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83日目・任命

「そうか…なら異世界との交流もしやすくなるな」


エリスの魔力を流したことにより、禁術の書に新しく刻まれた、異世界同士を繋げるゲートの魔法。


その存在を見つけ出した梶原とエリスはすぐに報告をしに行き、刑事たちとの話し合いを設けることにした。


「エリスのことはもう警察官内で留めて良い問題ではないと改めて思いました、自分から言っておいてではおりますが、すぐに政府との連携を取るのが一番だと…」


エリスの存在を隠すという決断を出し、それを続けていたのは紛れもなく梶原だった。


だが、今回の騒動のような市民たちをも巻き込むようなことが異世界人たちにより行なわれたとなれば、それは日本全体、地球全体で考えていかなければならない大きな問題となる。


そう考え、梶原はエリスの安全よりまかなとしての安全を取ろうという提案をした。


「分かりました、すぐに報告書を書きましょう」

「エリスさんの身柄はどうするんですか?協力関係だったとはいえ加害者側との繋がりがあったんですよね?」

「いや、そんなことよりも早くエリスの存在を周知させなければ…」


様々な考えが深刻化していく中でもエリスは平然とした顔で立っていた。


今回の騒動では、戦いが必ず求められると知っていながらも自分の立場のために梶原は言うことができなかった。

そのせいで本来自衛隊などが戦うはずだったこの戦場で何十人という犠牲者が出てしまった。


自分がこれからどうなろうが、どう使われようが良いという覚悟は元々あったのだ。


「先輩っ」

「あぁ八重森か、どうした?」


そんな会議の中、駆け寄ってきた八重森は梶原を見つけるやいなや声をかけてきた。


「今っ警察本部から無線での連絡があって…

エリスを本部へ連れてこいとのことです」

「分かった、ありがとう」


梶原はあくまでも冷静にことを対処しようと考えていたが、本部までに伝わる情報のスピードがあまりにも早く、驚いていた。


「俺も同行して良いだろうか」

「はい、何人かの警官を側につけろとも言われたので……」

「なら、何人か来てもらおう」


余裕ぶっていながらも明らかにエリスの鼓動が早くなったのを感じた梶原はそんな提案をした。


「それならエリス、準備をしてすぐに向かおう」

「…っは、はい!」


突然話しかけられたことにびっくりしながらもエリスはそんな返事をした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「あなたが、エリスですね」

「は、はいっ!」


エリスはギクシャクと体をこわばらせて返事をするが、それを見て警官本部長はただ柔らかに笑っただけだった。


「事情は梶原の報告書で聞くよ、

それでなんだが本題に入ろうか。」


柔らかく軽い雰囲気な本部長とは裏腹にその場にいた全員が息を呑むような緊迫した空間で声を出した。


「エリスにはこれから、世界同士を繋げる役割になって欲しい」

「えっと…それは重々承知していると思うんですが…?」

「まぁそうなんだけどね、正式な役職の名前がつくようなことをしてもらおうと思って」

「それはもちろん!」


そんな本部長の提案にエリスは意気揚々と返事をした。


「それなら、早速近日中に異世界と繋げようか

魔力?は満タンにしておいてね」


梶原とは違い、はじめからエリスの年齢を知ってはいるものの本部長も子供のようにエリスへ接していた。


「はい!」

「じゃあもう今日のところは帰っていいよ

後日、梶原を通して連絡をするから」

「承知しました」


そんなやりとりをしてからは、嵐のように会話が進んで行き、国を騒がせる夜の蝶事件は1人の少女に不安を残して過ぎ去って行った。


次回、最終話です

最後までお付き合いください

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