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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン2:第10話:王都帰還と、残された火種

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第2シーズン第10話をご覧いただきありがとうございます!


帰路の途中で人造暗殺人形の群れを瞬殺し、ついにモクモク王国の首都へと帰還した主人公・空。

しかし、王都の裏側では、国内の反逆貴族たちが最後の大規模な陰謀を企てていて……!?


国内の粛清と新たな緊迫を描く第10話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

数日間の長い出張を終え、我が家の特製馬車は無事にモクモク王国の首都へと帰還した。

城壁をくぐり、石畳の通りを抜け、見慣れた連才家の豪邸へと到着する。表向きの王都は、前回の国際的な混乱が嘘のように平和な日常を取り戻しているように見えた。第一皇子や最高大将軍が失脚したことで、王国内部の政治的権力図は完全に我が家の掌中にある。


だが、それはあくまで「表向き」の話だった。


「若君、おかえりなさいませ」

邸宅の地下秘密室。そこでは、王都に残っていた側近の影が、数枚の密偵レポートを持って私を出迎えてくれた。

「お疲れ様でした。アワアワ迷宮都市での件、見事にすべての主要大国を屈服させたとの報告、感服いたしました」


「まあ、面倒な茶番をさっさと片付けてきただけさ」

私はソファに腰掛け、漆黒の外套を脱ぎながら軽く手を振った。

「それよりも、道中で人造暗殺人形の歓迎を受けた件だ。王国内部の残党が動いているという話だったけれど、そちらの調査結果はどうかい?」


側近の表情がわずかに引き締まり、手元のレポートをテーブルの上に広げた。

「はい。帰路で遭遇した人形たちの出どころを徹底的に調べ上げた結果、やはり国内の貴族派――前回の第一皇子派閥に連なる生き残りの者たちが裏で糸を引いていたことが判明しました」


「ほう……。第一皇子やグレアム侯爵が消えた後でも、まだ懲りずに権力を握ろうとする虫けらどもが残っていたというわけだね」


「左様でございます。彼らは、若君がアワアワ迷宮都市の国際会議で不在になる時期を狙い、王宮の古い地下迷宮に潜伏。そこで外部の闇組織から密かに買い付けた人造暗殺人形の技術を使い、王国の中枢を再び乗っ取るクーデターを計画しているとのことです」


私は冷ややかに鼻で笑った。

「クーデターねえ。自分たちの力ではなく、他国の技術や人形に頼らなければ何もできない連中が、よくもまあ懲りずにそんな大言壮語を吐けたものだね」


「彼らの拠点は、王都の地下深くに広がる『旧王立地下水路』の最深部。すでに我が方の情報網で、そのすべての出入口と潜伏ポイントを完全に特定しております」


私は愛用の黒インクの羽ペンを指先でクルクルと回しながら、冷徹な光を黒い瞳に宿した。

「前回の件で、王国全体の掃除は大部分を終えたつもりだったけれど……どうやら、床の隙間に隠れていた小さな害虫を一匹残らず叩き潰す必要があるらしい」


「いかがなさいますか? 直ちに我が家の精鋭を動員し、地下水路を制圧して彼らを処罰いたしますか?」


「ううん、大勢力で大騒ぎする必要はないさ」

私は立ち上がり、ふっと冷たく微笑んだ。

「こういうコソコソと隠れて悪巧みをする虫けらには、夜の闇に紛れて、静かに、そして確実にトドメを刺してあげるのが一番の親切だからね」


その日の深夜。

モクモク王国の華やかな表通りの下、完全に光の届かない「旧王立地下水路」の最深部。


湿った石壁に囲まれた広大な地下空間には、松明の微かな光が揺らめき、数名の怪しげな貴族の残党たちが集まって何やら険しい顔で密談を交わしていた。


「……連絡はどうなっている! アワアワ迷宮都市に向かわせた人造暗殺人形部隊からの報せが途絶えているぞ!」

派手な装飾のローブを着た初老の男――伯爵位を持つ反逆貴族のリーダー格が、不安そうに声を荒らげた。


「ま、まさか……あの連才のガキに全員返り討ちに……?」

別の男が青ざめた顔で呟いた瞬間、地下水路の入口から、まるで氷点下の冷気が流れ込むような、不気味で圧倒的な「死の重圧」が室内に満ちた。


「だ、誰だ……!?」


一同が慌てて剣や魔導杖を構えたその時、暗がりの中から、カツン、カツンと静かで冷たい足音が響いてきた。


漆黒の外套をまわり、冷ややかな黒髪の少年が、まるで自分の家の庭を歩くかのような優雅な足取りで、彼らの目の前へと姿を現した。


「――お探しのものなら、全員僕が綺麗に掃除してあげたよ」


声を発したのは、他でもない連才空その人だった。

反逆貴族たちの瞳に、逃れられない絶望の色が絶望の底から湧き上がるように浮かび上がるのだった。

第2シーズン・第10話をお読みいただき、ありがとうございました!


王都に帰還した空を待ち受けていたのは、王国の地下水路に潜伏する反逆貴族たちの残党でした。クーデターを企てる彼らの前に、夜の闇に紛れて単身で乗り込んだ空。容赦なき「地下の掃除劇」の行方は――?

次回、反逆貴族たちへの最終的な制裁が描かれます!

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