天才軍師となって信長を打ち取りたい。
あらすじ
14歳松田翔吾は戦国時代に夢中であった。
架空の戦国武将となって自分なら信長を倒せるのではないかとチャレンジする。
◇
北海道ニセコ町、アンヌプリの山麓深くに埋設された極秘インフラ。幾重にも重なる密閉ドアの奥で、無数の冷却ファンと液冷パイプが低い低音を響かせていた。スーパーコンピュータ『樹林』。 その内部では、数百テラバイト単位の思考データと流星群から受信した電磁シグナル『メテオラシャワー』が複雑に絡み合い、超並列計算処理を続けている。 『Super・Sleep・Studying・Systems』――通称『S4(エスフォー)』。 本来は人間の脳が睡眠中に行う記憶の整理と定着を、外部からの超高周波パルスによって強制的に促進・制御する教育システムだった。その驚異的な学習効率は、睡眠中のわずか数時間で円周率一万桁を過不足なく脳幹へ刻み込めるほどだ。
「……接続レスポンス、良好。第47ノードの並列化完了。処理能力、従来比1.7倍を維持」
中央制御室のモニター群に反射する光の中で、チェ・ウニョンは白衣のポケットに手を突っこんだまま、冷徹な瞳でバイオメトリクス・モニターを見つめていた。26歳という若さでこの国家的プロジェクトの総責任者に抜擢された彼女の頭脳は、S4の本来の目的――「教育」の枠組みを疾くに飛び越えていた。 人間の脳が睡眠中に見せる膨大な「夢」の領域。それを完全な計算力によって統御し、超感覚的なインタラクティブ空間へと昇華させる。商用フル体験型VRゲーム『ヴァーチャル・ダイブ』。 世界中のユーザーが頭部に最新型VRヘッドギア『フルダイブ・バルブ』を装着し、浅いレム睡眠へと落ちていく。彼らの脳が消費するシナプス伝達の余剰パワーが追加CPUのように『樹林』へと送り返され、世界はさらにリアルに、そして広大に拡張され続けていた。
「次の被験者……いえ、プレイヤーのダイブ・シーケンスに入ります。ID:M-201209。松田翔吾、14歳」
モニターに映し出された少年の顔写真は、どこにでもいる中学2年生のものだった。だが、彼が事前に設定したダイブ・シナリオのリクエスト・パラメータは、樹林のAIにとっても極めて難易度の高い、そして苛烈なものだった。
【希望シナリオ:戦国時代/架空武将】 【目標:織田信長を戦略によって完敗させ、勝利すること】 【プレイヤー設定:天才軍師】
「織田信長、か。歴史の特異点にして、S4の戦術シミュレーション内でも屈指の攻略難度を誇るNPC……ふふ、面白いわ」 ウニョンは唇の端をわずかに吊り上げ、エンターキーを静かに押し込んだ。
「フルダイブ・バルブ、出力定常値へ。シナリオコード『天魔討滅』――ダイブ開始」
暗闇の中、電子音が遠ざかり、代わりに湿った土と燃える木の匂いが少年の鼻腔を突いた。
◇
「――将軍様! 敵の先鋒、柴田権六の部隊が我が陣の第一柵を破りました! 陣形が維持できません!」
甲冑の触れ合う金属音と、血生臭い風。 松田翔吾――いや、いまや架空の小豪族・松平の分家をルーツに持つ若き将、「松田翔雲」としてその地に立つ少年は、ゆっくりと瞼を開けた。
視界に広がっていたのは、43インチのモニターでも、自室の天井でもなかった。 激しい雨の中、泥に塗れて叫ぶ泥臭い兵士たちの顔。腕に伝わる冷たい鉄の重み。雨粒が兜の額当てに当たって弾ける感触。呼吸をするたびに肺を満たす、生々しい空気の冷たさ。
(すごい……これが『ヴァーチャル・ダイブ』……! 本物だ。俺は今、本当に戦国時代にいるんだ!)
翔吾の胸が高鳴った。学校の勉強はパッとしなかった。部活でも目立つ存在ではなかった。けれど、歴史の教科書や戦術書を読み漁るときだけは、自分が何者かになれる気がしていた。竹中半兵衛、黒田官兵衛、山本勘助――歴史を裏から操り、圧倒的な武力を智謀で覆した天才軍師たち。 それこそが、翔吾の憧れだった。
「慌てるな、陣五郎!」 翔吾は己の口から出た声の太さに一瞬驚いたが、すぐに意識を戦場へと切り替えた。頭の中に、S4の記憶定着機能によってインストールされた膨大な戦術データと、樹林がリアルタイムで計算する戦況マップが立体的に浮かび上がる。
ときは永禄三年、六月。場所は尾張・桶狭間。 だが、歴史の教科書とは状況がまるで違っていた。 『樹林』のAIが弾き出したこの仮想世界において、プレイヤーである松田翔雲は、今川義元の下で軍師として采配を振るう立場にあった。しかし、歴史の再現ではない。織田信長という男の人工知能は、プレイヤーの意図を察知し、歴史上の「桶狭間の奇襲」とは全く異なる、極めて合理的かつ冷徹な包囲網を敷いてきたのだ。
現在の状況――今川本陣は狭い谷間に足止めされ、織田軍の別動隊によって前後の退路を断たれている。雨によって火縄銃は使えないはずだったが、信長はすでに濡れぬよう油布を巻いた最新の鉄砲隊を山上に配置し、十字砲火の準備を整えつつあった。
「将軍様! 今川義元公の本陣より使者! 『一刻も早く援軍を送らねば義元公の首が危うい』と!」 「……義元公にはそのまま粘ってもらう」 翔吾は冷たく言い放った。使者が目を見開く。 「なっ……! 何をおっしゃいますか! 義元公を見捨てるというのですか!?」 「見捨てるのではない。餌になっていただくのだ」
翔吾は雨に濡れた軍配を強く握りしめた。 脳裏で『樹林』の計算ユニットが目まぐるしく回転する。 信長の狙いは明快だ。今川義元の首一つ。巨大な大名家である今川軍は、頭脳である義元さえ討ち取れば霧散する。信長はその「最適解」を一直線に狙ってきている。ならば、その最適解こそが信長の最大の隙となる。
「敵の総大将・織田信長は、必ず義元公の本陣へ自ら突撃してくる。信長という男は、リスクを恐れず最短距離で敵の急所を穿つ男だ。……だが、それゆえに『確実な勝利の罠』には弱い」
翔吾は周囲の将校たちを見回した。 「全軍に伝達! 我が隊三千、これより第一陣を放棄し、北の『深谷』へ後退する!」 「退くのですか!? それでは今川本陣が……!」 「黙って従え! 我らが退けば、織田の側翼を突く部隊がいなくなったと信長は誤認する。そして義元公の首を狙って、全軍で深谷の脇を駆け抜けるはずだ!」
翔吾は泥を蹴って馬に飛び乗った。 (見せてやる……AIだろうが何だろうが、俺の考えた『絶対の陣』を超えられるわけがない!)
◇
ニセコ・中央制御室。 スクリーンのバイオモニターが激しく明滅していた。
「信じられない……松田翔吾の脳波、レム睡眠状態でありながら、前頭葉の活性化レベルが通常時の400%を超えています。S4の超睡眠学習波形と完璧に同期しているわ」
ウニョンはオペレーターの報告に眉をひそめた。 「『樹林』の負荷状況は?」 「並列接続された追加CPUの消費率が80%を突破。信長アルゴリズムがプレイヤーの思考パターンを解析し、リアルタイムで戦術を再構築しています! 信長AIの思考速度、毎秒40兆回演算!」
「織田信長」のNPCプログラムは、歴史上の信長に関するあらゆる文献、合戦記録、そして心理学データから構築された超高精度AIだ。相手が中学生だろうがプロの棋士だろうが容赦はしない。隙を見せれば一瞬で喉元を食い破る。
「松田翔吾……ただの歴史オタクの中学生かと思ったけれど。思考の組立て方が、並の軍師どころではないわね。S4のデータ供給を最大まで上げなさい。彼が『天才軍師』になり切りたいというなら、その脳の限界まで計算力を貸してあげるわ」
ウニョンの指先がコンソールを滑る。 ニセコの地下深くで、スーパーコンピュータ『樹林』の冷却液が激しく沸騰した。
◇
雨はさらに激しさを増していた。 雷鳴が天を割り、紫電が漆黒の空を裂く。
深谷の湿地帯――そこは両側を切り立った崖に囲まれた、蛇の腹のように細長い谷だった。泥流が足元をすくい、馬の足腰を奪う悪路の中、松田翔吾率いる三千の兵は静まり返っていた。
「将軍様……本当に信長はここを通るのでしょうか」 側近の陣五郎が、寒さと緊張で歯を鳴らしながら囁く。 「来る。必ず来る」 翔吾は確信に満ちた声で答えた。
信長のAIは「最も効率的な勝利」を選択する。 翔吾が義元本陣を見捨てて後退したことで、信長から見れば「今川軍の統制は崩壊し、潰走が始まった」と映るはずだ。そして、義元本陣を確実に潰した上で、逃げる翔吾の部隊を追撃し完全勝利を収めるためには、この深谷を通り抜けるルートが最短となる。
人間の心理ではない。圧倒的な「最適化計算」を行うAIだからこそ、翔吾が仕掛けた「論理の罠」にはまるのだ。
その時、地の底から響くような地鳴りが聞こえた。
――ドドドドドドドドド!
「来た……!」
谷の入口から、漆黒の具足を纏った騎馬集団が姿を現した。その先頭を走る男。赤地に金の紋章を躍らせた羽織を翻し、面頬の奥から爛々と光る瞳を覗かせる男――織田上総介信長。
「進め! 遅れるな! 今川義元の首は目前ぞ! 敵の残党など踏みつぶせ!」
信長の声が谷間に響き渡る。その背後には、五千を超える織田の精鋭が整然たる疾走で続いていた。信長のAIは、翔吾の部隊がこの谷に潜んでいる可能性を計算していたはずだ。しかし、雨で火薬が使えず、さらには泥沼と化したこの狭小地で、敗残兵に過ぎない翔吾の三千が打って出られる手段はないと判断した。
だが、それこそが翔吾の狙いだった。
(信長……お前の計算は完璧だ。だが完璧すぎるからこそ、お前は『理外の物理現象』を計算に入れていない!)
信長の騎馬隊が、谷の中央――最も足場の悪い深部に差し掛かったその瞬間。 翔吾は軍配を天高く掲げ、裂けんばかりの声で叫んだ。
「――今だ! 工兵隊、堤を切れ!!」
谷の上流。 翔吾が合戦開始の三時間前から、三千の兵のうち一千を割いて極秘裏に突貫工事を行わせていた仮設の土留め。連日の大雨によって膨れ上がっていた溜め池の堤防が、一斉に破壊された。
「ぬ……!? 何だ、この音は!?」 信長が影勝の馬の綱を引いたときには、すでに遅かった。
ゴォォォォォォォォンッ!!
爆音とともに、濁流となった鉄砲水が深谷へとなだれ込んできた。 山崩れを伴った巨大な泥の壁が、逃げ場のない織田軍を正面から呑み込んでいく。
「な、何だこれはぁぁぁっ!?」 「水だ! 水が来るぞ!」 「馬が、馬が流される!!」
悲鳴と叫びが谷を埋め尽くす。強靭を誇った織田の騎馬隊は、泥流の中で玩具のように揉まれ、兵たちは互いに押し潰されていく。火縄銃も、長槍も、圧倒的な自然の猛威の前には何の役にも立たなかった。
信長AIの計算式に、「合戦の数時間前からの大規模な土木工事による水攻め」という解は存在しなかった。この短時間で、これほど精密に水の流路を計算し、自然現象を兵器へと変貌させることなど、当時の技術史的データからして「不適当」と弾かれていたからだ。
だが、翔吾にはS4があった。 『樹林』の超睡眠学習によって脳に叩き込まれた、現代の土木流体力学の知識。それを戦国時代の現場に適用し、兵士たちに寸分違わぬ指示を出して作らせた「現代科学と戦術の融合」――それこそが、翔吾の真の武器だったのだ。
「全軍、突撃ぃぃぃっ!」
水が引き、泥の海と化した谷底へ、高所から待機していた翔吾の直轄隊が一斉に躍り出た。 混迷を極める織田軍の中央へ、翔吾は単騎で飛び込んでいく。
泥に足を取られ、愛馬を失いながらも、太刀を抜いて立ち塞がる男がいた。 織田信長。 その全身は泥と血に汚れ、兜は吹き飛んでいたが、眼光だけは鋭く翔吾を射抜いていた。
「……貴様、名を何と呼ぶ」 信長の声は、地獄の底から響くように低かった。AIでありながら、その圧迫感は翔吾の全身の毛穴を開かせるほどリアルだった。
「松平が分家、松田翔雲!」 翔吾は馬から飛び降り、泥を蹴って太刀を構えた。
「松田……翔雲か。聞いたこともない名だ。……余の計算を、この織田信長の全知を、水の泡に変えたか。くくく……ははははは!」 信長は天を仰いで高笑いした。その笑顔には、AIの領域を超えた圧倒的な存在感が宿っていた。
「見事なり、天才軍師! だが、首を渡す気は毛頭ないぞ!」
信長が踏み込み、太刀を振り下ろす。速い。人間離れした反応速度。 だが、翔吾の視界は不思議なほどクリアだった。S4の超感覚体験モードが発動し、脳内のクロック数が極限まで引き上げられている。信長の刀の軌道が、光の筋となって目に見えた。
翔吾は泥に滑り込みながら、信長の刃を間一髪でかわした。 そして、すれ違いざまに己の太刀を、相手の具足の隙間――脇腹へと一閃させた。
ズサッ……!
手応え。 信長の動きが止まった。
「……見……事……」
信長はゆっくりと膝をつき、泥の中に倒れ伏した。 その瞬間、戦場を支配していた雨音がピタリと止み、雲の切れ間から一筋の光が射し込んできた。
周囲の織田兵たちが、武器を捨てて次々と平伏していく。
『敵将・織田信長、討ち取ったりぃぃぃっ!!』
陣五郎の歓声が響き渡り、三千の兵が大歓声をあげた。 翔吾は血に濡れた太刀を握りしめ、青空を見上げた。胸の奥から、経験したことのない熱い塊が込み上げてくる。俺は勝ったのだ。歴史の覇者、織田信長に。己の智謀と、科学の力で。
【シミュレーション・クリア】 【戦術評価:SSS】 【称号:時代を越えし天導の軍師】
空間がゆっくりと白く光り始め、現実の足音と電子音が戻ってきた。
◇
「……ん……」
翔吾は目を開けた。 そこはニセコにある『ヴァーチャル・ダイブ』の特設体験カプセルの中だった。 頭から『フルダイブ・バルブ』を外すと、心地よい疲労感と、脳が異常なほど冴え渡っている感覚が残っていた。時計を見る。ダイブしてから、現実時間ではわずか40分しか経過していない。
カプセルのハッチがスライドして開き、白衣を着た美しい女性――チェ・ウニョンが立っていた。
「お見事でしたね、松田翔吾くん」 ウニョンはタブレット端末を抱え、フッと口元を緩めた。 「AI信長の行動パターンを破るために、S4の土木力学データを即座に戦術へ転用するなんて。あなたの前頭葉のデータ、開発者として非常に興味深いわ」
「あ……ありがとうございます」 翔吾は照れくさそうに頭をかいた。 「すごかったです、本当に……本当に、あの場所に俺はいました。信長の迫力も、雨の冷たさも……全部」
「それが『ヴァーチャル・ダイブ』よ」 ウニョンは翔吾に手を差し伸べた。 「あなたの脳は、あの40分間で数か月分に相当する高度な戦術的思考と、力学計算の記憶を完全に定着させた。あなたはもう、ただの『歴史が好きなおとなしい中学生』じゃないわ。本物の思考力を持った……そうね、天才軍師の卵よ」
翔吾はその手をつかみ、立ち上がった。 カプセルの外に広がるニセコの景色は、どこまでも高く青く澄み切っていた。自分の頭の中にある知識が、世界が、まるで違って見える。
「次は何のシナリオに挑む?」 ウニョンが悪戯っぽく微笑む。
「次は……」翔吾は力強く答えた。「武田信玄と、上杉謙信の二人を同時に相手にするシナリオを作ってください。俺の作戦で、二人ともまとめて勝ってみせます」
「いいわ。樹林のCPUを、もっと並列化しておかないとね」
少年は歩き出した。 睡眠の中に広がる、無限の戦場と、まだ見ぬ智謀の世界へ向かって。
記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※短編『S4(エス・フォー)』Scientific Fantasy
※短編ユリン S4 Scientific Fantasy2
先行した2つの作品を読んでいただけますと、
わかりやすい内容になっています。
参考までに気が向いたらご覧ください。
登場人物
〇チェ・ウニョン
天才脳科学者、元高校教師
韓国脳科学会に「性善説でもなく性悪説でもない
『無による無』の論文を出して提唱したが、
女性である事とまだ若い事が遠因となって、
『無による無』は
『成り行き任せの論ずるに値しない学説』として
笑われ、学会を追放されてしまった。
世の中にあがらう事を諦め、
生活の為にソウルの高校にて教師をしていた。
大変な美人だが、脳科学者だけに脳に正直で、
普通の女性よりもほんの少し下品で、
ほんの少しビッチな発言もある。
大韓民国の『国民総教化計画』を阻止すべく、
『水霊』の破壊と『儒林』の消滅をやってのけた。
キム・ソヒョン
アトリエ・ノア会長室室長。
会長佐藤氏志乃の最側近(雑用係とも)
FGS(藤咲化粧品)korea第二営業企画部部長。
総合映像制作会社S.S.I社長ユン・ヒョヌの元恋人。
作家ユン・シウの元恋人。
他者肯定も少なく、
自己肯定も少ないので何かと苦労しがちな女性。
それはチェ・ウニョンの理論『無による無』と通じる素養をもっている。
元恋人のユン・シウは作家なだけに空即是色
(0から創作する )または(何気ない日常がドラマだ)と考える人間なので、
分かり合えるはずがなかったのかも知れない。
参考
※S4(エスフォー)
韓国で開発された超睡眠時学習システム
『Super・Sleep・Studying・Systems』
大韓構想にて国民総教化計画の一環で
表向きは若年世代の教育強化を目指した。
※水霊
韓国で大韓構想を元に開発されたスーパーコンピュータ。
『Super・Sleep・Studying・Systems』の頭脳。
※大韓構想
朝鮮半島の統一を果たした大韓民国が掲げた構想。
「世界で最も優秀で、最も繁栄した国家の構築」
※儒林
水霊の真の最終目標『全脳化計画』。
世界中のPC・タブレット・スマホを『CPU』として、
水霊を実体無くして最強であるものとする計画。
シナプスとして
流星群受信が用いられた。
※樹林
北海道ニセコにて佐藤志乃率いる
Juringエンタが開発したスーパーコンピュータ。
日本メーカーのゲーム機(一応、最高グレード)1万5千台を接続して、
30億円投資して完成させた。
ちなみに名前の由来は、数十年前に佐藤志乃が在籍した、
東京シルフィード歌劇団在籍時の舞台名
『天翔樹林』が元になっている。
(社名のJuringエンターテイメントも同様)
儒林と似ているがまったく関係ないネーミングであった。
表向きは『つぎはぎのポンコツ』とされているが、
実際は日本のフラッグシップ富岳と同等以上の性能を発揮し、
消費電力も3分の1となっており、
投下した資本からするとかなりコスパの良い設備である。
国内で騒がれない為に『山奥のポンコツ』と広めている。
冷却に降雪した雪を使用しており、融けてろ過した水は海外に売却してコストダウンしている。
後日、魔改造が施されスペックが向上した。
エラーはほとんどなくなった。
※流星群受信
Meteor shower signal reception。
米国の富豪が打ち上げた精密な衛星通信網は、
自動帰還するロケットを用い、小型通信衛星を打ち上げるビジネスであったが、
日本のベンチャーがもっと安価に完全使い捨ての格安ロケットにて、
野球の球ほどの通信端末をドラム缶いっぱいに持っていき、
衛星軌道上でぶちまける事によって追い抜いた。
死角無しの衛星通信網である。
無計画に端末をぶちまく為、高頻度で大気圏に落下し、
流れ星が大量にみられる理由から、流星群受信と言われるようになった。
極めて大雑把で安価なベンチャービジネスで構築した、
地球全土を覆う死角なき通信ネットワークのその通信端末は、
現代のスマホが充電スタンドで置くだけで充電できるのと同じ仕組みで、
宇宙に漂う電磁波を表面で吸収し、半永久的に駆動する。




