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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン3:第4話:捕らえられた工作員と、逆襲の密書

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第3シーズン第4話をご覧いただきありがとうございます!


モクモク王国の地下へ潜入してきた帝国の精鋭工作部隊「影喰らい」を圧倒的な魔力で一網打尽にした主人公・空。

捕らえた工作員たちを尋問した空が導き出した、スズメスズメ帝国に対する次なる一手とは――?


緊迫と知略が交差する第4話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

モクモク王国の地下最深部、青白い魔導陣が怪しく輝く広間。

先ほどまで気炎を上げていたスズメスズメ帝国の極秘潜入工作部隊「影喰らい」の面々は、今や全員が冷たい石畳の上に無惨に這いつくばっていた。


「がっ……はっ……身体が、まるで鉄の塊に押し潰されているように……!」

部隊のリーダー格の男が、血走った目を剥き出しにしながら荒い息を吐いた。彼の全身を巡る魔導回路は空の放った死の魔力によって完全に焼き切られ、指一本動かすことすら許されていない。


私は彼の目の前にしゃがみ込み、冷ややかな黒髪の隙間から、まるで地面に這う虫けらを見るような目を向けた。

「さて。君たちの部隊が持っていた潜入ルートや起動コードのデータは、すでにセレスティアを通じて僕の手元にすべて揃っているんだよね。……それでも、まだ何か僕に言い残したいことでもあるのかい?」


リーダーは悔しそうに歯噛みし、しかし恐怖に震える声で吐き捨てた。

「ば、馬鹿な……我々の計画は完璧だったはずだ……! なぜ、お前などに最初からすべて読まれていた……!」


「完璧?」

私はクスリと冷たく笑った。

「他国の領土に勝手に忍び込んで、世界を滅ぼしかねない禁忌の炉心を勝手に暴走させようとする計画のどこが完璧なのか、僕の国語辞典ではちょっと見つからないな。君たちの上層部のおつむは、どうやら僕の想像を遥かに超えてお花畑でできているらしい」


「殺せ……! 我々をどうしようと、最高元老院の計画はすでに次の段階に入っている! お前一人がここで我々を消そうとも、やがて異界の扉は開き、この世界は――」


「はいはい、そこまで」

私は右手を軽く振り、面倒臭そうに遮った。

「悪役が負け惜しみに言うセリフとしては、少し点数が低いね。世界がどうこう言う前に、まずは君たち自身の命の心配をしたほうがいいんじゃないかな」


指先から放たれた微量の黒い魔力がリーダーの意識を完全に刈り取り、彼はそのままぐったりと床に倒れ込んだ。他の工作員たちも、次々と深い眠り(あるいは永遠の沈黙)へと落ちていった。


工作部隊の制圧をものの数分で完了させた私は、その場で手際よく側近を呼び出した。

「若君、地下の掃討作戦、お見事です。捕らえた工作員たちの処理はどういたしましょう?」

背後から音もなく現れた側近が、淡々と尋ねた。


「全員、我が家の地下牢の奥深くに放り込んでおきなさい。いつかスズメスズメ帝国に送り返すときの『良いお土産』になるからね」

「かしこまりました。それと、スズメスズメ帝国方面から、セレスティア様からの急ぎの魔導書簡が届いております」


私は軽く手を差し出し、側近からその小さな羊皮紙を受け取った。

そこには、前回の書簡よりもさらに差し迫った文字が綴られていた。


『――空様。工作部隊がそちらに向かったという情報が元老院から漏れ伝わってきました。もし彼らが失敗した場合、元老院の強硬派はさらに強硬な手段、すなわち「帝国首都の直接防衛網を利用した大規模な魔導爆撃」をもって、モクモク王国の地下ごと炉心を破壊するつもりです。

このままでは、王国全土が甚大な被害を受けます。どうか、先手を打つ方法を……!』


読み終えた私は、静かに息を吐いた。

「なるほどね。自分たちの工作部隊が失敗したと知るやいなや、今度は自分たちの首都の兵器を使って我が国ごと消し飛ばそうってわけかい。相変わらず、政治家というのは自分たちの保身のためなら平気で味方の命すら切り捨てるものだね」


「若君、いかがなさいますか? 帝国の強硬派が実際に大規模な攻撃を仕掛けてくる前に、我が方の精鋭を率いて帝国本土へ奇襲をかけますか?」


私は首を横に振った。

「うーん、大軍を率いて帝国に乗り込むのは、執筆の締め切りに間に合わなくなるから少し面倒だな」


「では、どのように……?」

側近が不思議そうに眉をひそめた。


私は冷ややかな瞳の奥に、不敵で冷徹な光を灯した。

「向こうが『遠隔からの魔導爆撃』を準備しているなら、こちらも『遠隔からの完全な報復』をお返ししてあげるのが礼儀というものさ。……セレスティアに返信を書きなさい」


「返信、ですか?」

「そう。『そちらの元老院のお偉方には、我が家の特製メッセージを届けておくから、大人しく執務室で震えて待っていように伝えてくれ』ってね」


私は新しい羊皮紙を引き寄せると、愛用の黒インクの羽ペンを走らせ始めた。

スズメスズメ帝国の狂気的な強硬派に対し、モクモク王国の影の貴公子が仕掛ける「逆襲のカウントダウン」は、今まさに静かに、そして確実に動き出そうとしていた。

第3シーズン・第4話をお読みいただき、ありがとうございました!


地下へ潜入した工作部隊を瞬殺し、帝国のさらなる恐るべき計画を知った主人公・空。大軍で乗り込むのではなく、まさかの「遠隔からの報復」を企てる彼の次なる一手とは――?

次回、スズメスズメ帝国の首都を揺るがす空の冷徹な一撃が炸裂します!

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