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『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した(※生まれながらの裏切り者)について』  作者: 凪塩 未来


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シーズン2:第8話:天才研究員の提案と、秘密の同盟

『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第2シーズン第8話をご覧いただきありがとうございます!


アワアワ迷宮都市を離れる直前、スズメスズメ帝国の天才魔導研究員セレスティアから「禁忌の魔導炉心」と主人公・空の魔力に関する危険な取引を持ちかけられた主人公。

彼女が提示する驚愕の提案と、影の貴公子の判断は――?


知略と魔力が交差する第8話、今回もぜひお楽しみください!

ブックマークや評価での応援も、よろしくお願いいたします!

アワアワ迷宮都市の高級迎賓館の私室。

窓から差し込む朝の光の中、私はスズメスズメ帝国の天才魔導研究員――セレスティアの言葉を静かに吟味していた。


「僕の魔力と、古代の『禁忌の魔導炉心』に興味がある、か」

私はソファに深く腰掛け、冷ややかな黒い瞳で彼女をじっと見据えた。

「ペコペコ帝国やマケマケ皇国が政治的な支配権や領土を求めて動いている中、君の動機はあまりにも純粋で……そして、研究者として狂気的だね。自分が敵に回ったらどうなるか、分かっていて言っているのかい?」


セレスティアは微動だにせず、むしろ私の冷ややかな視線を真っ直ぐに受け止めた。

「ええ、もちろん分かっています。昨日の国際会議で、あの傲慢な使者たちを一瞬で沈黙させたあなたの実力は、我が国の最高情報機関からもすでに報告を受けていますから」


彼女は一歩前に進み、真剣な眼差しで言葉を続けた。

「ですが、ペコペコ帝国やマケマケ皇国の上層部は目先の欲に目が眩んでいる愚か者ばかりです。彼らはモクモク王国の封印を奪い、自分たちのものにすれば世界を支配できると本気で信じている。……けれど、それは大きな間違いよ。あの『禁忌の魔導炉心』は、生半可な権力で扱える代物ではないわ」


「ほう?」私の眉間がわずかに動いた。「もう少し詳しく聞かせてもらおうか」


セレスティアは懐から一枚の古い魔導羊皮紙を取り出し、テーブルの上そっと広げた。そこには、複雑怪奇な魔力の流れを示す幾何学的な図面が描かれている。


「我が国の古文書に記された研究データによると、数百年前にモクモク王国の地下深くに封印された『禁忌の魔導炉心』は、単なるエネルギー源ではありません。それは、異界とこの世界を繋ぐ『歪み』を安定させるための、文字通りの『楔(くさび)』なのです」


セレスティアの表情に、かすかな緊張の色が走った。

「もし、ペコペコ帝国のように無知な者たちが力尽くでその封印を解き、炉心を奪い去ろうとすれば……迷宮都市どころか、大陸全体の空間が崩壊し、計り知れない災厄が解き放たれることになる。私は、それが怖いのよ。政治的な野望のためだけに、世界を滅ぼしかねない愚行を許すわけにはいかないわ」


私は彼女の言葉を聞きながら、心の中でこれまでの情報を繋ぎ合わせた。

(グレアム侯爵が暗躍していた件も、今回の国際会議の裏工作も、すべては大陸の滅亡を招きかねない危険な火遊びだったというわけか。……まったく、人間の欲深さには底がないね)


「なるほどね」

私はクスリと冷たく笑った。

「君の言い分は分かった。要するに、君は帝国の一員でありながら、帝国の愚かな上層部を出し抜いて古代の炉心を正しい管理下に置き、同時に僕の持つ魔力の秘密を研究したい。……そういうことかい?」


「ええ、その通りです」セレスティアは力強く頷いた。「私と『秘密の同盟』を結びませんか? モクモク王国とスズメスズメ帝国の水面下での共同研究者として、彼らの野望を阻止するのよ」


静まり返った部屋の中で、私はしばらく腕を組んで考えていた。

スズメスズメ帝国という巨大な敵の内部から、優秀な研究員が味方として情報を流してくれるというのは、今後の展開において非常に大きなアドバンテージになる。それに、彼女の持つ魔導知識や古代の古文書のデータは、私にとっても決して無駄なものではない。


「面白い」

私はゆっくりと立ち上がり、彼女の目の前へと歩み寄った。

「君の提案、受けてあげよう。ただし、一つだけ条件がある」


「条件……ですか?」セレスティアがわずかに息を呑んだ。


「当たり前さ。我が家に協力するということは、君が属するスズメスズメ帝国を裏切ることを意味する。もし途中で二枚舌を使ったり、僕を嵌めるような真似をしようものなら……昨日のみんなのように、一瞬でこの世界から消し去ることになる。その覚悟はあるかい?」


私の瞳に宿った冷酷な「死の魔力」の光を見て、セレスティアはごくりと喉を鳴らした。だが、彼女の瞳にある恐怖の奥底には、それを上回る圧倒的な「探求心の炎」が燃え盛っていた。


「……ええ、覚悟の上です。研究のためなら、命を賭ける価値は十分にありますから」

彼女は臆することなく、差し出された私の手を取った。


大陸全土を揺るがす巨大な陰謀の裏で、モクモク王国の影の貴公子と、スズメスズメ帝国の天才研究員による危険な秘密同盟がここに結ばれたのだった。

第2シーズン・第8話をお読みいただき、ありがとうございました!


スズメスズメ帝国の天才研究員セレスティアから語られた「禁忌の魔導炉心」の真実と、世界を救うための秘密同盟の提案。空は彼女を新たな協力者(あるいは監視対象)として迎え入れることを決意します!

次回、いよいよアワアワ迷宮都市をあとにし、モクモク王国への帰路につく空を待ち受ける新たな展開とは――?

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