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異世界の魔法使いは特殊警察官になりました。  作者: 友人A
5章・夜の蝶は舞い散る
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74日目・ハジマリ


「っ危ねぇなぁ」


そう言いながら炎の煙の中から現れたのはアーサーだった。


「ははっ梶原さん…俺ら撃ちましたよね?」


梶原にそんなことを聞いてきた八重森は信じられないものを見ているという驚愕した目をしていた。

煙から出て来たアーサーの姿と言ったら傷ひとつなく、服の先が少し焦げている程度。


おまけにアーサーの前へと転がっている拳銃の弾は真っ二つに割れていた。


「それより一体どうやって…」

「梶原さんっよそ見しないで!」


八重森の方を向いていた梶原もそんなマリアの声が聞こえるのと同時に前を向いた。

だがそれでも遅く、アーサーは梶原へと剣をもって襲い掛かろうとしていた。


「梶原さんっ!」


そんな時にエリスが杖を乱暴に構えて大量の先の違った岩をアーサーめがけて放った。

マリアが先ほど使っていたものととても似ていたが、量が段違いだった。


集中せず無我夢中で放った魔法だったためかエリスはその反動で後ろへと尻餅をついてしまった。


「エリスっすまない!」

「ガキがっ邪魔すんじゃねぇよ」


よろけたアーサーは標的を変えてエリスの方へと向かった。


「っ!」


反応はできたものの不完全な結界を張ったせいで、アーサーの剣は結界を破ってエリスの腕に刺さった。


刺さったといっても結界により威力が落ちていて切断とまではいかなかったが深い傷がついてしまった。


「っエリちゃん!炎の精霊よ、我に力を」


それを見たマリアは必死に走ってエリスの方へと向かい、エリスを庇うようにしながらアーサーへと火球を当てた。


「っ大丈夫!?大丈夫?」

「大丈夫だよ!治癒魔法かけるから」


マリアに心配をかけぬようにと明るく振る舞うエリスだったが、腕からは血がドロドロと流れ出ており見ている方がマリアの心を苦しめた。


「っほらね!」


そう言ってエリスは治癒魔法をかけて回復させた腕を見せてきはするものの涙目になっていた。


「クッソ、魔法使いが2人もいるようじゃラチがあかねぇな」


アーサーは頭を掻きながら余裕を見せて言った。


「仕方ねぇな…団員たちを生きたままで贄にするか、足りなかったら結界もろとも…」


なにやら物騒なことを言い出すアーサーは腰のブックホルダーに入っている一冊の本に触れた。


「まさかっもう禁術を発動させる気じゃっ!?」

「なんだと!?」


人間相手なら瞬間的にアーサーが勝利していたであろう。だがこちらには魔法使いが2人もいる、それならば戦うよりもいち早く術を行使したこうが良いというのだ。


その本が禁書であると悟ったマリアは全員に呼びかけるが、なす術など全くない。


「おいっお前ら!隠れたらっていったが出てこい」

「はっはひぃ!」


アーサーの目的がなんなのか、アーサーが今からしようとしていることがなんなのかを理解していない団員たちがゾロゾロと陰からやって来た。


「よし、じゃあ使うかぁ」


そう言ってブックホルダーから禁術の書を取り出したアーサーは死者蘇生の魔法のページを開いた。


あれから何百年も経過しているとなれば当たり前だが本は古びておりボロボロとなっていた。


「えーと…魔力を練りながら詠唱を唱えればいいのか」


―虚空の者よ、我が呼びかけに答えよ

 生死の理を破り、永遠の眠りから解き放たれろ


「っうあぁ」


詠唱が完了したと同時、あたりには強風が吹き始め大気を吸い込む軸が作られ始めた。


「梶原さんっ見てくださいっ空が!」


京香の指をさす空を見上げると、それは晴天とも雨天とも言えない。


それは、禍々しい何か。


何処までも広がる虚構のようであり、深淵を浮かべることのできるほどの黒。

浮かんでいるのではない、ポッカリと空に穴ができてしまったような、そんなものだった。


「はぁクッソかなり魔力を喰うなぁ…

だがっふふっははは」


だがこの光景にアーサーだけは不気味な笑いをこぼしていた。


「これが、始まりだ」


ニチャァと笑うアーサーと空の穴は言葉に表せないほど不気味であった。




今回、詠唱が厨二病っぽいです

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