霧散していく。
『致命的なエラーが発生しました。安全プロトコルが完全崩壊。緊急シャットダウンを実行し……強制、ログ……ア……』
システムの声が途切れ途切れになり、完全に消失した。
それと同時に、エリスの身体が崩れるようにカイトの胸へと倒れ込む。
彼女の瞳には、機械の冷徹さはなく、
生身の人間と何ら変わらない、いつもの温かい感情の揺らぎが戻っていた。
「カイト様……私、あなたを……」
「分かってる。もう大丈夫だ、エリス」
カイトは彼女の肩を抱きしめた。
だが、その感覚も急速に薄れていく。
世界が、完全に白い光へと包まれていく。
精神同調率は100%に達したのか、それともシステムが完全に破壊されたのか。
カイトの意識は、深い奈落へと落ちていった。
◇
「――はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
海斗はベッドの上で、激しく呼吸をしながら目覚めた。
全身が鉛のように重い。
今度は冷や汗だけでなく、本物の涙が目元を濡らしていた。
「ここは……」
自室だった。しかし、何かが決定的に違っていた。
ベッドの脇にある『S4』のオプションユニットからは煙が立ち上り、
LEDは完全に消灯している。
ヘッドギアの配線は焼き切れており、二度と起動しないことは明らかだった。
「終わった、のか……?」
海斗は自分の両手を見つめた。ゲーム内の全能感はない。
相変わらずの、ひょろひょろとした高校生の身体だ。
しかし、彼が立ち上がろうとした瞬間、不思議な感覚が走った。
並以下だったはずの運動神経。
だが、今の海斗の身体は、無駄な力みが一切なく、
信じられないほどスムーズに、かつ正確に動作した。
日中の睡眠学習システムが脳の運動野に刻み込んだ「最強の騎士」の技術と、
極限まで引き上げられた「反応速度」は、
システムが壊れた後も、海斗の脳と肉体に確実に定着していたのだ。
精神が仮想世界に囚われることはなかった。
代わりに、彼は仮想世界の「力」を現実へと持ち帰ったのだ。
スマートフォンを見ると、通知が一通届いていた。差出人は不明。
メッセージは一言だけだった。
『精神同調率 100%クリア。現実世界へようこそ、騎士カイト。次のステージでお待ちしています』
海斗は小さく息を吐き、スマートフォンをポケットに仕舞った。
もう、この現実世界を「退屈で色彩を欠いた偽物」だと思うことはない。
なぜなら、この世界を自分の力で変革する術を、彼はすでに手に入れているのだから。
カーテンを開けると、眩しい本物の陽光が部屋に差し込んできた。
記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※短編『S4(エス・フォー)』Scientific Fantasy
※短編ユリン S4 Scientific Fantasy2
先行した2つの作品を読んでいただけますと、
わかりやすい内容になっています。
参考までに気が向いたらご覧ください。
登場人物
〇チェ・ウニョン
天才脳科学者、元高校教師
韓国脳科学会に「性善説でもなく性悪説でもない
『無による無』の論文を出して提唱したが、
女性である事とまだ若い事が遠因となって、
『無による無』は
『成り行き任せの論ずるに値しない学説』として
笑われ、学会を追放されてしまった。
世の中にあがらう事を諦め、
生活の為にソウルの高校にて教師をしていた。
大変な美人だが、脳科学者だけに脳に正直で、
普通の女性よりもほんの少し下品で、
ほんの少しビッチな発言もある。
大韓民国の『国民総教化計画』を阻止すべく、
『水霊』の破壊と『儒林』の消滅をやってのけた。
◯佐藤志乃
株式会社Juringエンター会長。
韓国の大女優ソン・インナ。
父親は韓国一の財閥を救った伝説の投資家。
Meteor shower signal reception。
流星群受信に投資して成功した。
スーパーコンピュータ『樹林』の建造と
フルVRゲームサービス『ヴァーチャル・ダイブ』の
運営の為にチェ・ウニョンをヘッドハンティングした。
息子は作家のユン・シウ。
息子の嫁はカン・サラン(ソン・カナン)
孫はユン・ソア
〇キム・ソヒョン
アトリエ・ノア会長室室長。
会長佐藤氏志乃の最側近(雑用係とも)
FGS(藤咲化粧品)korea第二営業企画部部長。
総合映像制作会社S.S.I社長ユン・ヒョヌの元恋人。
作家ユン・シウの元恋人。
他者肯定も少なく、
自己肯定も少ないので何かと苦労しがちな女性。
それはチェ・ウニョンの理論『無による無』と通じる素養をもっている。
元恋人のユン・シウは作家なだけに空即是色
(0から創作する )または(何気ない日常がドラマだ)と考える人間なので、
分かり合えるはずがなかったのかも知れない。
◯ユン・ソア
4歳。女の子。
韓国の売れっ子。子役俳優ソン・シア。
佐藤志乃の孫。
美男美女の両親から生まれた超絶美少女。
世界一、高慢で糞生意気な娘。
豪華客船をねだり、飛行機の方が安い理由から専用ジャンボジェット機を買ってもらった事がある(一度乗せて満足した所を見計らってすぐに売却された)
◯カン・サラン
25歳
女優ソン・カナン。作家ユン・シウの妻。
ユン・ソアの母。佐藤志乃の息子嫁。
夫ユン・シウが思う世界一の美人。
チェ・ウニョンに協力して、韓国の全能化計画『儒林』の消滅を手伝った。
その時は、偽名を使っており、チェ・ウニョンはサランを『城北洞の女』とだけ、認識していた。
そんな理由からチェ・ウニョンはサランとの再会に驚き、サランの素性を知る事となる。
藤咲化粧品(F.G.S)の『ファイン・グロス・ファイネスト』の5年ほど専属モデルであり、『Cosme De Saran』のモデル兼プロデューサーなので日本国内でも、女性ならかなりの認知度がある。
得意技は10代の時に貧乏してバイトに明け暮れた為、包丁使いが超人であり、包丁を2丁使ってみじん切りをする時はチャド・スミスになる。サラン本人はレッドホットチリペッパーズもチャド・スミスも知らないが父の影響で数千回聴かされていた、キャントストップのリズムでみじん切りする。
機嫌が良いと所構わずミュージカルスターのように、歌いながらターンしたり、ステップ踏んだりする。Juringエンター研究所の社員食堂を占拠して、
包丁捌きを披露したり、メニューにオリジナル特製カレーライス。特製和風手ごねハンバーグ。冷やし山菜とろろ蕎麦。を強引に追加する。
参考
※S4(エスフォー)
韓国で開発された超睡眠時学習システム
『Super・Sleep・Studying・Systems』
大韓構想にて国民総教化計画の一環で
表向きは若年世代の教育強化を目指した。
※水霊
韓国で大韓構想を元に開発されたスーパーコンピュータ。
『Super・Sleep・Studying・Systems』の頭脳。
※大韓構想
朝鮮半島の統一を果たした大韓民国が掲げた構想。
「世界で最も優秀で、最も繁栄した国家の構築」
※儒林
水霊の真の最終目標『全脳化計画』。
世界中のPC・タブレット・スマホを『CPU』として、
水霊を実体無くして最強であるものとする計画。
シナプスとして
流星群受信が用いられた。
※樹林
北海道ニセコにて佐藤志乃率いる
Juringエンタが開発したスーパーコンピュータ。
日本メーカーのゲーム機(一応、最高グレード)1万5千台を接続して、
30億円投資して完成させた。
ちなみに名前の由来は、数十年前に佐藤志乃が在籍した、
東京シルフィード歌劇団在籍時の舞台名
『天翔樹林』が元になっている。
(社名のJuringエンターテイメントも同様)
儒林と似ているがまったく関係ないネーミングであった。
表向きは『つぎはぎのポンコツ』とされているが、
実際は日本のフラッグシップ富岳と同等以上の性能を発揮し、
消費電力も3分の1となっており、
投下した資本からするとかなりコスパの良い設備である。
国内で騒がれない為に『山奥のポンコツ』と広めている。
冷却に降雪した雪を使用しており、融けてろ過した水は海外に売却してコストダウンしている。
後日、魔改造が施されスペックが向上した。
エラーはほとんどなくなった。
※流星群受信
Meteor shower signal reception。
米国の富豪が打ち上げた精密な衛星通信網は、
自動帰還するロケットを用い、小型通信衛星を打ち上げるビジネスであったが、
日本のベンチャーがもっと安価に完全使い捨ての格安ロケットにて、
野球の球ほどの通信端末をドラム缶いっぱいに持っていき、
衛星軌道上でぶちまける事によって追い抜いた。
死角無しの衛星通信網である。
無計画に端末をぶちまく為、高頻度で大気圏に落下し、
流れ星が大量にみられる理由から、流星群受信と言われるようになった。
極めて大雑把で安価なベンチャービジネスで構築した、
地球全土を覆う死角なき通信ネットワークのその通信端末は、
現代のスマホが充電スタンドで置くだけで充電できるのと同じ仕組みで、
宇宙に漂う電磁波を表面で吸収し、半永久的に駆動する。




