シーズン2:第6話:円卓の崩壊と、国際制裁
『戦火の絶えぬモクモク王国で、暗殺稼業の成り上がり貴族の長男に転生した』第2シーズン第6話をご覧いただきありがとうございます!
国際会議の場で傲慢な大国使者たちを圧倒的な魔力でひざまずかせた主人公・空。
恐怖と絶望に染まる円卓の間で、影の貴公子が下す容赦なき「国際制裁」の幕が上がります!
緊迫と圧倒的無双を描く第6話、今回もぜひお楽しみください!
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アワアワ迷宮都市の中央議事堂、その最上階にある「星霜の円卓の間」。
かつては大陸全土の大国たちが互いの利権を巡り、傲慢な駆け引きを繰り広げていたその場所は、今や完全に一人の少年の放つ圧倒的な「死の重圧」によって支配されていた。
「ぐっ……あぁ……! 身体が……溶ける……!」
マケマケ皇国の最高参謀ドルチェンをはじめ、ペコペコ帝国やスズメスズメ帝国の使者たちは、豪華な円卓の床に這いつくばり、泥水をすするような荒い息を吐いていた。
彼らを包み込むのは、空の指先から静かに溢れ出る漆黒の魔力。それは単なる物理的な圧力ではない。人間の魂の芯まで冷やし尽くすような、絶対的な恐怖の波動だった。
私は冷ややかな黒髪の隙間から、足元で震える重鎮たちをまるでゴミを見るような目で一瞥した。
「国際会議? 大国の威信? 笑わせないでよ。自分たちの裏工作がバレたと知るやいなや、今度は大勢力で威圧して我が国の富を奪おうとしたくせに、いざ形勢が逆転すればそのざまかい」
「ま、待て……! 空殿……!」
ペコペコ帝国の特使が、血を吐きながら必死に腕を伸ばした。彼の顔は恐怖のあまり蒼白になり、脂汗でぐっしょりと濡れていた。
「我々を害すれば……ペコペコ帝国とマケマケ皇国、そして全大陸の軍勢がモクモク王国を敵に回すことになるぞ……! それでも……いいのか……!」
「軍勢?」
私はクスリと冷たく笑った。
「君たちは、僕が前回、王都の観兵式で何をしたのか忘れたのかな? 第一皇子も、最高大将軍も、そして数万の精鋭兵たちも、僕の前ではただの動けない人形だったよ。大陸の軍勢がどれほど集まろうと、頭をすっかり切り落としてしまえば、ただの烏合の衆に変わりはないのさ」
その言葉に、円卓の間にいた全員の血の気が完全に引いた。
彼らは理解したのだ。この十二歳の少年は、ただの「一貴族の長男」などではない。国の一つや二つを意のままに操り、あるいは滅ぼすことのできる、本物の「災厄の化身」なのだと。
「さて」
私はゆっくりと歩を進め、円卓の主賓席の前に立った。
そこには、各国の使者たちが署名するために用意されていた「不平等な分割統治条約」の羊皮紙が綺麗に並べられていた。
「君たちが僕たちを嵌めるために用意してくれたこの素晴らしい条約書。せっかくの好意を無駄にするのは悪いからね。少しだけ内容を書き換えさせてもらうよ」
私が右手をかざすと、黒い魔力の糸が羊皮紙の文字を綺麗に削り取り、新しい文言を次々と刻み込んでいく。
ペコペコ帝国、マケマケ皇国、そしてスズメスズメ帝国――会議に参加している全ての主要大国に対し、モクモク王国に対する不可侵条約の締結、全貿易関税の全廃、そして我が連才家に対する莫大な「慰謝料(=賠償金)」の支払いを義務付ける、完全にモクモク王国一極集中の不平等(だが極めて正しい)条約へと書き換えられていく。
「なっ……なんだと……こんな条約に署名できるか……!」
ドルチェンが最後の気力を振り絞って叫んだが、その瞬間、彼の首元にぴたりと冷たい黒い魔力の刃が添えられた。
「署名するか、それともここで全員の首を刎ねられて二度と母国に帰れなくなるか。……どちらがいいか、君の好きな方を選びなさい」
選択の余地など最初からなかった。
ドルチェンは震える手で羽ペンを掴み、涙と冷汗を流しながら、新しく書き換えられた条約書に自分の名前を署名した。他の国の使者たちも、それに続くように次々と恐怖の署名を強いられていった。
すべての署名が終わると、私は満足そうにその羊皮紙を巻き取り、懐へとしまった。
「よろしい。これで今回の国際会議の目的はすべて達成されたね。君たちの協力(?)に感謝するよ」
私が指先を軽く弾くと、円卓の間を押し潰していた重圧がスッと消え去った。
自由を取り戻した使者たちは、まるで泥の塊のように床に倒れ込み、二度と立ち上がることができなかった。
私は振り返ることなく、円卓の間から続く重厚な大扉へと歩み寄った。
「さて、面倒な外交の茶番もこれでおしまいだ。そろそろ屋敷に戻って、溜まっている小説の続きを書かないとね」
背後で、大国の重鎮たちが恐怖に震えながら小さくうめき声を上げている。
アワアワ迷宮都市で開催された国際会議は、周辺諸国によるモクモク王国侵略の陰謀の場から、一人の影の貴公子が大陸全土にその圧倒的な支配力を知らしめる「絶対的な断罪の舞台」へと完全に変貌を遂げたのだった。
第2シーズン・第6話をお読みいただき、ありがとうございました!
国際会議の場で大国使者たちを圧倒し、モクモク王国にとって圧倒的に有利な不平等条約を無理やり締結させた主人公・空!
外交の舞台ですら自身の独壇場に変えてしまう影の貴公子の無双劇、いかがでしたでしょうか?
次回、アワアワ迷宮都市をあとにする空を待ち受ける、さらなる新たな風とは――?




