黒猫のエドワード。里帰りをする。
あらすじ
夏休みも中盤に差し掛かり、お盆が近づいてきた。
聡太はお盆と言えば里帰り。
エドワード黒太子と言えばロンドンだと思いつくのであった。
「まあ、エドワード黒太子って言ったら普通ロンドンだろ。ビッグベンがあって、赤バスが走ってて、テムズ川が流れてる、あのロンドンだ」
夏休み、お盆を目前に控えたある夜。中澤聡太は自室のベッドの上で、
最新型VRヘッドギア『フルダイブ・バルブ』を装着しながら、
誰に聴かせるでもなくそう呟いた。
『ヴァーチャル・ダイブ』は、
いまや全国の学生たちの夜を根こそぎ奪い去っている。
睡眠時に日中の数百倍の学習・疑似体験効果を生み出すという触れ込みだったが、聡太にとってそんな大層な能書きはどうでもよかった。彼がこの高価なギアを親におねだりした(「早く寝るから!」という魔法の言葉は親のウケがすこぶる良かった)唯一の理由は、仮想空間で「黒猫になり、ひたすら緩い生活を送る」という野望を果たすためだ。
聡太が扮するアバターは、艶やかな漆黒の毛並みを持つ一匹の黒猫。 名前は『エドワード』。設定は「滅亡した貴族の国の落胤にして王太子」。もちろん、中世英文学の歴史書で適当に見つけた英傑「エドワード黒太子」からの安易な盗用である。
「お盆といえば里帰り。黒太子の故郷に足を踏み入れ、本場の路地裏で日向ぼっこでも決め込むとするか」
部屋の灯りを消し、聡太はゆっくりと深呼吸をした。 睡眠導入とともに脳波が『樹林』のサーバーへと接続されていく。視界が急速に沈み込み、五感がデジタルデータに置き換わっていく独特の浮遊感。
――ダイブ、スタート。
◇
「……おい、なんだこれ?」
視界が開けた瞬間、エドワード――もとい黒猫となった聡太の耳に飛び込んできたのは、優雅なビッグベンの鐘の音でも、賑やかなロンドンの喧騒でもなかった。
「メェ~~~~」 「メェ~、メェ~」
圧倒的な、羊の群れの啼き声。 どこまでも広がる青々とした芝生。見渡す限り、延々と続くイングリッシュ・ガーデンの巨大な庭園。その中央には、あまりにも巨大で壮麗なバロック様式の宮殿がデンと鎮座していた。
「……え? ロンドンってこんなに牧歌的だっけ? アラカルトのパブとか、石畳の路地は?」
漆黒の肉球で頭を抱えようとして、自分の前脚が短く丸っこいことに気づく。エドワードはフサフサの尻尾を不機嫌そうにパタパタと振った。 目の前の掲示板状のシステムUIには、ダイブ先の現在地が表示されている。
『現在地:ウッドストック・ブレナム宮殿(Blenheim Palace)』
「ウッドストック!? どこだよそこ! ていうか、エドワード黒太子ってロンドン生まれじゃないのかよ!」
自分の歴史的無知を棚に上げ、エドワードは盛大に仮想空間の空に向かってシャウトした。猫の甲高い威嚇声が広大な庭園に虚しく響き渡る。 実際の歴史において、エドワード黒太子が生まれたのはオックスフォードシャーのウッドストック宮殿である。しかし、テストの点数が赤点ギリギリの高校生・中澤聡太にそんな知識があるはずもなかった。
「ニセコの『樹林』め……もっと気を利かせて『黒太子』って検索したらロンドン市街地に直送しろよ! 30億だか40億だか知らんが、つぎはぎスパコンのポンコツめ!」
八つ当たりもいいところだったが、文句を言っていても始まらない。エドワードは尻尾をピンと立てると、羊の群れをすり抜け、システムメニューから『ロンドン市街地・マップ移動』を強行操作した。
◇
空間が歪み、一瞬の暗転ののち、湿った風と排気ガス、そしてほのかにカビ臭い潮の香りがエドワードの鋭い鼻腔を突いた。
「これだよこれ! この都会の澱んだ空気! さあ来たぞ、ロンドン!」
パッと視界が切り替わり、目の前に広がるのは憧れのロンドン市街。エドワードは胸を張り、黒猫としての優雅なステップで石畳を歩き始めた。亡国の王太子としての気品を漂わせているつもりだが、客観的に見ればただの小生意気な黒猫である。
歴史あるテムズ川の河畔に出たエドワードは、欄干の隙間からひょいと首を突き出し、濁った川の流れを見下ろした。
「ほーん、これがかの有名なテムズ川か。歴史のロマンを感じ……ん?」
エドワードの黄色い瞳が点になった。 どんよりとした褐色の濁流を、ゆったりとどんぶらこ、どんぶらこと流れていく黄色い物体。
「……なんでアヒルのおまるが流れてるんだ?」
それはどう見ても、幼児が使う黄色いプラスチック製のアヒル型おまるであった。しかも一つや二つではない。上流から「どんぶらこ、どんぶらこ」と、定期的な間隔を保って十数個のおまるがプカプカと流れてくるのだ。
「え、英国の伝統的な風習? それとも『樹林』の物理演算エンジンがイかれてんのか?」
実は、ゲーム機数万台を並列接続したつぎはぎスパコン『樹林』は、処理負荷がピークに達すると、川のグラフィック描画バッファに謎のプリセットオブジェクト(この場合は開発者がテスト用に置いたアヒルのおまるデータ)を吐き出すという奇病を抱えていたのである。
「うわぁ……風情もへったくれもないな。やっぱりイギリスの川は一筋縄ではいかん」
呆れたエドワードはテムズ川に背を向け、気を取り直して次の目的地へと向かった。
目的地は、英国王室の象徴『バッキンガム宮殿』。 王太子の名を持つ自分にふさわしい、最高のロケーションでの日向ぼっこエリアを探すためだ。
だが、現実は甘くなかった。
宮殿の豪華な金ピカの柵をすり抜け、フカフカの芝生に寝転がろうとした瞬間――。
「Halt!(止まれ!)」
赤い上着に大きな黒いクマ皮の帽子をかぶった近衛兵が、ロボットのような寸分狂わぬ歩調でドスドスと迫ってきた。着用しているのは銃剣付きの小銃である。
「フシャーッ! なんだお前! 俺はエドワードだぞ! 亡国の王太子だぞ!」
エドワードは背中の毛を逆立てて威嚇したが、AIで動く厳格な近衛兵には猫の萌えアピールなど一切通用しない。容赦なく巨大な軍靴が差し出され、エドワードは「ニュッ」と襟首を掴まれて宮殿の外へと放り投げられた。
「あたたた……容赦なさすぎだろバッキンガム! 観光客(猫)に優しくしろ!」
尻もちをついたエドワードは、泥を払うように前脚を舐めると、捨て台詞を残してその場を立ち去った。ロンドンは、思っていたよりもずっと過酷な街だった。
◇
失意のエドワードがトコトコと歩き着いたのは、トラファルガー広場の近くに位置する『ホース・ガーズ(近衛騎兵隊司令部)』であった。
そこには、美しい石造りのアーチの下で、黒く光る見事な馬に乗った騎兵が微動だにせず警備についていた。観光客たちが遠巻きに写真を撮っている。
「ほう……馬か。優雅だな。これぞ英国」
エドワードはアーチの影から、高貴な黒馬を眺めた。馬の大きな瞳が、ゆっくりと足元を見下ろす。そして、石畳の上をうろうろしている漆黒の小さな毛玉――エドワードとバチッと目が合った。
「ヒヒーン……(なんだその生意気な猫は)」
馬の鼻孔が大きく広がり、荒い息が吹き出された。 猫の驚異的な野性の勘が、脳内で警報を鳴らす。
(あ、こいつ……俺のこと、舐めてるな?)
黒太子エドワードとしてのプライドがメラメラと燃え上がった。 いくら体が猫だろうと、中身は日本の男子高校生。ここで馬に威圧されて引き下がるわけにはいかない。エドワードは低い体勢をとり、尻尾を細かく振って馬を睨みつけた。
「フシューッ! 馬面が! 俺の毛並みの美しさに恐れおののくがいい!」
その瞬間、馬が動いた。 巨体が反転し、丸太のように太い後脚が、凄まじい風切り音とともに繰り出される!
――ドゴォン!
近衛騎兵隊の馬による、必殺のバックキック(後ろ蹴り)!
普通なら直撃すれば即死、あるいは仮想空間の緊急安全装置が作動して強制ログアウトになるレベルの一撃。しかし――。
「……ん?」
ガシーン! と空を切った蹄の音だけが虚しく石畳に響き渡る。
馬のバックキックの打点は、地面からおよそ1メートル程度の高さ。 対する黒猫エドワードの体高は、たったの25センチ。
攻撃は、エドワードの頭上遥か高みを空しく通り抜けていったのだ。
「……ハッ! 甘いな馬め! 高さの計算もできないのか!」
エドワードはふっと鼻で笑い、優雅に座り直すと、余裕綽々で後ろ脚をあげて耳の裏を掻き始めた。
(そもそも高さが全然合ってねぇよ! 勝ち目ゼロだろその攻撃!)
馬は「パカッ、パカッ」と興奮気味に前脚で地面を叩き、再び蹴りを見舞おうと体を捻ったが、やはり猫の小ささには手も足も出ない。エドワードはあくびを噛み殺しながら、左前脚でヒイヒイとパンチを繰り出すフリをした。
「ほらどうした! 届かないぞ! 亡国の王太子の身こなしを見よ!」
馬と猫の、前代未聞の不毛な死闘。 観光客たちが「Oh... Look at that cat...」「So brave...(なんて勇敢な猫なんだ)」とざわめきだし、スマホのカメラを向け始める。
やがて、遠くから鐘の音が響き渡った。 衛兵の交代時刻である。
カツッ、カツッと規則正しい足音が近づき、交代の騎兵がやってくると、エドワードと対峙していた馬は「ふぅ」と息を吐き、何事もなかったかのようにすまし顔に戻った。
「フッ……引き分け(ドロー)ってことにしておいてやるよ。命拾いしたな、馬」
エドワードは背中を丸めてぐーっと伸びをすると、勝利の余韻(?)に浸りながら、颯爽とホース・ガーズを後にした。
◇
「腹が……減った……」
いくらVR空間とはいえ、精神的なエネルギーの消費はリアルな空腹感となって脳にフィードバックされる。特に馬との(精神的な)死闘を終えたエドワードの腹虫は、ぐーぐーと盛大に鳴っていた。
やってきたのは、世界最高峰の知識の殿堂『大英博物館』の正面広場。 重厚なギリシャ建築の列柱が立ち並ぶ巨大な敷地の隅に、赤と白のカラフルなフードトラック(移動販売車)が停まっていた。
『Fish & Chips - Traditional London Flavor』
香ばしい油の匂いと、甘酸っぱいモルトビネガー(麦芽酢)の香りが漂ってくる。
「フィッシュ&チップス! これぞ本場のソウルフード!」
エドワードは目を輝かせたが、当然のことながら猫のポケットに英ポンドの硬貨など入っているはずもない。そもそも服を着ていない。
「……くそっ、背に腹は代えられん。王太子の名誉は一時保留だ」
エドワードは身をかがめ、忍びの足取りでフードトラックの裏手へと回った。 そこには、調理で出たタラのフリッターの端切れや、揚がりすぎたポテトのクズが入ったポリバケツが置いてあった。
「残飯漁り……! 日本の高校生としても、英国の王太子としても最低の行為だが……背に腹は!」
誰も見ていないことを確認し、エドワードはゴミ箱の縁に飛び乗ると、サクサクの衣がついた白身魚の端切れを口にくわえた。
「もぐもぐ……ん、んん~っ!? うまーい!」
カリッとした衣の中から、ふっくらとしたタラの旨味が広がる。酢の酸味が油っぽさを消し、絶妙な味わい。
「残飯なのに激ウマ! 流石は大英帝国! どこがメシマズ国だよ、大絶賛だぞ俺は!」
ゴミ箱の上で白身魚とフライドポテトを貪り喰う黒猫。その姿は完全にただの野良猫であったが、本人は大満足であった。
腹を満たしたエドワードが最後に訪れたのは、ロンドン名物『マダム・タッソー館』であった。 世界の有名人や歴史上の人物が、まるで生きているかのような精巧な蝋人形として展示されている人気観光スポットだ。
「よし、締めくくりはここだな。歴代の英傑たちに、このエドワード様が挨拶をしてやろう」
裏口の換気口からスルスルと館内に侵入したエドワード。 薄暗い館内には、スポットライトを浴びた人物たちが無数に立っていた。
「へえ……これがマイケル・ジャクソン? こっちはキャプテン・アメリカか。よくできてるなぁ」
優雅に歩を進めていたエドワードだったが、展示室の奥へ進むにつれ、周囲の雰囲気が変わってきたことに気づいた。
「……なんか、静かすぎないか?」
ポツンと立つ、かつての英国首相や王族たちの蝋人形。 それらは完璧に静止している。息づかいも、肌の温もりもなく、ガラス玉のような瞳がじっと空間の一点を見つめている。
「……」
猫の感覚は敏感だ。生きている人間の気配がないのに、人間の形をした巨大な「物体」が立ち並んでいる恐怖。
『ゲシュタルト崩壊』ならぬ『不気味の谷』現象が、黒猫の脳を直撃した。
(待て……こいつら、俺が目を離した隙に動いてるんじゃないか……?)
ゾクッと背筋に冷たいものが走る。 ふと横を見ると、中世の甲冑を着た巨大な騎士の蝋人形が、眼下を見下ろしていた。その影が、黒猫のエドワードをすっぽりと覆い隠す。
「ひ……」
騎士の目が、いま一瞬、動いた気がした。
「ヒエッ……! ひ、悲鳴をあげろーッ!」
「シャーッ! フシャーッ!」
それまでの王太子としての威厳はどこへやら、エドワードは脱兎のごとく跳ね上がると、髪の毛(毛並み)を全立させて館内の廊下を暴走し始めた。
「動くな! 動く存在じゃないだろお前らは! リアルすぎるんだよ英国の職人技!」
廊下の角を曲がると、今度はヘンリー8世の巨大な蝋人形が立っていた。 ドカンと鎮座する巨体と不敵な笑み。
「ギャアーッ! お化け屋敷より怖いわ!」
パニックに陥ったエドワードは、非常口の扉を前脚で死に物狂いで押し開き、外の明るいロンドンの街へと飛び出した。
ハァハァと激しい息を吐きながら、エドワードはロンドンの青空を見上げた。
「……もう帰る。日本に帰る……! ニセコの温泉に浸かりたい……!」
結章:目覚めの朝
「――聡太、聡太! 昼前よ! いつまで寝てるの!」
母親の叫び声と、バタバタと階段を駆け上ってくる足音で、聡太の意識は引き戻された。
パチッと目を開けると、そこは見慣れた四畳半の自室の天井だった。 頭の『フルダイブ・バルブ』を外すと、ぐっしょりと汗をかいていた。
「……はぁ、はぁ……凄まじい里帰りだった……」
体のあちこち(特に精神)に疲労感が残っている。 だが、窓から差し込む日本の夏の陽光と、セミの鳴き声を聞いているうちに、じわじわとおかしさが込み上げてきた。
「バッキンガム追放に、馬との空中戦……残飯のフィッシュ&チップスに、蝋人形の恐怖か……」
スマートフォンの画面を付けると、SNSのトレンド欄に小さな話題が上がっていた。
『【動画】VRロンドンで近衛兵の馬とバトルする謎の黒猫が話題にwww』
「……俺じゃねぇか」
聡太は苦笑しながらベッドから起き上がった。
きな臭い噂は絶えない商用サービスだが、少なくとも高校生の夏休みの暇つぶしとしては、これ以上のエンターテインメントはない。
「よし……今日の夜は、エドワード黒太子の第二弾・『パリ・ルーヴル美術館で迷子になる編』で行くか」
聡太は伸びをすると、階下から漂ってくる味噌汁の匂いに惹かれるように、部屋のドアを開けた。
黒猫のエドワードの夏休みは、まだまだ続くのであった。
記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、
もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。
こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。
※短編『S4(エス・フォー)』Scientific Fantasy
※短編ユリン S4 Scientific Fantasy2
先行した2つの作品を読んでいただけますと、
わかりやすい内容になっています。
参考までに気が向いたらご覧ください。
登場人物
〇チェ・ウニョン
天才脳科学者、元高校教師
韓国脳科学会に「性善説でもなく性悪説でもない
『無による無』の論文を出して提唱したが、
女性である事とまだ若い事が遠因となって、
『無による無』は
『成り行き任せの論ずるに値しない学説』として
笑われ、学会を追放されてしまった。
世の中にあがらう事を諦め、
生活の為にソウルの高校にて教師をしていた。
大変な美人だが、脳科学者だけに脳に正直で、
普通の女性よりもほんの少し下品で、
ほんの少しビッチな発言もある。
大韓民国の『国民総教化計画』を阻止すべく、
『水霊』の破壊と『儒林』の消滅をやってのけた。
キム・ソヒョン
アトリエ・ノア会長室室長。
会長佐藤氏志乃の最側近(雑用係とも)
FGS(藤咲化粧品)korea第二営業企画部部長。
総合映像制作会社S.S.I社長ユン・ヒョヌの元恋人。
作家ユン・シウの元恋人。
他者肯定も少なく、
自己肯定も少ないので何かと苦労しがちな女性。
それはチェ・ウニョンの理論『無による無』と通じる素養をもっている。
元恋人のユン・シウは作家なだけに空即是色
(0から創作する )または(何気ない日常がドラマだ)と考える人間なので、
分かり合えるはずがなかったのかも知れない。
参考
※S4(エスフォー)
韓国で開発された超睡眠時学習システム
『Super・Sleep・Studying・Systems』
大韓構想にて国民総教化計画の一環で
表向きは若年世代の教育強化を目指した。
※水霊
韓国で大韓構想を元に開発されたスーパーコンピュータ。
『Super・Sleep・Studying・Systems』の頭脳。
※大韓構想
朝鮮半島の統一を果たした大韓民国が掲げた構想。
「世界で最も優秀で、最も繁栄した国家の構築」
※儒林
水霊の真の最終目標『全脳化計画』。
世界中のPC・タブレット・スマホを『CPU』として、
水霊を実体無くして最強であるものとする計画。
シナプスとして
流星群受信が用いられた。
※樹林
北海道ニセコにて佐藤志乃率いる
Juringエンタが開発したスーパーコンピュータ。
日本メーカーのゲーム機(一応、最高グレード)1万5千台を接続して、
30億円投資して完成させた。
ちなみに名前の由来は、数十年前に佐藤志乃が在籍した、
東京シルフィード歌劇団在籍時の舞台名
『天翔樹林』が元になっている。
(社名のJuringエンターテイメントも同様)
儒林と似ているがまったく関係ないネーミングであった。
表向きは『つぎはぎのポンコツ』とされているが、
実際は日本のフラッグシップ富岳と同等以上の性能を発揮し、
消費電力も3分の1となっており、
投下した資本からするとかなりコスパの良い設備である。
国内で騒がれない為に『山奥のポンコツ』と広めている。
冷却に降雪した雪を使用しており、融けてろ過した水は海外に売却してコストダウンしている。
後日、魔改造が施されスペックが向上した。
エラーはほとんどなくなった。
※流星群受信
Meteor shower signal reception。
米国の富豪が打ち上げた精密な衛星通信網は、
自動帰還するロケットを用い、小型通信衛星を打ち上げるビジネスであったが、
日本のベンチャーがもっと安価に完全使い捨ての格安ロケットにて、
野球の球ほどの通信端末をドラム缶いっぱいに持っていき、
衛星軌道上でぶちまける事によって追い抜いた。
死角無しの衛星通信網である。
無計画に端末をぶちまく為、高頻度で大気圏に落下し、
流れ星が大量にみられる理由から、流星群受信と言われるようになった。
極めて大雑把で安価なベンチャービジネスで構築した、
地球全土を覆う死角なき通信ネットワークのその通信端末は、
現代のスマホが充電スタンドで置くだけで充電できるのと同じ仕組みで、
宇宙に漂う電磁波を表面で吸収し、半永久的に駆動する。




