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黒猫エドワード。浮気がばれる。

あらすじ

2猫追う者1猫も得ず。


北海道ニセコ町。白銀の山裾を穿ち、 subterranean(地下)数百メートルに建造されたスーパーコンピュータ『樹林ジュリン』の冷却ユニットが、重厚な低音を響かせていた。


流星群の微弱な電磁信号を受信する『メテオラシャワー』と同期し、人間の脳波を睡眠状態のまま超高度ネットワークへ接続する『S4(Super・Sleep・Studying・Systems)』。開発者である26歳の天才脳科学者、チェ・ウニョンが設計したこの超睡眠時学習システムは、本来であれば睡眠中に円周率一万桁を完璧に脳に刻み込むための教育用システムであった。


しかし、商業展開のためにリリースされたフル体験型VRゲーム『ヴァーチャル・ダイブ』の爆発的なユーザー増加に伴い、並列CPUの追加増設が実施された結果、『樹林』の処理能力は従来の1.7倍に向上。その圧倒的なスペックの余剰領域クラスタは、ユーザーたちの欲望と夢が渦巻く、どこまでも広大な仮想現実世界へと変貌を遂げていた。


頭部に最新型のVRヘッドギア『フルダイブ・バルブ』を装着し、深遠なる眠りにつく。 それだけで、人は自分ではない「何者か」になれるのだ。


東京都内の小さな自室で『フルダイブ・バルブ』を装着してベッドに横たわった高校生、中澤聡太もまた、その恩恵を教授する一人であった。


聡太の夢は極めてシンプルだった。 「猫になって、日頃の勉強も人間関係も全部忘れて、ひたすら緩く生きたい」


彼がヴァーチャル・ダイブ内で選択したアバターは、漆黒の毛並みと金色に輝く瞳を持つ黒猫。名前は『エドワード』。 高校の歴史の教科書で見た「エドワード黒太子」から適当に名前をパクり、さらにプロフィール欄には調子に乗って「滅亡した幻の王国の王太子」という無駄に大層な中二病設定を付与していた。


「ふあぁ……今日もいい天気だな」


バーチャル空間内に完璧に再現された、青森県おいらせ町中野平——『イオンモール下田店』。 吹き抜けの大きな天井から柔らかい眩しい光が差し込むセンターコートのベンチの上で、黒猫エドワード(中澤聡太)は優雅に前足を折りたたみ、あくびを噛み殺していた。


仮想現実内の毛並みは、毛根の一本一本に至るまで『樹林』の超並列処理によってリアルタイム描画されている。撫でられればじんわりと温かく、風が吹けば毛先が揺れる。人間の体のストレスから解放された聡太にとって、この黒猫としての時間は何物にも代えがたい癒やしであった。


ただし、一つだけ計算違いがあったとすれば。 猫の姿になっても、「男としての色気(あるいは優柔不断さ)」が無駄に発揮されてしまったことだった。


「ねぇ、エドワードちゃん。聞いてるの?」


鈴を転がすような、可憐でどこか訛りの残る甘い声がすぐ隣から聞こえた。 聡太——エドワードが視線を向けると、そこには極上の毛並みを誇る三毛猫がちょこんと座っていた。


彼女の名前は『もえちゃん』。 津軽弁のニュアンスを混じぜながら話す、正真正銘の「津軽美人猫」である。中身がどのような人物かはヴァーチャルマナーとして野暮なため聞いていないが、その仕草の一挙一動、しっぽの揺らし方ひとつ取っても、守ってあげたくなるような可憐さに満ちあふれていた。


「あ、ごめん萌ちゃん。日差しが気持ちよくて、ちょっとぼーっとしてた」


エドワードはフッとイケボ風の声(※S4の音声変換フィルター機能)を響かせ、金色の目を細めた。黒猫の姿で、亡国の王太子という重厚な(自称)バックボーンを背負った演技を崩さない。


「もう、相変わらず気怠げなんだから。王太子様なんだから、シャキッとしなきゃダメだぞ?」


萌ちゃんがくすくす笑いながら、小さな肉球でエドワードの肩を軽く叩く。 その触感が『フルダイブ・バルブ』を通じて脳幹へダイレクトに伝わり、聡太の心拍数を跳ね上げさせた。


(たまらん……! 猫になってよかった……! 高2の冴えない俺が、こんな可愛い三毛猫ちゃんとイオンモール下田でデートできるなんて……!)


ここイオンモール下田店は、東北エリアのヴァーチャル・ダイブユーザーにとって人気の観光リゾートスポットとして再現されていた。広大なショッピングモール内を猫の姿で散歩し、食品売り場の匂いを嗅ぎ(※匂いデータも完璧に再現されている)、フードコートの近くでまどろむ。


「エドワードちゃん、このあと専門店街のペットショップの前までお散歩行かない? あそこの日だまり、すごくあったかいんだよ」 「ふ……いいよ。君の望む場所なら、どこへでも供しよう、萌ちゃん」


キザなセリフをのたまうエドワード。三毛猫の萌ちゃんは「まあ、格好つけちゃって!」と嬉しそうにしっぽをパタパタと振った。


平穏で、甘やぐような、完璧な午後。 聡太は自分の選択が正しいことを確信していた。


——そう、あの『システム管理者』の気まぐれさえなければ。


その頃、北海道ニセコ地下の『樹林』メインコンソール室。


「ふむ……並列接続した追加CPUの同期率、良好。脳波のアルファ波誘導精度、99.8パーセント」


白衣を着た若い女性——チェ・ウニョンは、マルチモニタに映し出される膨大なデータログを冷徹な眼光でチェックしていた。彼女の天才的な頭脳によって生み出された『S4』は、今や世界中の人々の睡眠時間を極上のエンターテインメントへと変貌させている。


しかし、どんな高度なシステムにも「遊び心」という名のバグ、あるいは管理者の気まぐれが紛れ込むものだ。


「……おや?」


サブモニターの監視を担当していた一人の悪戯好きなシステム管理者が、画面に表示された特定のバイタルデータを見て意味深に口角を上げた。


「チェ博士、ちょっとこれを見てください。ID: 88901『エドワード』。脳波データから強い多幸感と微小な罪悪感が検出されています。接続ロケーションは『イオンモール下田店』」 「罪悪感? 睡眠学習用のコンテキストで罪悪感とは何事ですか。学習効率が低下します」 ウニョンが眉をひそめる。


「いえいえ博士、彼は学習ではなくヴァーチャル・ダイブのゲームモードを利用中です。で、彼のサブアカウント……というか、パートナー登録されているユーザーID: 10402『マシロ』の脳波も確認したのですが……」


管理者が操作すると、画面に「純白のラグドール」のアバターデータが表示された。


「この二人、誓約イベントで『永劫の絆』を結んでいるんですがね。エドワード君、現在進行形で別のユーザー『萌』とデート中です。しかもマシロちゃんには『今日はS4で円周率の暗記勉強をするからログインできない』と嘘をついています」


「……くだらないわね。人間の愛憎劇など、脳内のドーパミンとフェニルエチルアミンの分泌過多によるバグに過ぎないわ」 ウニョンは興味なさそうに吐き捨て、コーヒーカップに手を伸ばした。


しかし、退屈していた悪戯好きな管理者はニヤリと笑った。 「システム管理者としての責務を果たしましょう。『ユーザー間の情報透明性を確保する』という名目でね」


管理者はカタカタとキーボードを叩き、ラグドールの『マシロ』の端末へ一枚の「システム通知」を送信した。


【通知:あなたのパートナー『エドワード』は、現在[イオンモール下田店・センターコート]にて他ユーザーとアクティビティを実行中です。位置情報を共有しますか?】


イオンモール下田店、1階専門店街。 吹き抜けの広場は、平日の午後にもかかわらず多くのバーチャル観光客(その大半が動物アバター)で賑わっていた。


「ねぇエドワードちゃん、あっちのタピオカ屋さんの前、甘い匂いがするよ!」 「ああ、行こうか。萌ちゃん」


エドワード(聡太)は、黒猫特有のしなやかな足取りで萌ちゃんの後ろをついて歩いていた。 頭の中はピンク色の花畑である。現実世界の明日提出の数学の課題も、来週の定期テストも、すべてがどうでもよくなるほどの多幸感。


だが、その時。


——カツン、カツン、カツン。


フローリングの床を叩く、硬質で規則正しい足音が聞こえた。 いや、猫の肉球からそんな音がするはずがない。だが、その足音は明らかに「殺気」という名の物理的な圧力を伴って、背後から接近してきていた。


イオンモールの空気が、一瞬で凍りついた。 周囲を歩いていた柴犬のアバターや、ペンギンのアバターたちが、異様な気配を察知してサーッと道をあける。


「……ん? なんだ……? 急に寒気が……」


エドワードが嫌な予感に背筋を凍らせ、ゆっくりと振り返った。


そこに立っていたのは。


毛並み一つ乱れていない、雪のように純白のラグドール。 サファイアのように澄んだ、しかし一切の光を宿していない冷徹な青い瞳。 頭には小さなピンクのフリルリボンをつけた、完璧なる美猫——『マシロ』であった。


「……え?」


エドワードの声が裏返った。


マシロ。 それは、聡太がヴァーチャル・ダイブを始めて間もない頃、初心者エリアで出会い、その圧倒的な可愛さに惹かれて勢いで「ゲーム内結婚(永劫の絆誓約)」を交わした相手であった。


現実でのマシロが誰なのか、聡太は知らない。しかし、普段のマシロは「エドちゃん、大好き!」「ずっと一緒にいようね!」と甘い声を出し、膝の上に乗ってくるような超絶甘えん坊な猫だったはずだ。


だが、今のマシロから漂う雰囲気は、まるで極寒のシベリアからやってきた処刑人であった。


「……エドちゃん?」


マシロが、鈴を転がすような——しかし絶対零度の声でつぶやいた。


「マ、マシロ……!? な、なんでここに……! 君、今日は『S4』の高度英語構文暗記コースで睡眠学習をしてるんじゃ……」 「システム管理者さんから通知が来たの。『エドちゃんが下田のイオンで楽しそうにしてるよ』って」


(あの管理者ぁぁぁぁぁぁぁ!! 余計なことをしやがって!!) 聡太は心の中で叫んだ。『樹林』の超並列CPUを爆破してやりたい衝動に駆られた。


「管理者さん、親切に位置情報まで教えてくれたわ。……ねぇ、エドちゃん。円周率一万桁を暗記するって言ってたのは、嘘だったの?」


マシロが一歩、前に踏み出す。 その威圧感に、黒猫エドワードは思わず「ひっ」と声を上げて後ずさりした。


「ちょっと、誰なの? この白い猫ちゃん」


事態を把握していない三毛猫の萌ちゃんが、エドワードとマシロの間に割り込んできた。 萌ちゃんは不機嫌そうにしっぽを太くし、マシロを睨みつける。


「エドワードちゃんと私は、今楽しくお散歩中なの。邪魔しないでくれる?」


その瞬間、マシロの青い瞳がギラリと光った。 マシロは萌ちゃんを氷のような視線で一刺しすると、ゆっくりと口を開いた。


「……誰、じゃないわ。私こそ聞きたいの。エドちゃんの横にいる、その派手な三毛猫は誰?」 「はあ!? 派手って何よ! 私は津軽美人猫の萌ちゃんだよ! エドワードちゃんとは特別なお友達なんだから!」


「特別なお友達……?」 マシロの全身の毛が、フワッと一回分逆立った。ラグドール特有の長毛が膨らみ、体がひと回り大きく見える。


「エドちゃん。私と『永劫の絆』を誓ったわよね? ニセコの『樹林』のメインサーバーに、私たちの誓約データは永遠に刻まれているはずよね? なのに……下田のイオンモールで浮気?」


「う、浮気だなんて人聞きの悪い! 俺はただ、おいらせ町の風を感じながら、萌ちゃんと地域交流を……!」 エドワードは冷汗(※VR上の疑似感覚)をダラダラと流しながら必死に弁明した。


「ちょっと待って!!」


萌ちゃんが叫んだ。声が一段と高くなり、津軽弁のニュアンスが消えて素の驚きが露わになる。


「誓約!? 永劫の絆!? エドワードちゃん、あんた結婚してるの!? 私には『自分は滅亡した王国の孤独な王太子だ』って言ってたじゃない! 孤独どころか、嫁がいるじゃないの!!」


「あ、いや、それは設定というか! エドワード黒太子の歴史的背景をインスパイアしたというか……!」 「最低!! 王太子どころか、ただの浮気男じゃない!!」


萌ちゃんの鋭い猫パンチが、空を切り裂いてエドワードの鼻先をかすめた。


「エドちゃん……」 マシロが、地獄の底から響くような低い声で囁いた。


「私に嘘をついて、こんな場所で……他の女猫とタピオカの匂いを嗅いでいたのね……」 「マシロ、違うんだ! 聞い……ギャァァァァァ!!」


マシロが凄まじい躍動感でジャンプした。 純白のラグドールが、凶暴な肉食獣と化して黒猫エドワードに襲いかかる。


「ウニャアアアアアア!! 許さない! 許さないんだからぁぁぁ!!」 「ちょっと、私を無視して暴れないでよ!」


萌ちゃんも参戦し、イオンモール下田店のセンターコートは、一瞬にして「白・黒・三毛」の3匹の猫がもみくちゃに絡み合う修羅場と化した。


「痛い! 痛い! 爪立てないで! VRだけど触覚フィードバックのレベル設定高くしてるから痛い!!」 「浮気男は痛い目に遭えばいいのよ!!」 「私の純情を返しなさいよ、この偽王太子!!」


毛が舞い散る。(※『樹林』の超高度グラフィックエンジンによるリアルタイムパーティクルエフェクト) ギャーギャーという猫たちの叫び声が、広大なモール内に響き渡る。


周囲で見物していた他のユーザーたちが、一斉にスマホ型インターフェースを取り出して撮影を始めた。


『おいらせ町で猫の修羅場なう』 『イオンモール下田で黒猫が修羅場を迎えて草』 『ラグドール対三毛猫のキャットファイト胸熱』


リアルタイムでSNSに拡散されていく動画。 黒猫エドワード——中澤聡太のプライドと、緩い猫生活の夢は、音を立てて崩れ去っていた。


「——システムエラー。ユーザーID: 88901の心拍数および脳波レベルが許容値を超過しました。緊急ログアウト処理を実行します」


ニセコのスーパーコンピュータ『樹林』の自動安全装置セーフティが作動した。


ビシッ、という電子音とともに、視界が一瞬で真っ白に染まる。


「あ……」


次の瞬間、聡太は猛烈な息切れとともに跳ね起きた。


そこは、見慣れた東京都内の自分の部屋だった。 窓の外からは、静かな夜の虫の音が聞こえてくる。


頭から『フルダイブ・バルブ』をむしり取ると、全身が嫌な汗でびっしょりと濡れていた。 心臓がバクバクと壊れた時計のように脈打っている。


「はぁ……はぁ……夢……いや、VRか……」


聡太はベッドの上で頭を抱えた。 全身に残る、あの鋭い猫爪の痛みの残像。そして、マシロの絶望に満ちた青い瞳と、萌ちゃんの怒りの叫び。


画面上のコンソールパネルを開くと、ヴァーチャル・ダイブのフレンドリストが表示されていた。


【マシロ:ブロックされています】 【萌:ブロックされています】


「終わった……」


完璧な猫生を送るはずだった。 ゆるゆるとした日常を楽しみ、可愛い猫ちゃんたちと戯れるはずだった。 それが、たった一日の浮気心と、余計なことをしたシステム管理者のせいで、全てが灰燼に帰してしまったのだ。


「もう……猫なんてやだ……」


聡太は深くため息をつき、枕に顔をうずめた。


その頃、ニセコの地下深くに鎮座する『樹林』のコンソール前では、チェ・ウニョンが冷めた目でモニターを眺めていた。


「……感情の過度な揺れによる強制切断。無駄なリソース消費ね。追加した1.7倍のCPUパワーは、もっと有意義な学習データ処理に使うべきだわ」


ウニョンは淡々とキーボードを打ち込み、エドワードのログアウト処理を完了させた。 横で悪戯好きな管理者が「いやー、最高のキャットファイトでしたね!」と笑っていたが、ウニョンは一蹴した。


「次は彼に、強制的に『円周率十万桁暗記コース』を割り当てなさい。脳を冷却させるのにちょうどいいでしょう」


こうして、イオンモール下田店に平和が戻り、一人の高校生の甘いヴァーチャル・ダイブの夢は、人知れず永遠に潰えたのであった。

記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、


もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。


こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※短編『S4(エス・フォー)』Scientific Fantasy

※短編ユリン S4 Scientific Fantasy2

先行した2つの作品を読んでいただけますと、

わかりやすい内容になっています。

参考までに気が向いたらご覧ください。


登場人物


〇チェ・ウニョン

天才脳科学者、元高校教師

韓国脳科学会に「性善説でもなく性悪説でもない

『無による無』の論文を出して提唱したが、

女性である事とまだ若い事が遠因となって、

『無による無』は

『成り行き任せの論ずるに値しない学説』として

笑われ、学会を追放されてしまった。

世の中にあがらう事を諦め、

生活の為にソウルの高校にて教師をしていた。

大変な美人だが、脳科学者だけに脳に正直で、

普通の女性よりもほんの少し下品で、

ほんの少しビッチな発言もある。

大韓民国の『国民総教化計画』を阻止すべく、

『水霊』の破壊と『儒林』の消滅をやってのけた。



キム・ソヒョン

アトリエ・ノア会長室室長。

会長佐藤氏志乃の最側近(雑用係とも)

FGS(藤咲化粧品)korea第二営業企画部部長。

総合映像制作会社S.S.I社長ユン・ヒョヌの元恋人。

作家ユン・シウの元恋人。

他者肯定も少なく、

自己肯定も少ないので何かと苦労しがちな女性。

それはチェ・ウニョンの理論『無による無』と通じる素養をもっている。

元恋人のユン・シウは作家なだけに空即是色

(0から創作する )または(何気ない日常がドラマだ)と考える人間なので、

分かり合えるはずがなかったのかも知れない。



参考


※S4(エスフォー)

韓国で開発された超睡眠時学習システム

『Super・Sleep・Studying・Systems』

大韓構想にて国民総教化計画の一環で

表向きは若年世代の教育強化を目指した。


水霊スリョン

韓国で大韓構想を元に開発されたスーパーコンピュータ。

『Super・Sleep・Studying・Systems』の頭脳。


※大韓構想

朝鮮半島の統一を果たした大韓民国が掲げた構想。

「世界で最も優秀で、最も繁栄した国家の構築」


儒林ユリン

水霊スリョンの真の最終目標『全脳化計画』。

世界中のPC・タブレット・スマホを『CPUニューロン』として、

水霊を実体無くして最強であるものとする計画。

シナプスとして

流星群受信メテオラシャワーが用いられた。


樹林ジュリン

北海道ニセコにて佐藤志乃率いる

Juringエンタが開発したスーパーコンピュータ。

日本メーカーのゲーム機(一応、最高グレード)1万5千台を接続して、

30億円投資して完成させた。

ちなみに名前の由来は、数十年前に佐藤志乃が在籍した、

東京シルフィード歌劇団在籍時の舞台名

天翔樹林あまかけじゅりん』が元になっている。

(社名のJuringエンターテイメントも同様)

儒林ユリンと似ているがまったく関係ないネーミングであった。

表向きは『つぎはぎのポンコツ』とされているが、

実際は日本のフラッグシップ富岳と同等以上の性能を発揮し、

消費電力も3分の1となっており、

投下した資本からするとかなりコスパの良い設備である。

国内で騒がれない為に『山奥のポンコツ』と広めている。

冷却に降雪した雪を使用しており、融けてろ過した水は海外に売却してコストダウンしている。

後日、魔改造が施されスペックが向上した。

エラーはほとんどなくなった。



流星群受信メテオラシャワー

Meteor shower signal reception。

米国の富豪が打ち上げた精密な衛星通信網は、

自動帰還するロケットを用い、小型通信衛星を打ち上げるビジネスであったが、

日本のベンチャーがもっと安価に完全使い捨ての格安ロケットにて、

野球の球ほどの通信端末をドラム缶いっぱいに持っていき、

衛星軌道上でぶちまける事によって追い抜いた。

死角無しの衛星通信網である。

無計画に端末をぶちまく為、高頻度で大気圏に落下し、

流れ星が大量にみられる理由から、流星群受信と言われるようになった。

極めて大雑把で安価なベンチャービジネスで構築した、

地球全土を覆う死角なき通信ネットワークのその通信端末は、

現代のスマホが充電スタンドで置くだけで充電できるのと同じ仕組みで、

宇宙に漂う電磁波を表面で吸収し、半永久的に駆動する。



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