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異世界の魔法使いは特殊警察官になりました。  作者: 友人A
5章・夜の蝶は舞い散る
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69日目・知りたい分かりたい開きたい

へにゃりと気を失い力が抜けたエリスの手を強く掴んだ梶原はエリスと共に水の波へと呑まれてしまった。


「…リスっエリスっ起きろ!エリス」

「…かじわあらさん?」


パチパチと軽く頬を叩きながら梶原が呼んだことでエリスはやっと起きた。


「はっはっくしょんっ!さ、寒ぃぃ」


鼻をズビズビと啜らせながら体をぶるりと震わせていたエリスは梶原と自分の服を見た。


「わぁびっしょびしょ…なんでぇ?」

「覚えていないのか?」

「えっ?………あぁっ!」


そこでやっとエリスは自分が波に巻き込まれたということを思い出した。


「ごっごめんなさい!私が結界を割ったばかりに…」

「いや、エリスではなくとも魔法が完璧なものだとは思っていないから大丈夫だ」


しょぼくれてしまったエリスを励ましたつもりだったが梶原からのそんな一言によってより落ち込んでしまった。


「まぁあまり変わらないと思うが…」


だがそんか様子を見かねて梶原は自分の着ていたコートを脱ぎ、水を雑巾のようにして絞ったあとエリスの肩へとかけた。


「…え」

「いやっいらなければいいんだが…」

「い、いります」


少し食い気味に答えたエリスはコートの袖に手を通した。少し余った袖もなんだが嬉しくなった。


「ここどこなんでしょう?流されて来ちゃったんですよね?」

「まぁ八重森たちの近くではないことだけはわからるな…幸い住宅地ではないようだが」


そう言ってキョロキョロと周りを見渡すと家など一軒も経っていないが、海が近くに見えた。


「流されて下に降りて来ちゃったんですね…海に落ちていないだけ良かったです…」

「いや、落ちたぞ」

「え?」


そんな突拍子もない一言に体が固まってしまった。


「俺も目が覚めたら海でな…本当に驚きなんだが…とにかく焦ってエリスと一緒に上がって来たんだ」

「えぇ………」


エリスは梶原に助けられて嬉しいとか言う気持ちよりも(よく海中で目が覚めたな)という気持ちの方が大きかった。


「とりあえず、上に戻って他の刑事たちと合りゅ」

「あれぇこんなとこに居たんだね」


エリスも目覚めたということで八重森たちとの合流を提案しようとしたが後ろからの聞き慣れた声を無視することが出来なかった。


「エリちゃんたちに勝手に動かれちゃ困るの…

アーサー様の進行に支障を出すなら…ね?」


そう言いながらマリアはエリスたちに杖を突きつけるがそれに臆する様子もなく、エリスは目をキリッとあげて言った。


「…私、マリアお姉ちゃんのことがわからないよ…」

「………わからなくていいよ」


そんなエリスの一言にマリアは顔を歪ませた。


「私はっ!お母さんとお父さんのことが大切!」

「…っ分かってるよ!!だから!」


少し声を荒げたマリアが言った。

ふぅふぅと息も荒くなっていた。


「でも!マリアお姉ちゃんの方がもっと大事!」

「…………ぇ」

「お姉ちゃんが私の両親を殺したからってなんなの!?私はっ!理由があったんならそれを聞きたいし、お姉ちゃんの気持ちがぁ…聞きたいの!」


声を張って叫んだエリスは言い終わった後もはぁはぁと息を切らしていた。


「で、でも…アルバート様だってローザ様だって、きっともう一度生きることを望んでっ」

「本当にそれっ言ったの!?私だったら絶対に言わないもん!」


―そっか、いいよ、ありがとう、マリアちゃん


マリアの頭の中にその一言が何度もリピートして流れていた、それはローザが残した言葉だった。


「マリアお姉ちゃんはっ!今、どんな気持ちなの…?」

「………わた、しは…」


言葉がうまく出てこない。

苦しい、悲しい、辛い、怖い、そんな気持ちがひたすらに体の中で回っている。


「わたっしは…エリちゃんと、会えて嬉しかった、ずっとずっと一緒にいたい…」


それが心の奥底からやっと出てきた言葉だった。


マリアはエリスを育てている時から蘇らせたいとは思ってました。アーサーと出会ってからはその思いが爆発した的な。

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