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異世界の魔法使いは特殊警察官になりました。  作者: 友人A
5章・夜の蝶は舞い散る
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81日目・別れのち晴れ

「…アーサー、なんでついて来たの?」


エリスから魔力をもらった2人は空のゲートへと浮遊魔法で向かっていた。

そんな中でマリアが突然、はぁとため息をつきながら言って来たのだ。


きっとマリア自身、犠牲は自分1人でいいのだと考えていたらしい。


「さっきも言っただろ?お前に決められる権利はねえよ」

「そういう話をしてるんじゃっ」

「まぁ俺も思ったんだよ」


「何をだよ」と言ってしまいたくなる気持ちを抑えてアーサーが話しだすのを待っていた。


「今まで気づかなかっただけで、この世界も、きっとあっちの世界も進化してんだろうなって」

「だからなんなんだよっ!」

「あだっ」


遠くを見つめながら風を吹かせてそんなことを話すアーサーになんだか苛立ってきたマリアは一発だけ、と頭を叩いた。


「何言ってんのっ!俺はもうこの世界には合っていない…みたいなかっちょいい風吹かせて!」

「いやっ別にそんなこと」

「思ってるでしょ!」


頬を膨らませて怒ってくるマリアになんだか親近感と懐かしさを感じたのはかつての仲間を思い出したからだろう。


「やっぱお前と組まない方が良かったわ」

「っ…まだ裏切ったこと根に持ってる…?」

「そりゃそうだろうが」


チラチラとアーサーの顔色を疑いながらそんなことを聞いてくるマリアにビシッと言った。


「まあでも、お前と会えて良かったよ…」

「っ何言ってんの………ほらっもう吸い込まれちゃうよ…」

「あぁそうだな」


自分たちがこれからどこへ行くのか、どうなってしまうのか、それとも自分というものがなくなってしまうのか、そんな次への不安を抱えながらも2人は会話を楽しんでいた。


「うわっ急に風が来るな」

「っアーサー!」


ゲート付近へとなり吸い込みの風が強くなったところでマリアはアーサーへと話しかけた。


「私も、あ、会えて良かった!」


少し恥じらいを残しながらも笑顔でそんなことを言ってきたマリアにアーサーは笑顔で返し、そのまま2人は深い黒へと呑まれて行った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「お姉ちゃん………」


遠くなっていく姉たちの姿を見ながらも、自分のできることをと梶原や倒れたみんなの魔力枯渇を治して行っていたエリスは小さく呟いた。


「………え、エリ、ス…」

「っ!梶原さん」

「すまない、大変な思いをさせて…」


その"大変な思い"というものがどんなことなのかを当の本人は気づいていなかった。


「いえっ魔力はたくさんあるのでっ!」

「いや、そっちじゃ…」


否定しようとするもエリスの全く気がついていない純粋な顔を見て、言わなくても良いかという甘えが出てしまった。


「あれ、梶原さん…?」

「八重森、起きたか…それに警官たちも、体調に問題はないか?」

「はい………?」


八重森に続き他の警官たちが起きていく中で、現在の状況が全く分かっていないようだった。


「あの、アーサーたちは…」


それは八重森がそんなことを言いかけた瞬間だった、黒く染まっていた空は光を取り戻して広がっていく。


「……!?なんで…」

「お姉ちゃん…」


周りにいたモンスターやドラゴンはその光が広がっていくように徐々にと灰のようになって崩れて行った。


「え…お、終わったん…ですか?」

「あぁ、とりあえずことは後で話すので、避難者たちの確認をしましょう」

「あ、えはい……」


警官たちにも刑事たちにも結局は疑問を残しながら、まずは避難者たちの無事と被害を確認することに梶原はした。


だがそれは単に被害を知りたいだけではない、エリスの表情は曇っており、まるで霧が晴れないようであった。

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