↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/35

シーズン3:第6話:混乱の帝国首都と、秘密の再会

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第3シーズン第6話をご覧いただきありがとうございます!


遠隔魔力の投影を用いてスズメスズメ帝国の元老院執務室を文字通り粉砕し、強硬派のお偉方を生きたまま凍りつかせた主人公・空。

帝国中枢が大混乱に陥る中、ついに内部協力者である天才研究員セレスティアとの直接接触の時が訪れて――!?


緊迫の潜入と知略が交差する第6話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

スズメスズメ帝国の首都、白亜の宮殿。

その最奥に位置する元老院執務室は、先ほどまでの威厳が嘘のように、見る影もない廃墟へと変わり果てていた。


「がっ……はっ……!」

最高議長のガルヴァンは、豪華な絨毯の上で全身の力を奪われたように這いつくばり、荒い息を繰り返していた。彼の周囲では、他の高官や側近たちも冷や汗を滝のように流しながら、恐怖のあまり一歩も動けずに震えている。


部屋の中央に投影されていた空の「影の分身」は、すでにゆらゆらと霧のように消えかかっていた。

だが、その少年が残していった圧倒的な「死の余韻」は、室内の空気を重く凍りつかせたまま、彼らの精神を確実に破壊し続けていた。


「……ば、化け物め……あんなものが……モクモク王国の片隅に潜んでいたというのか……!」

ガルヴァンは血走った目を床に這わせ、歯ぎしりをしながら震えた声で呟いた。

遠隔からの魔力投影だけで、帝国の誇る最高防衛結界を一瞬で粉砕し、元老院の人間を生きたままひざまずかせる。そんな真似ができる人間など、この世界の歴史のどこを探しても存在しない。自分たちが相手にしていたのは、人間などではなく、文字通りの「死神」だったのだと、彼は今更になってようやく悟ったのだった。


「もはや……我々に抗う手段などない……」

一人の高官が絶望に満ちた声を漏らし、そのまま意識を失うように床へ崩れ落ちた。

スズメスズメ帝国の強硬派が企てた世界制服の野望と、地下炉心の暴走計画は、こうして誰にも知られることなく、完全に粉々に砕け散ったのである。


それから数日後。

スズメスズメ帝国の首都から少し離れた、人目のつかない荒涼とした丘陵地帯。

夜の闇に紛れるようにして、一台の魔導特急馬車が静かに停車した。


馬車の影で待っていたのは、深紅の魔導ローブを纏ったセレスティアだった。彼女の顔には、前回のような焦燥感ではなく、どこか呆れと安堵が入り混った複雑な表情が浮かんでいた。


シュッ……と、空間の魔力がわずかに揺らぎ、私の実体がその場にふっと現れた。


「待たせたね、セレスティア」

私は漆黒の外套を軽く整えながら、いつもの涼しげな笑みを浮かべた。


セレスティアは私をじっと見据えると、やれやれといった様子で小さく息をついた。

「……本当に、あなたという人は規格外ね。まさか、本体をモクモク王国に置いたまま、遠隔の魔力投影だけで帝国の元老院執務室を半壊させてくるとは思わなかったわ。おかげで、元老院の強硬派連中はすっかり魂を抜かれたように大人しくなってしまったけれど」


「褒め言葉として受け取っておくよ」

私はポケットに手を突っ込み、冷ややかな黒髪を揺らした。

「我が家の庭を荒らそうとする虫けらには、少し強めのお灸を据えておかないと、また次も同じような面倒事を持ち込んでくるからね。……で、そちらのその後の様子はどうだい?」


「ええ、もう心配いらないわ」セレスティアは表情を引き締め、手元の魔導タブレットを操作した。「元老院の連中が失脚したことで、帝国の研究機関も私の管理下に完全に戻ったわ。地下迷宮にある『禁忌の魔導炉心』も、二度と暴走しないように完全な封印措置を施したわよ」


「それは何よりだね」

私は満足そうにうなずき、懐から小さな魔導水晶を取り出して彼女に手渡した。


「これはいったい……?」

「今回の件で集めた、帝国と反逆貴族たちの密約に関するすべての証拠データさ。君が持っていれば、今後帝国内部で誰も君に逆らうことはできなくなるはずだ」


セレスティアは水晶を受け取り、少し驚いたような目を向けてから、ふっと柔らかく微笑んだ。

「……ありがとう、空様。あなたのおかげで、私もようやく自分の研究に専念できそうだわ」


「お互いにね」

私は背中を向け、モクモク王国へと続く帰路の闇へと歩き出した。

「僕のほうも、執筆の締め切りがそろそろ危うくなってきたところだしね。スローライフを満喫するためには、邪魔な雑用は早めに片付けておくに限るのさ」


首都の混乱を完璧に鎮め、スズメスズメ帝国の野望を根元から断ち切った私は、再び静寂に包まれた我が家の自室へと戻っていく。

戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男として転生した少年の物語は、国内外の敵をすべて沈黙させ、さらなる圧倒的な平和(と執筆の日々)へと向けて、今日も軽やかに羽ペンを走らせ続けるのだった。

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第3シーズン第6話をお読みいただき、ありがとうございました!


帝国中枢を震え上がらせた空の報復により、スズメスズメ帝国の野望は完全に粉砕されました。セレスティアとの協力関係もより強固になり、世界に再び平和が訪れます――が、もちろん空の物語はまだまだ終わりません!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。