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黒猫のエドワード。プールに行く!

あらすじ

連日真夏日が続く夏休み。聡太はプールに行くことを思いつく。

夜になり、待ちに待った『ヴァーチャル・ダイブ』の時間がやってきた。

聡太は淡い出会いの期待とやましい気持ちを持ちつつ、勢いよくダイブするのであった。





連日の真夏日は、高校生の中澤聡太から徹底的に思考能力を奪い去っていた。


「あつ……い……」


エアコンがぬるい風を吐き出すだけの自室で、聡太は学習机に突っ伏していた。扇風機の首振りに合わせて、湿り気のない前髪が弱々しく揺れる。外からはジワジワと脳を削るようなセミの鳴き声。高校生最初の夏休みだというのに、現実世界の暑さは容赦がない。


「こんな日はさあ……プールだろ。プール以外あり得ないって」


聡太は起き上がり、ベッドの枕元に置かれた重厚な器具へと手を伸びした。


洗練された曲面でデザインされた、最新型の全頭型VRヘッドギア『フルダイブ・バルブ』。


韓国で開発され、数々の血生臭い悲劇を生み出したスーパーコンピュータ『水霊スリョン』。その暴走データを元脳科学者チェ・ウニョンが破壊し尽くした後、抜け目のない投資家・佐藤志乃が『儒林ユリン』の残骸からデータを回収。北海道ニセコに集められた数万台の型落ち家庭用ゲーム機を並列接続し、つぎはぎのモンスターマシン『樹林ジュリン』として蘇らせた商用サービス——それがフル体験型VRゲーム『ヴァーチャル・ダイブ』だ。


このシステムの最大の売りは、超睡眠時学習システム『S4』の技術を応用した、睡眠中の膨大な疑似体験にある。脳の精神的揺らぎを膨張させ、仮想空間内で消費し尽くす『自我の不測の補完』。それは時に殺人鬼に終わりのない殺戮を体験させ、自殺願望者に無数の絶望を味わわせて精神エネルギーを「更生」という形で抹消する恐ろしい機能でもあったが、日常に満足している健全な高校生にとっては、単なる「都合のいい究極の夢」に過ぎない。


親にとっても、子どもが夜早く就寝して勝手に質の高い睡眠をとってくれるため、非常に評判が良い。睡眠薬を処方してもらう必要もなく、ヘッドギアを装着してベッドに入れば、そこはもう理想郷なのだ。


「よし、今夜のダイブ目標は『極上のリゾートプール』。冷たい水、青い空、そして……」


聡太の頭裏に、水着姿の美女たちがプールサイドでトロピカルドリンクを傾ける楽園の景色が浮かぶ。下心と淡い期待が混ざり合った、男子高校生らしい健康的な妄想だ。


聡太は『フルダイブ・バルブ』を深く頭に被り、ベッドに横たわった。


「システム起動……『ヴァーチャル・ダイブ』」


眼前を通り過ぎる青い光の粒子。まぶたが急速に重くなり、意識が心地よい睡眠の波へと落ちていく。暗転する意識の底で、聡太は自らのアバターの設定を呼び出した。


種族:猫(黒猫) 名前:エドワード バックストーリー:北方の雪国で滅びた、伝説の王国『黒十字帝国』の第三王太子。高貴なる血を引きながらも、民の平和のために市井に身を隠す孤独な英雄。


名前の由来は言うまでもなく、歴史上の有名人「エドワード黒太子」からの安易なパクリである。だが、この漆黒の毛並みと鋭い黄色い眼光を持つ黒猫こそが、聡太の目指す「猫のように緩く、気ままに暮らす」ための最高の器であった。


意識が浮上したとき、そこは眩しい太陽の光と、ツンと鼻を突く独特の薬品臭に包まれていた。


「……にゃあ?」


声を出してみると、自分の喉から漏れたのは完璧な猫の鳴き声だった。手元を見る。足先は柔らかい肉球で覆われ、つややかな漆黒の毛並みが太陽を浴びて艶やかに光っている。尻尾を振ると、お尻のあたりでしなやかに風を切る感覚があった。


「よし、エドワード覚醒! ……って、ちょっと待てよ」


聡太エドワードは、ダイブ直前の空間で『ヴァーチャル・ダイブ』のアイテムショップを開こうとしてピタリと固まった。


「プールに行くってことは、水着買わなきゃダメか?」


仮想空間のGUIメニューを操作し、アバター用ファッションカタログを検索する。しかし、画面に表示されるのは人間用のビキニや競泳水着、サーフパンツばかりだ。


「仮に猫用のサーフパンツを買ったとして……これ、尻尾はどうするんだ? 尻尾を通す穴がないと不自然だろ。それに、プールで遊んでて急にトイレに行きたくなったら? 水着脱ぐの面倒だし、穴が開いてたら開いてたで、猫の構造上いろいろと不便というか脱ぎ着が……」


真面目に猫の解剖学と水着の構造について数分間考え込んだ後、エドワードはハッと自分自身の姿を見下ろした。


「……待てよ。俺、普段から全裸じゃん」


何を悩んでいたのだろうか。自分は黒猫だ。生まれた時から一皮の毛皮しか着ていない、生粋のオールヌード存在だ。服を着ていないのだから、脱ぐ水着も着る水着もない。公然わいせつ罪に問われることもない。猫の特権である。


「よし! 無駄な出費(ゲーム内コイン)は抑えられたな! さて、いよいよ待ちに待ったリゾートプール……!」


エドワードは期待に胸を膨らませ、周囲を見渡した。


どこまでも続く白い砂浜、透き通ったエメラルドグリーンの流れるプール、巨大なウォータースライダー、そしてビキニ姿のお姉さんたちが優雅に過ごすパラソル付きのサンベッド……。


そんな光景を期待していたエドワードの視界に飛び込んできたのは、無機質なコンクリートの壁と、緑色の防風ネット、そして古びた目隠しフェンスだった。


「……は?」


足元を見ると、そこは濡れたグレーのタイル。巨大なウォータースライダーなど影も形もない。あるのは、直線25メートルのコースロープが渡された、至ってシンプルな四角いプール。


そして、耳をつんざくような甲高い歓声と悲鳴。


『キャーッ! 先生! 〇〇君がビート板投げたー!』 『こらー! プールサイドは走るなと言ってるだろー!』


「……地味な市民プールじゃねえか!!」


エドワードは叫んだ(猫の鳴き声としては「ニャオーーーン!」と響いた)。


脳の精神的揺らぎを無意識に拾い上げる『樹林』のアルゴリズムが、聡太の「プールに行きたい」という望みと、「高校生が一人で高級リゾートに行くのは敷居が高いのではないか」という微かな気後れを変に解釈してしまったらしい。結果として生成されたのは、どこにでもある地域の「市立市民プール(小・中学生無料デー)」であった。


淡い期待とやましい下心は、一瞬にして打ち砕かれた。ビキニ姿のお姉さんなどどこにもいない。そこにいるのは、カラフルな水泳キャップをかぶった小学生の集団と、浮き輪を持った幼稚園児を連れた、疲れ切った表情のファミリー層だけだった。


「最悪だ……」


エドワードはガックリと小さな黒い肩を落とした。


いくら五感体験が本物そっくりの『ヴァーチャル・ダイブ』とはいえ、市民プールで猫一匹が優雅に過ごせるわけがない。とっととログインアウトして寝直そうかとも思いたが、強制ダイブではなく正規の睡眠ダイブモードの場合、あまりに短時間で離脱すると脳の睡眠リズムが乱れ、翌朝ひどい頭痛に襲われるリスクがある。


「仕方ない……端っこの日陰で、猫らしく丸くなって時間を潰すか……」


滅びた黒十字帝国の王太子・エドワードは、高貴なプライドを胸に、プールサイドの監視台の陰にある濡れていないベンチを目指してトコトコと歩き出した。


だが、彼は忘れていた。


ここは「地味な市民プール」であり、今そこに群がっているのは「夏休みで体力が有り余っている小学生の悪ガキども」だということを。


そして、水辺にぽつんと一匹で存在する黒猫が、彼らにとってどれほど格好のターゲットに見えるかを。


「あ! 見て! 黒猫がいる!」 「うわっ、マジだ! なんでプールに猫がいんだよ!」


甲高い声が響いた瞬間、エドワードの背筋に嫌な汗が流れた。振り返ると、原色の水着を着た小学3・4年生くらいの男子ガキ3人組が、目を輝かせてこちらにダッシュしてくるところだった。


「やば……!」


エドワードは素早く身を翻そうとしたが、四本足の操作にまだ完全に慣れていない。濡れたタイルの上で肉球がツルッと滑った。


「ニャッ!?」


不格好に転倒したエドワードの上に、悪ガキどもの影が覆いかぶさる。


「捕まえたー!」 「すっげえ、全身真っ黒! 濡らしたらどうなるのかな!?」


「おい待て! やめろ! 俺は亡国の王太子だぞ! 触るな人間ども!」


抗議の声を上げたが、彼らの耳には「シャーッ! フシューッ!」という威嚇の猫なで声にしか聞こえていない。


「うわ、怒ってる! 水かけて冷やしてやろうぜ!」 「いいぞ! くらえっ!」


バシャッ!!


「ぬああっ!?」


容赦のないバケツ一杯分の水が、エドワードの頭上から降り注いだ。


温水プールですらない、冷たい市民プールの水。それが自慢のつややかな黒い毛皮に容赦なく染み込んでいく。猫の毛皮は一度水を含むと、驚くほど重くなるのだ。


「うわっ、毛がペタンこになって超細くなった! ウケる!」 「もっと水かけようぜ! 水鉄砲持ってこい!」


「ふざけるな! この無礼者どもがーっ!」


エドワードは激怒し、濡れた身体を振るって水を弾き飛ばすと、ベンチの脚を蹴って跳躍した。いくら体が小さくとも、アバターのポテンシャルは猫だ。俊敏な動きで悪ガキの頭を飛び越え、プールサイドを全力疾走する。


「逃げたぞ! 追えーっ!」


「追いかけてくるなあああ!」


プールサイドを逃走する一匹の濡れねずみ……ならぬ濡れ黒猫。それを追いかける水着姿の小学生集団。


『こらーっ! だからプールサイドは走るなと言ってるだろー!!』


監視員の大学生らしきお兄さんの怒号が響き渡るが、パニックに陥ったエドワードと、狩猟本能に火がついた悪ガキどもには届かない。


「どこへ逃げるんだ俺!? ていうかログアウトさせろ!」


走るにつれて毛皮が吸った水が重みを増し、足がもつれ始める。曲がり角を曲がろうとした瞬間、小さな子供が置き去りにした大きな黄色い浮き輪に足をとられた。


「あっ」


身体が宙を舞う。


放物線を描いて飛んでいくエドワードの視界に、エメラルドグリーン(というよりは過剰な塩素消毒で微妙に白濁した)のプール水面が迫ってきた。


どぼーん!!


派手な水音とともに、エドワードの身体はプールの中央付近へと沈んでいった。


「ッ……!?」


鼻から大量の水が入り込む。ツンとする強力な塩素の匂いが脳幹を刺激した。


「ゴボッ……ゲホッ! がはっ!」


猫の身体にとって、プールで溺れる体験は恐怖そのものだ。『ヴァーチャル・ダイブ』はリアルな感覚を提供する。つまり、「息ができない苦しみ」も「鼻に水が入った激痛」も、本物と全く同じなのだ。


必死で四肢をバタつかせる。いわゆる「犬かき」ならぬ「猫かき」だ。


ゴクッ、ゴクッ。


もがく拍子に、大量の塩素臭いプール水を飲み込んでしまう。喉が焼けるように熱い。現実世界の自室で寝ている聡太の脳にも、猛烈なストレス信号が送られていた。


(まずい……! このままだと……!)


聡太の頭の中に、このシステムの恐ろしい仕様が思い浮かんだ。


『自我の不測の補完』。


人間の脳が抱く精神的揺らぎやストレスを、仮想空間内で肥大化させ、疑似体験によって消費し尽くす機能。


もし今、溺れる恐怖と小学生への猛烈な殺意によって聡太の精神エネルギーが閾値を超えてしまったらどうなるか?


システム『樹林』は、彼を「異常なストレスを抱えた要更生者」と判断し、更生処理モードを発動させるかもしれない。無限に溺れ続ける悪夢を見せられるか、あるいは小学生を永遠に殺戮し続ける精神の牢獄へと叩き落とされるか——。


「そんなことで……更生処理されてたまるかあああ!」


根性だった。


亡国の王太子エドワードとしての誇りではない。単に「変な形でニュースになりたくない」という、一人の高校生の執念だった。


エドワードは必死で水をかき、水面に顔を突き出した。


「ハァッ! ハァッ! ゲホッ!」


なんとかコースロープにしがみつく。息を荒らげ、鼻からボタボタと塩素水を垂らしながら、エドワードはプールサイドを見上げた。


そこには、プールに落ちた猫を見て、少し引きつった顔をしている悪ガキどもの姿があった。


「うわ……マジで落ちたよ……」 「大丈夫かな、あの猫……」


さすがにやりすぎたと察したのか、子供たちは腰が引けている。


コースロープを伝って、命からがらプールサイドへ這い上がったエドワードは、ベチャリとタイルの上に倒れ込んだ。全身の毛は水を含んで皮膚に張り付き、かつての「漆黒の優雅な毛並み」は見る影もなく、まるで出汁をとった後の昆布のようになっていた。


「ゲホッ……ゲホッ……」


口の中に残る、嫌な塩素の味。


「おい、猫……大丈夫か?」


悪ガキの一人が恐る恐る手を伸ばしてきた。


エドワードはその手を、弱々しく肉球でペシッと払いのけた。


「……近寄るな、下民どもめ……」


掠れた声で呟いたが、聞こえたのは「……フシュゥ……」という情けない吐息だけだった。


もうプールなんてどうでもよかった。トロピカルドリンクも、ビキニのお姉さんも、涼しい水遊びも、すべてはどうでもいい。ただただ、温かい布団の上で横になりたかった。


エドワードは目を閉じ、深く息を吐いた。


「システム……強制ログアウト手続き……脳の負担……知るか……」


脳内で強制離脱のコマンドを強く念じる。視界の端で赤く点滅する警告ウィンドウ。脳への負担を警告するアラート音。だが、これ以上この塩素臭い地獄に留まるくらいなら、翌朝の頭痛くらい喜んで受け入れる。


世界の光景が、徐々にノイズ混じりの粒子となって崩壊していく。


遠ざかる意識の中で、悪ガキどもの「あ! 猫が消えていく!」という驚愕の声が聞こえた気がした。


「……はっ!?」


聡太は跳ね起き、激しく咳き込んだ。


「ゲホッ! ガハッ!……はぁ、はぁ、はぁ……」


そこは、自分の部屋だった。


見慣れた天井、ぬるい風を送る扇風機、そしてジワジワと鳴き続けるセミの声。頭からは汗が吹き出し、頭痛がガンガンとこめかみを揺らしている。強制ログアウトのペナルティだ。


だが、それ以上に……。


「……口の中が、塩素くせえ……」


舌の奥に不快な薬品の味が残っていた。フルダイブの五感体験が、まだ脳に強く残像として刻まれているのだ。


自室の机の上には、昨日買って残っていたペットボトルの麦茶がある。聡太はそれに飛びつき、キャップを外すと一気に煽った。


ゴクゴクゴク、プハッ!


「生きてる……俺、生きてるわ……」


ベッドに倒れ込み、天井を見上げる。


30億円の巨額を投じて作られたつぎはぎのスーパーコンピュータ『樹林』。さらに5万台の型落ちゲーム機を接続して1.7倍に性能向上した、最先端の商用VRサービス『ヴァーチャル・ダイブ』。


その人類の叡智の結晶を使って、自分は何をしていたのだろうか。


小学生に水をかけられ、市民プールで溺れ、塩素水をガブ飲みして命からがら逃げ帰ってきただけではないか。


「……もう二度と、猫でプールには行かない」


聡太は心に固く誓った。


次にダイブするときは、冷房がガンガンに効いた部屋で、高級なキャットフードを食べるだけの安全な設定にしよう。王太子という大層な設定も、もうやめだ。


窓の外では、太陽がさらに高度を上げ、容赦ないギラギラとした日差しで街を照らし始めていた。


中澤聡太の、そして黒猫のエドワードの、苦くて塩素くさい夏のプールの思い出は、こうして不毛に幕を閉じたのであった。

記載する表現に関して、常識に基づいて気をつけて参りますが、


もしもを考慮して15歳未満閲覧非推奨を設定させて頂きます。


こちらに何か落ち度がございましたら、お知らせ願います。


※短編『S4(エス・フォー)』Scientific Fantasy

※短編ユリン S4 Scientific Fantasy2

先行した2つの作品を読んでいただけますと、

わかりやすい内容になっています。

参考までに気が向いたらご覧ください。


登場人物


〇チェ・ウニョン

天才脳科学者、元高校教師

韓国脳科学会に「性善説でもなく性悪説でもない

『無による無』の論文を出して提唱したが、

女性である事とまだ若い事が遠因となって、

『無による無』は

『成り行き任せの論ずるに値しない学説』として

笑われ、学会を追放されてしまった。

世の中にあがらう事を諦め、

生活の為にソウルの高校にて教師をしていた。

大変な美人だが、脳科学者だけに脳に正直で、

普通の女性よりもほんの少し下品で、

ほんの少しビッチな発言もある。

大韓民国の『国民総教化計画』を阻止すべく、

『水霊』の破壊と『儒林』の消滅をやってのけた。



キム・ソヒョン

アトリエ・ノア会長室室長。

会長佐藤氏志乃の最側近(雑用係とも)

FGS(藤咲化粧品)korea第二営業企画部部長。

総合映像制作会社S.S.I社長ユン・ヒョヌの元恋人。

作家ユン・シウの元恋人。

他者肯定も少なく、

自己肯定も少ないので何かと苦労しがちな女性。

それはチェ・ウニョンの理論『無による無』と通じる素養をもっている。

元恋人のユン・シウは作家なだけに空即是色

(0から創作する )または(何気ない日常がドラマだ)と考える人間なので、

分かり合えるはずがなかったのかも知れない。



参考


※S4(エスフォー)

韓国で開発された超睡眠時学習システム

『Super・Sleep・Studying・Systems』

大韓構想にて国民総教化計画の一環で

表向きは若年世代の教育強化を目指した。


水霊スリョン

韓国で大韓構想を元に開発されたスーパーコンピュータ。

『Super・Sleep・Studying・Systems』の頭脳。


※大韓構想

朝鮮半島の統一を果たした大韓民国が掲げた構想。

「世界で最も優秀で、最も繁栄した国家の構築」


儒林ユリン

水霊スリョンの真の最終目標『全脳化計画』。

世界中のPC・タブレット・スマホを『CPUニューロン』として、

水霊を実体無くして最強であるものとする計画。

シナプスとして

流星群受信メテオラシャワーが用いられた。


樹林ジュリン

北海道ニセコにて佐藤志乃率いる

Juringエンタが開発したスーパーコンピュータ。

日本メーカーのゲーム機(一応、最高グレード)1万5千台を接続して、

30億円投資して完成させた。

ちなみに名前の由来は、数十年前に佐藤志乃が在籍した、

東京シルフィード歌劇団在籍時の舞台名

天翔樹林あまかけじゅりん』が元になっている。

(社名のJuringエンターテイメントも同様)

儒林ユリンと似ているがまったく関係ないネーミングであった。

表向きは『つぎはぎのポンコツ』とされているが、

実際は日本のフラッグシップ富岳と同等以上の性能を発揮し、

消費電力も3分の1となっており、

投下した資本からするとかなりコスパの良い設備である。

国内で騒がれない為に『山奥のポンコツ』と広めている。

冷却に降雪した雪を使用しており、融けてろ過した水は海外に売却してコストダウンしている。

後日、魔改造が施されスペックが向上した。

エラーはほとんどなくなった。



流星群受信メテオラシャワー

Meteor shower signal reception。

米国の富豪が打ち上げた精密な衛星通信網は、

自動帰還するロケットを用い、小型通信衛星を打ち上げるビジネスであったが、

日本のベンチャーがもっと安価に完全使い捨ての格安ロケットにて、

野球の球ほどの通信端末をドラム缶いっぱいに持っていき、

衛星軌道上でぶちまける事によって追い抜いた。

死角無しの衛星通信網である。

無計画に端末をぶちまく為、高頻度で大気圏に落下し、

流れ星が大量にみられる理由から、流星群受信と言われるようになった。

極めて大雑把で安価なベンチャービジネスで構築した、

地球全土を覆う死角なき通信ネットワークのその通信端末は、

現代のスマホが充電スタンドで置くだけで充電できるのと同じ仕組みで、

宇宙に漂う電磁波を表面で吸収し、半永久的に駆動する。



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