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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン3:第8話:商業国家の裏通りと、消えた商人たち

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第3シーズン第8話をご覧いただきありがとうございます!


隣国「ヒソヒソ商業連合国」で起きた商人たちの連続失踪事件と謎の黒い紋章の謎を解明するため、単身で隣国へ潜入した主人公・空。

商業国家の華やかな表通りの裏側に隠された、闇の商取引の正体とは――?


新たな調査と不穏な気配を描く第8話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

モクモク王国から国境を越え、馬車を乗り継いで数日。

私は大陸の流通を一手に握る中立国家「ヒソヒソ商業連合国」の首都――『ゴールデン・バザール』に到着していた。


街のあちこちには巨大な魔導電飾が輝き、世界中から集まった商人と買い手たちの喧噪が昼夜を問わず満ち溢れている。一見すると、戦争や謀略とは無縁の、ただ金と物資の流通だけが支配する平和な商都に見える。


だが――。


「若君、事前の情報通りです。この街の表向きの活気の裏で、ここ数ヶ月の間に我が国の闇ルートと取引していた商人が、すでに十名以上も忽然と姿を消しております」

街角のカフェテラスで淹れたての紅茶を啜りながら、私の向かいに座る側近が極めて低い声で報告した。


「ふむ……。商人が消えるということは、彼らが持っていた莫大な資金や、我が家から流した極秘の魔導物資も丸ごとどこかへ消え去っているというわけだね」

私は冷ややかな黒髪の隙間から、往来を行き交う商人や傭兵たちの群れを静かに観察した。


「はい。しかも、彼らの足取りが途絶えた現場には、いずれも例の『歪んだ幾何学模様の黒い紋章』が残されていたとのことです」

「面白いね。モクモク王国を狙う大国たちの陰謀が一通り片付いたと思ったら、今度は商人の国でこういう小賢しい真似をする連中が湧いて出てくるとは。世の中というのは、本当に退屈させてくれないらしい」


私はカップをソーサーに静かに置き、立ち上がった。

「さて、噂をすれば何とやら、だ。今日の夜、この街の最大の裏オークションが開催されるという情報をキャッチしている。そこに、今回の失踪事件の尻尾を掴むための鍵がありそうだからね」


夜のとばりが下り、ネオンの光が一層怪しく輝き始めた頃。

私たちはゴールデン・バザールの地下深くに広がる、一般の人間が決して立ち入ることのでえない「裏スラム街」の一角に足を踏み入れていた。


表通りの華やかさとは打って変わり、そこには腐敗した排水溝の匂いと、法の目を逃れた犯罪者や違法商人たちの濁った欲望が渦巻いていた。


「この奥の倉庫が、今夜の闇オークションの会場でございます」

側近が案内した先には、頑丈な鉄の扉の前に立ちはだかる二人の屈強な魔導傭兵の姿があった。彼らは私たちの姿を見ると、怪しむような視線を向けながら道を塞いだ。


「おい、ここは一見の客が入る場所じゃねえ。招待状を見せなさい」

傭兵の一人が低い声で威圧してきた。


私はフードを深く被り、冷ややかな黒い瞳のまま、ポケットから一枚の黒い魔導カードを取り出して軽く放り投げた。

カードを受け取った傭兵は、そこに刻まれた紋章を見た瞬間、顔色を青ざめさせ、慌てて敬礼の姿勢をとった。


「こ、これは失礼いたしました……! どうぞ、お入りください!」

扉がギギギと重い音を立てて開き、私たちは薄暗い地下の巨大なホールへと足を踏み入れた。


ホールの中央にはステージが設置され、その周囲を取り囲むように、数多くの怪しげなバイヤーや裏社会の有力者たちが高級なソファに腰掛けていた。

ステージの上では、今まさに「特殊な魔導炉心パーツ」や「禁忌の呪文書」といった、通常では絶対に流通しない危険な違法物資が次々と高値で競売にかけられている。


「若君、あそこに……」

側近がステージの隅を指さした。そこには、先日失踪したモクモク王国の商人の姿があった――正確には、すでに自我を失い、まるで操り人形のように立ち尽くしている姿が。


「なるほどね。商人の失踪事件の裏には、こうした違法オークションで人間を拉致し、その知識や物資を奪い取る組織が絡んでいたというわけだ」

私は冷ややかに笑い、さらに奥へと視線を巡らせた。


その瞬間。

ステージの天井裏から、不気味で冷徹な殺気が私の全身を捉えた。


「――おや、そこまでのようだね、モクモク王国の影の貴公子さん」


暗がりの中から、不気味な黒い仮面をつけた複数の影が音もなく舞い降り、私たちを完全に包囲した。その者たちの身体から漂う魔力は、これまでのどの刺客とも異なる、異質で気味の悪い冷気を放っていた。


商業国家の裏通りで待ち受けていた予想外の罠。影の貴公子と、新たな謎の組織の戦いが、今まさに静かに幕を開けようとしていた。

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第3シーズン第8話をお読みいただき、ありがとうございました!


隣国の商業都市に潜入し、闇のオークション会場で失踪した商人の姿を発見した主人公・空。しかし、そこには彼を待ち受けていた謎の仮面集団による罠が張り巡らされていて――!?

次回、突如襲いかかってきた謎の刺客たちを相手に、空が圧倒的な無双を見せつけます!

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